10/28(日) 実践女子大学サッカー同好会
reported by 山田
第27回東京都女子サッカーリーグ3部リーグ第6節、実践女子大学サッカー同好会戦。後期3連戦となる一つの山場を迎え、その区切りとなる相手は大学チームとの一戦となった。大学チームといえば今期の初戦で対戦したICU戦での敗北が強く頭に残っており、当時は大人との試合に技術を発揮することができない内容として課題を残し、その後半年間の成果を試す絶好の機会となる。前節までの3連勝の中で同年代との相手や社会人中心のチームと対戦し、徐々に結果と内容が一致するパフォーマンスを見せきたことで選手たちにも自信が付いて来た良い時期にこうして大学チームと試合ができることに期待を持つことができていた。
この日のピッチは天然芝の小さなグラウンドで、公式戦では稀なスパイク使用禁止という前提の下で行われた。しかし選手たちは事前トレーニングから自主的にトレーニングシューズでの活動を打ち出し、この試合に向ける意識は万全であったと言える。ウォーミングアップは足元とピッチの大きさを確認して行い、狭い状況下での守備と攻撃時の豊富な運動量を求めて送り出した。
前半開始、試合は思ったよりも早く動いた。まず2分に右サイド選手からのアーリークロスに飛び出したFWがGKの前方でハーフボレーを決め先制する。その後中盤のパスミスからカウンターで同点とされると、縦に急ぐ傾向が強くなりしばらくの間支配しつつも慌ててチャンスを逃してしまう。次にスコアが動いたのは21分。相手PA手前で得たFKを直接決めて逆転すると、続く25分に攻撃陣の連携から、29分にCKでGKの頭上を越えたところに飛び込み一気に4−1と突き放して前半を終える。
ハーフタイム、ミスから失点を与えたことにより、ポゼッションをより丁寧に、堅実に繋ごうとする意識が強くなっていたため、意外性のない攻撃が続いていた。FKでの得点により流れから立て続けに追加点を挙げられたが、後半さらにスコアを広げるには局面での意外性とミドルシュートのバランスが必要だと感じ指示した。
後半も早々にチャンスが訪れ、31分右サイドからのクロスにFWが合わせて5点目。続く34分にもFKを基点に追加点を挙げ、前半と同じく相手が試合に慣れる前に得点を重ねて一方的な試合展開となる。この後もチャンスをつくるが相手の身体を張った守備に粘り強く対応され集中を欠くプレーが目に付くようになっていく。すると嫌な予感は的中し、51分にDF陣の足が止まった瞬間を突かれスローインからゴール前まで運ばれるとフリーでシュートを放たれる。一度はポストに救われるが、これを詰められ2失点目を献上してしまった。与えてはいけない失点に再び集中力を取り戻すと、その直後の53分にCKを得て相手のクリアミスでオウンゴールを誘い、55分にもオーバーラップしたDF選手が中央突破からミドルシュートを決める。結果8−2で第6節を制した。
結果的には大勝した試合となったが、失点がミスから生じていることを考えるとまだまだ修正をしなければいけないと言える。現に相手のシュート数は前半1本、後半3本である。相手は確実にチャンスをものにしており、逆に捉えればそれだけの重大なミスを与えてしまったことになる。2つのミスは技術的なものではなく、連携や切り替えの部分であり与える必要が無かった。リーグに置ける得失点差を視野に入れて戦う上では、どこかで失点分を補わなければならない時が訪れるはずである。今回は目の前の一戦に集中することとリーグ戦という長期的な視野が重要だということを学べた勝利となった。しかし半年間での成長が結果として表せたことは今後の良い材料だと言える。この3連戦は勝利するごとに勢いづき、それに比例して得点力も倍の結果をもたらした。短期間に試合が集中したことは選手たちにとっても良い方向に向かい、チームも個人も従来期待されていたレベルのサッカーを表現できるようにもなった。残るは3戦。再び連戦の日程となるが、まずはそれまでの限られた時間で更なる成長と課題の修正を図り本当の意味でレベルアップした状態で臨みたいと思う。次節は昨年度リーグで敗戦したエスペランサとの大一番である。厳しい試合と予想できるが最後の山場の一歩目を全力で戦いと思う。