10/14(日) 西台アミーカ
reported by 山田
東京都女子サッカーリーグ3部リーグ第4節、西台アミーカ戦。前期の欅戦から約3ヶ月ぶりの試合となり、夏場のトレーニングやガールズ大会を経てその成果を出せるかが注目された。この3ヶ月間は前期の課題であったボールポゼッション率の向上をさらに具体化し、ゴールを意識した判断力やハイプレッシャー状況下における崩しを中心的に強化してきた。これまでのトレーニングで日々着実にその成果を上げていることを確認できており、新たに強い気持ちをもって2部リーグ昇格への再スタートを切ることとなる。
ピッチは砂混じりでやや重く、ボールを運ぶのには配慮が要るグラウンドである。選手たちはリラックスしながらも個々でこの試合の重要性を理解しているようで、普段と変わらずいい状態でウォーミングアップを行えていた。ミーティングではスペースと足元でのプレーの判断についてそれぞれ確認をし、より多くの得点チャンスを得るため積極的に奪いに行くよう伝えた。結果を求めていかなければならない状況は前期と変わっておらず、あくまで攻撃的な姿勢を貫くことが重要であり何が何でも勝点を取らなければいけない。
相手は10人での布陣で、前半から我々にとっては優位な状況が置かれていたため開始から比較的自由にプレーすることができた。中盤を基点に相手DFラインの突破を図るが、抜け出す前線の選手がディフェンダーを振り切れず引っ掛かってしまったり、パスだけが抜けてしまう。その中で守備的な選手が攻撃に絡んだ時に決定的な場面を演出できていたのだが、カウンターを警戒してその回数が少なく、チャンスを決められず時間だけが過ぎていく。攻めれば攻めるほど相手はゴール前で陣営を固め、普段選手たちが目指すスペースが埋まる為、攻撃は徐々に単調となり、手詰まりの状態が長くなっていた。前半10本のシュートを放つがその半数が遠い距離からのミドルシュートというデータが試合を表していた。最終局面での連携が噛み合わないままスコアレスで前半を終える。
ハーフタイムでは相手と自分たちの布陣を比べた上でどこが有効的かを確認した。また中央に固執した攻撃にバリエーションを加えたり、フリーでシュートに持ち込むために人を絡める積極的なプレーを求めた。もしこの後半でもスコアレスで試合を終えることがあれば、それは昇格の可能性を失うことに繋がる。それだけは阻止したかった。
後半に入り、ようやくスピードに乗った攻撃が見られるようになるが、相手も最後のところでシュートを阻んでくる。しかし中盤の攻防からや、相手をある程度引き付けられた時はスペースが生まれるため得意な形の攻撃を展開できていた。この回数が増えれば先制点は時間の問題だと確信していたが、次第に前半と同じ状態に持ち込まれてしまい、再びゴール前をこじ開ける作業に苦労してしまう。ハーフタイムに懸念していたことが段々現実味を帯びてきていた。しかしこの強固な守備を崩したのは47分の個人技だった。中2MFの選手が中央左寄りから単独突破を図り、これまでインターセプトやクリアーに徹してきた相手DFの隙を突いて見事なシュートを決める。やっと試合が動き始めると相手の守備に綻びが生じ、続く50分に同選手が味方DFのパスをコントロールからそのままループシュートに持ち込み追加点を挙げる。この後すでに投入していた新加入選手数名を攻撃的な位置に配置し、一気に得点を重ねたかったがチャンス実らず2−0で終了した。
勝利という得るべき結果を得たが、私ももちろん選手たちも誰一人として納得している試合ではない。むしろ悔しさが色濃く残る内容であったと思う。選手たちは自分たちがやるべきサッカーを分かっているのだが、それを表現できなかったことに課題が表れた。これは新たな課題であり、いよいよ最終局面でのゴールするためのイメージや連携に辿り着いたといえる。試合を通してのシュート数は21対1と一見圧倒しているように見えるが、ガードを固めた相手に対しての有効打は少なかった。終始支配したゲームであったが、結果は引いた相手に自分たちの長所を消されてしまった非常に苦しい内容だった。次節までに与えられた時間は少ないが、シュートそのものに課題を置いて励んでいきたい。