9/23(日) 十文字中学校

reported by 山田

第4回東京都ガールズ(U−15)サッカー大会、最終日。準決勝の相手は十文字中学校であった。相手は予選リーグにて、今期無敗記録を更新していたスフィーダBチームに黒星を付け首位突破を果たし、この準決勝まで快調に勝ち進んできた。フィジカル面、メンタル共に鍛えられた非常に手強いチームであるゆえ、今大会の大一番になると警戒心を強めていた。

今日のメンバーはトップ所属2名、U-18所属7名、U-15所属3名の計12名。決勝のことを視野に入れるとバックアップメンバーが不足しているため、できるだけ負担の少ない試合展開を望みたいところである。今大会、Aチームはメンバーが大幅に変わったりシステム、ポジションも様々なバリエーションを組んできた結果、なかなか理想通りの内容を発揮できなかった。ただそれでも結果を残してきたことは選手たちの自信につながり、同時にベンチサイドの信頼にも繋がっている。誰が出場しても変わらないサッカーを目指し、今日は自分達が今までで一番のメンバー不足のため特に結果にこだわることを強調して臨んだ。内容を追求するのがスフィーダの姿勢ではあるが、この日に関しては限られたメンバーの中でベストを尽くし勝利を目指すという姿勢が選手にとっても一番の成長に繋がると考えていた。

試合序盤からお互いに気持ちがぶつかり合う激しく落ち着きの無い展開となるが、次第にペースを掴んだのはスフィーダ。若干縦への意識が強い印象があったが、随所で相手をいなすプレーも出てこれまででは良い方の流れであった。しかしフィニッシュに繋がる場面でのイメージが合わず、フリーでペナルティーエリアに進入することはほとんど無かった。一回一回の攻撃時間はこちらが長いのだが、それに対して相手はロングボールからのカウンターでシンプル且つ効果的に状況を打開してくる。相手FWのスピードも速く危険な存在であるため、DFのポジショニング修正やタイトなディフェンスを要求していたが、それでも何度か背後を突かれることがあった。同じ展開が繰り返される中、先制点は十文字に生まれた。20分頃に自陣中央で浮き球を拾われると、そのままスピードに乗ってドリブル突破。これにDF2枚が正面で対応するが、その間をさらに割られ失点。支配しつつも出鼻をくじかれ、再び相手ゴールへと迫っていくのだが枠を捉えきれずそのままハーフタイムに。

前半は人に合わせる意識と縦への突破に慌てて最終的にゴール前で詰まる原因になっていたため、相手もそれに対応して中央を固めて人に激しく行くようになっていた。よってサイドの突破とスペースの活用が一つのポイントになる。もう一つはロングボールへの対処。攻守の修正を図り後半へ。

後半に入っても流れはスフィーダにあり、サイドを使うことで前半よりも相手を走らせ、前を向いて仕掛ける回数も多くなる。すると40分に左サイドの選手が個人技で2人を交わし、そのままGKとの1対1を決めようやく追いつく。これにより相手が引き始め、より高い位置でのポゼッションが可能となる。そして再び試合が動いたのは終了までの5分間だった。55分、相手ペナルティーエリア手前で得たFKをDF選手が直接決め逆転、59分にはFWのエリア内の個人技で追加点を挙げ試合を決めた。

結果やボールポゼッション率こそ上回ったが、相手は最後まで全力で迫り、終了間際にバーに救われるシーンもあった。カウンターと1対1の局面の強さ、不屈の精神力に油断さえ許さない苦しい内容だったと振り返られる。同じ中学生として、学ぶべきものの多い相手と真剣勝負を繰り広げられたことに敬意を表したいと感じた試合であった。

試合結果に戻る