9/9(日) ラガッツァFC

reported by 山田

第4回東京都ガールズ(U−15)サッカー大会予選リーグ、初戦の相手はラガッツァFC。今大会のAチームはトップチーム所属選手(8名)、U−18所属選手(7名)、U−15所属選手(3名)の編成となっている。登録選手は18名と充実しているが、本日は関東トレセンリーグ等により半数が欠席となり、やむなく9名で臨むこととなった。このチームはU−14研修大会、U−15選手権東京都予選ともに連覇を果たしており、今大会では追われる存在にある。しかし、スフィーダは追われることよりも追うことで力をつけて来た。今までのタイトルはあくまで結果であり、こだわるものではない。この初戦も自分たちの目指すサッカーを追及し、劣勢の状態でも主体性を持って取り組むことを要求した。また、U−15年代にとっては夏場の成果を試す絶好の機会であり、今後の各リーグに向けてもここでの経験がもたらす効果は非常に大きい。課題は異なるカテゴリーの混合チームなだけに、連携面をどう合わせていくかにある。コミュニケーションが重要な部分であるが、ここも夏の総決算として試されるところである。

ウォームアップ、ミーティングを終え、相手のメンバーを確認すると10名しかいない。試合は10対9の変則的な内容となった。前半は風下に立つが開始から比較的優位に試合を進めることが出来た。しかしゴール前で普段いるはずのサポートがいない戸惑いからか、迷いを感じるプレーが多く見られ、相手も少ないターゲットに的を絞ってディフェンスできるため中央を固めて難を逃れていく。人数が少ないため選手一人ひとりにスペースがあるのだが、カウンターを気にして受け方が消極的になってしまい淡白でスピード感の無い攻撃が続いてしまう。近い距離にサポートがいないため、うまくリズムをつくれないといった状況が多かったように感じる。試合を支配していても効果的にゴールへ迫れないため、DFの枚数を削って中盤を厚くするが、その直後にディフェンダーの選手がヘディングで相手と交錯しプレーの続行が不可能となり、8人での戦いを余儀なくされてしまう。気温は30℃を超え、強い向かい風。早くも厳しい状況となるが、この数分後の14分にFWの選手が個人技の突破から先制点を挙げる。この後も両サイドからの仕掛けやミドルシュート、CKから再三追加点を狙うが全て枠を捉えきれず1−0のままハーフタイムへ。

選手の体力の消耗は通常の2倍はあったと思う。またこの段階で一番厳しいのはこの暑さの中で8人でやらなければいけないという精神的なものであった。辛いことが分かっていてさらに追加点を挙げるのは精神的・体力的にタフでなければできない。選手たちには、うまくいかなかった前半の内容を変えるには最終局面での工夫と、各自の動きの量・質を上げサイドを突くこと。暑さを忘れるためによく話すことが必要だと3点を修正点として確認し、後半へ臨んだ。

後半、選手たちは息を吹き返し、一気に相手ゴールへと迫っていく。この試合初めて全員が積極的な姿勢で連動し、33分に2得点目を挙げる。右サイドの縦の突破に合わせてFWがその前方スペースへDFと共に流れ込み、ゴール前にスペースをつくる。仕掛けていた選手がそこへ進路を変えると逆サイドからマークを捨てたDFがカバーに訪れるが、最後はフリーになったところへパス。そのままGKとの1対1を決めるという流れであった。ディフェンスラインからのビルドアップ・前線3枚の連動と、まさに全員で奪った素晴らしい得点だった。さらにチャンスは増え、続く40分に中盤選手が相手を交わして左サイド選手が裏へ抜け出すところにフィード。このファーストタッチを相手DFがクリアを狙うがミスからGKの頭上を越えてオウンゴール。ここまでの試合内容から見てほぼ確実なスコアとなった。この後ビルドアップのインターセプトからカウンターを受け1失点を許すが、流れは変わらなかった。時間が経過するにつれて疲れからパスのズレが大きくなり細かいミスが増えたが、技術的なミスと連携でのミスとが選手自身に理解できていたため、自分たちで修正しようとする意識が見られた。そのため選手たちは次第に連携を高めていき、前半とは違った形の攻撃を展開できていた。追加点に繋がらなかった部分は幾つかの要因を含んでいるため、改めて修正する必要があるが、天候・人数が厳しい状況の中で主体的に取り組んだことが非常に大事なことだといえる。

結果3−1で予選リーグ初戦で勝ち点3を得ることに成功した。ゲームを振り返れば、試合内容、スコアについて誉められるとは言い難いが、それは選手たちが十分わかっている。私はこのゲームは結果以上に得ることが多かったと感じている。まず9人→8人という試合経験、自分たちで前半のサッカーを修正した点、苦しい中でもコミュニケーションを取ろうとする姿勢、普段より多くのプレーを必要とされ実践したこと、最後まで相手より走り切ったこと等、チームとしてというよりも、個人で学ぶことが多々あったのではないかと思う。理想通りのサッカーにはならなかったが、出来なかったものよりチャレンジしたものの方が多かったのは、次節においても選手の将来に関しても意味のある一戦であった。一方課題も個々人で明確に残ったことが収穫である。このチームの連携を深めていくには、個人の課題克服とコミュニケーション能力がポイントとなる。次節までに今日の課題をどの様に解決し、ゲームの中で発揮できるようにするか。日常のトレーニングの取り組み方がよりシビアになると学べたはずである。

次節はダブルヘッダーとなるが初めてメンバーが揃う日でもある。連携面の課題は必ず出てくることだが、その課題が新たなものになるようステップアップしていきたいと思う。

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