7/16(月) 欅SC
reported by 山田
東京都女子サッカーリーグ3部リーグ第3節、欅スポーツクラブ戦。すでに2敗を喫した我々にはもう後が無く、この試合に勝利すること意外の目標などなかった。欅SCとは4部リーグ時代から幾度も対戦してきており、着実に力を付けてきた今期の優勝候補の一角である。特徴としては爆発的な攻撃力を誇り、勢いに乗せてはいけないチームである。この試合で重要な点は中盤の支配力である。お互いに無得点では終わらないと予想し、それでも失点を最小限に抑えることを考え布陣を変えて臨んだ。相手の攻撃の基点、ロングボールの出所を絶つために中盤に人数を掛け、プレッシングサッカーを狙った。攻撃においては逆サイドへの速い展開、サイド攻撃からチャンスをつくり、スペースの共有意識を持つ。守備ではカウンター対策として裏を取られないことやヘディング、1対1で抜かれないことをポイントとして挙げ、コンパクトフィールドを形成し、中盤を制覇することを徹底した。
試合開始直後から積極的にボールを奪いに行き、中盤の激しい攻防が続いた。今までは1対1で奪うことがオーソドックスな形であったが、常に囲んでプレスをかけることで相手に蹴らせる余裕やドリブルさえも許さない守備が出来ていた。中盤を支配することでより高い位置でのボール奪取が可能となり、スルーパスに抜け出したFWがGKの脇を流し込み待望の先制点が生まれた。ようやくもぎ取った1点にチームの勢いは増し、同じくFWが飛び出してきたGKの頭上を越すシュートで追加点を挙げる。このまま前半を優位に乗り切りたかったが、終了間際に右サイドを突破され1点差とされてしまう。2−1で後半へ。
ハーフタイムでは今の運動量を落とさず、早い段階で追加点を挙げることを指示した。今の1点で相手は息を吹き返しおり、仮に同点とされれば流れがどうなるか読めなくなる。30℃を越す猛暑の中で次の1点が心理的に与える影響は大きいと伝え、0−0のつもりで後半に臨んだ。
後半は精神的にも体力的にも厳しい内容となった。前半と同様のパフォーマンスを維持した結果MFの個人技から追加点を挙げるが、再び右サイドを基点に押し込まれ3−2にされてしまう。この後もお互いに譲らない凌ぎ合いが続くが、試合を決めたのは一本のCKであった。DF選手のヘディングシュートが決まるとここまで粘りに粘って来た相手の集中力が一気に途切れていった。猛暑の中の後半半ば過ぎで4−2となり、試合はほぼ決まっていたが、何度も喰らいついてきた相手のプレッシャーを払拭するためのダメ押しゴールも決まり5−2で初勝利を掴んだ。
この日のピッチコンディションはこの試合を含めて他試合でも前半で熱中症にかかる選手が出る程の猛暑であった。その中で選手たちが最後まで走りぬき、苦しいゲームを制することが出来たのは1節、2節の敗戦があったからだろう。この試合初めての布陣にも関わらず柔軟に対応し、高い集中力をもって臨んだ選手たちの成長と結果の二つを得た素晴らしい一戦であった。2敗を喫していたからこそのモチベーションやパフォーマンスという皮肉なものも感じるが、一般リーグを戦う経験が乏しい新チームにとってこれまでの対戦は必ず今後の糧になるはずである。また今日の勝利で選手たちにも一つ自信や確信が得られた。次節は後期(10月)からになるが、この経験を生かして夏場を迎えられることは意味の大きい要素となり、課題克服やトータル的なレベルアップを図って再び臨んでいきたいと思う。