9/24(日) 北区さくらガールズ

reported by 山田

第3回東京都ガールズ(U-15)サッカー大会準決勝。相手は北区さくらガールズ。ベスト4にグループ予選2位通過で駒を進めてきたのは我々しかいない。昨日スフィーダAを撃破したとはいえ、非常に厳しい試合になる事は予め予想できた。どの大会も準決勝は熾烈な争いとなる。また、スフィーダBではあるが今やチームの代表である。多角的に見ても今日が大一番であることに変わりはない。
昨日までと大きく違う点は、『背負うもの』が出来たところにある。昨日のスフィーダA戦までは失うものがない状態で思う存分戦ってこれた。しかしAの分まで、果てはチームの威信を懸けて勝たなければならないという状況は、もしかしたらBの選手たちにとって初めての立場かもしれない。試合前のミーティングにおいて、緊張している様子は感じられなかったが、新しい取り組みとしてこの一戦の重要性や難しさを伝える必要があった。一方では昨日の結果から過信を取り除くこと、今の勢いを前面に出して、昨日と同様の守備からリズムをつくることを重要視した。
前半、GKとSB以外は同じ布陣・メンバーでスタートした。開始直後から我々のサッカーで相手を翻弄し、幾度もゴール前まで迫った。ボールポゼッション率もこれまでより高く、スピーディーな攻撃が展開できていた。そして先制点も流れの中から生まれた。5分に中盤から浮き球でうまく流したボールをFWが処理し、ゴール隅へ決める。相手もコンタクト、アプローチスピードに長けていたが、ダイレクトに繋ぐことでフリーでプレーすることができた。元々、相手の中盤の枚数が多いこともあり、この得点から相手のプレスに激しさが増した。序盤はこれに耐えながらかわしていたが、プレスの速さにパスがズレはじめ、次第に五分五分の展開になる。この対応に慌てたのか、DF陣のミスで9分、10分と立て続けに失点を許してしまう。いつもは繋ぐサッカーを展開する北区だが、今日はシンプルに、縦に速い印象があった。攻守に渡り中盤の選手を起点に、個人で仕掛ける攻撃で我々を苦しめた。DFラインを抜けたらビッグチャンスというカウンターが続く。この後もやや押し込まれながらもお互いチャンスを生かせず前半は終了。
ハーフタイム、明らかに混乱している選手たち。前半の相手の起点は中盤の一選手。失点も連携ミスやカバーの問題で、崩されたわけではない。先制点後からリズムが悪くなったのは、中盤の人数が数的不利のためここで潰されていること。中盤から受けるべきSBが攻撃参加できていないこと。CBの連携・バランスが崩れていることが全て相手のカウンターに繋がっていた。選手枠に限りがあったため、後半はシステムを変えて中盤を相手と同数にした。これによりセカンドボールを拾い、サイドから攻撃を展開するよう指示した。守備面においては基本のディフェンスを確認し、全体的にコンパクトに行うよう伝え、送り出した。
後半、やはり中盤の攻防からスタートし、パワー面で若干相手が押し込む展開でゲームは続く。全体のバランスとしてはいい距離でお互いをサポートできていたが、今日は1対1の対応が非常に軽かった。そのため幾度となく決定的なピンチを招き、FWにいい状態で繋ぐ場面が減っていった。
後半15分を過ぎたところでスコアは1−2のまま。勝つためには前線の枚数を増やす状況にあった。システムをより攻撃的にし、最後の勝負に出た。しかしその直後、守備陣が耐え切れずゴール前で再び押し込まれ失点。相手はさらに勢いを増し、この後もすぐにカウンターから4点目を謙譲してしまった。残り10分を切った場面で3点差に置かれ、私は最後まで得点を奪いにいくことを選んだ。選手たちはここから5分後ごとに失点を重ねながらも、数少ないチャンスに全力でゴールを目指した。そして長いロスタイムの末、1−7で苦渋の大敗を喫した。試合後選手は全員泣き崩れ、相手は歓喜に包まれていた。
しかし悲観的になることはない。大会初戦から今日の先制まで、攻撃は悪くなかった。むしろ試合ごとに連携が良くなっていた。これまで出場機会の少なかった選手もそん色なくプレーできており、チーム自体の土台は確実に底上げされている。今の攻撃に厚みを増すのなら、3人目の受け手が必要だろう。だが今のままでも十分他を翻弄できるレベルにあると思う。今日その攻撃が発揮できなかったのは、チームとしての守備組織が崩壊し、バランスを失った結果である。昨日と今日の差は、チームで戦えたかどうかにある。
また、大量失点についてはミスが続き修正できなかったことが課題である。一度失点を許すと連続してしまうため、基本的な個人の守備、グループでの守備を見直す必要がある。私としても前半のミスの早期解決や、後半の3,4点目がシステム変更と因果関係にあると思われるため、責任があった。今一度守備からゲームを支配することを念頭に置き、何が何でも3位を掴みたいと思う。
この2日間でサッカーの楽しさと恐ろしさを経験できたことは、Bの選手たちにとって非常に大きな意味がある。大事なのは次から。どんな意識でサッカーに臨むか、今後の選手たちの成長に期待と責任が募る。

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