9/16(土) ラガッツァFC

reported by 川辺

予選リーグ最終節は毎年コンスタントに結果を残しているラガッツァFCとであった。最終節に当たり共に決勝トーナメント進出の可能性は残していたが、現実的には我々の方が優勢であったと言える。何故なら相手は我々を相手に20点近く得点し勝たなければ決勝トーナメントに進出することは出来ず、25分ハーフの試合ということを考えれば現実なことではない。逆に我々はその失点さえなければ仮に負けたとしても決勝トーナメント進出が決まる状態にあり、明らかに有利な状態にあった。
試合にはこの日参加した選手達が出来るだけ均等に出場機会を得られるように小まめに交代を行うことを考えていた。選手達に”負ければ決勝トーナメント進出が出来ない”というプレッシャーはなかったが、大切なのは均等に与えられる出場時間の中でサッカーそのものを楽しみ、選手達がどれだけ成長したかを確認することだった。だからこそ、選手達に『自分達の為に最善を尽くそう、君達がどれだけ成長しているのか私に見せてほしい』というを話した。
試合はこちらの予想以上に質の高さを見ることが出来た。普段、私はこのカテゴリーの選手達を直接指導することはないが、昔から問題視されていたロングボール主体のキック&ラッシュのサッカーから完全に脱却し、スフィーダらしいサッカーが展開されていたと思う。丁寧にDFラインから繋ぎ、グラウンドをワイドに使うことが出来ていた。サポートの質も未熟ながら連動したものが見られ、数多くのチャンスを作り出すことが出来た。決して悪い戦い方でなかったのは明らかだ。ただ、最後の仕上げのプレー、仕上げの一歩手前での判断力が欠けていたという事はあったと思う。相手にシュートも打たせず完全にハーフコートゲームが出来てはいたが、攻撃の型にはまってしまっていた様な感じは否めない。まだまだその場、その瞬間に適した最善の選択肢を選べ切れていないのだと思うが、それでも現段階でこれだけ出来れば十分に合格点を与えられるのではないだろうか?結局、前半戦で得点を奪うことは出来なかったが、この選手達が、このチームが何が出来て何が出来ないのかが良く理解できた。
ハーフタイムに入り、最後の仕上げのプレーの質について修正点を挙げ、出来る限り理想に近い形でプレーが出来るよう指示した。
後半に入り予想外の出来事が起きた。それは開始早々に失点をしてしまったということ。得点出来ていなかったということで油断していたということはないが、私も含めて選手達もどこか心に隙間があったのかもしれない。まさか相手に先に点を取られるということは考えていなかっただけにサッカーとは恐ろしいものだと改めて思い知らされた。それは相手のファーストシュートであった。しかし、選手達はハーフタイムで指示した修正点を改善すべく、それを意識した戦い方をしてくれた。必ず後半戦で得点が生まれるということは信じていたが、選手達の理解度の高さとそれを実践してみせる行動力に大きな可能性を感じることが出来た。我々の得点までに多少の時間はかかったが、それでも1点奪うと2点、3点と得点を重ね最終的に3-1というスコアで予選リーグ最終戦をものにすることが出来た。
今回の試合は諸事情により私が指揮を執ったが、普段から直接指導していない選手達なだけに新たな発見もあり、実に有意義な時間となった。現段階でこのチームや選手がどのレベルでコミュニケーションを取れるのかを理解できただけでも収穫であるが、それ以上に選手達の成長を感じることのできる部分が多かった内容に現段階での合格点を与えたい。もちろん全てが良かったわけではないが、この時期にこれだけのサッカーが出来れば十分なのではないだろうか?普段見ている楠本や井山の努力の賜物だと感じている。
ここからはそれぞれのグループリーグを突破してきた強いチームのみが集まるノックアウト方式の試合になる。ここからが本当の真価を問われる試合になるであろう。このチームがどこまで出来るチームなのか?その可能性を最後まで見守りたいと思う。

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