12/21(日) 大和シルフィード・相模原SC

reported by 川辺

この日、毎年恒例の三保の森カップ予選リーグが行われた。この大会は中学生対象の大会なのでスフィーダも当然の如く中学生で臨んだ。但し、スフィーダは毎年受験生を除く14歳以下(中1・中2)の選手達を姉部と妹部から選抜し参戦しているので15歳の選手を要する神奈川の強豪相手に厳しい戦いを想定していた。今回の大会は14歳以下の選手達にとっては初めて体験する『自分達の代だけのチーム』である。その中でどのようなパフォーマンスを披露してくれるのか?ある意味、未知数の計算式成り立つ可能性を秘めた戦いを期待していた。
予選1試合目は大和シルフィードとの1戦。相手とは何度か対戦したことはあったものの、中学生主体のベストメンバーは見たことがなかった。しかし、サッカーの展開は予想できていたので相手の上手さを警戒するように促していた。相手は中3の選手も要していたのでスピード・フィジカル・技術そしてタクティクスの部分でも劣勢を追いやられてしまった。連携の取れた精度の高いサッカーを展開されたが、どうもこの日はうちに運気が強かった。散々、決定的なピンチを招くものの相手のイージーミスとDF陣の踏ん張りに助けられる。やはり、付け焼刃のチームの為、戦術を駆使してチームとして戦うことができなかったことが厳しい展開をより劣勢な状態に追いやってしまった原因である。
しかし、時間は着実に経過し後半に入る。後半も同じような展開の中、ペナルティーエリア内でファールを取られPKを献上、運気もここまでかと思いきやGKのファインセーブに助けられ運気は更に高まった。そのままお互いに激しい攻防を繰り広げ0-0のドローゲームに終わった。
1試合目をドローで終えたが結果的には首の皮が一枚繋がった状態が続き、すかさず2戦目を迎える。3チームでリーグ戦を行っているため勝つことでしか決勝戦に進むことは出来ない。(各ブロック1位は決勝戦・2位は3位決定戦・3位は5位決定戦)
そして、向かえた2戦目はこれまた神奈川の強豪で知られる相模原SCであった。うちの選手達は開始から流れに乗り得点を決めてくれたが、2点差が付いた時点から危機感が徐々に安堵感に変わっていくのが分かった。得点を決められるシーンは多く存在したが、安堵感の中、自分達に安心しきった選手達には限界があった。ハーフタイムを挟み、疲労も限界に近付いていたが、ここから先は技術よりもメンタル部分で強さが必要。自分達で雰囲気を作り、常にコミュニケーションを取るように話す。
しかし、勝てるという安堵感と疲労の限界、そして、有りもしない自分達への勝利の確信から経験不足の選手達はどんどん精細を欠いていった。流れを変えるべくDFの選手を最前列に配置し勢いを取り戻そうと試みた結果、1点を挙げ3-0に持ち込んだが、それが益々選手達の安堵感を高めた。そして、その直後、一気に2失点を献上しここで初めて危機感が生まれるという情けない試合展開になってしまった。こうなれば最後まで守りきるしか手段はないと考え、シフトを守備的にし守りきることを選択。しかし、3列目からの飛び出しで走りこんだ選手が一点を取り返し4-2で試合を終えることが出来た。
今回の試合では集中力を常に高く保つことのできた選手は存在した。しかし、それらの選手達もチームの雰囲気に飲み込まれ自分達で試合を作るまでには至らなかった。しかし、妹部の選手達は技術の遅れを気持ちでカバーしチームに大きな要素を与えてくれた。本当に『戦っていた』という感覚である。
今回はたった2試合にも関わらず、大きな経験をすることができた。今の選手達にとってはこれが何よりも大きいのではないかと思う。この経験は必ずそれぞれのカテゴリーで生きてくる。チームに戻ったときの温度差を感じ、常に高い意識を持つことが大切だということを感じてもらいたい。

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