5/4(月) 修徳学園中学校 ○0-0 PK2-0(0-0、0-0、延長0-0、0-0)
reported by 山田 岳暁
決勝トーナメント2回戦は、高校界では言わずと知れた名門であり、U−15世代でも急速に力をつけてきている修徳学園中学校との一戦となった。修徳中学校は、チーム発足から2年目のチームで3年生が不在である。しかし、昨年度の中学リーグでの活躍や、U−14選手権大会での対戦を踏まえると、今日が一番の山場になると予想していた。
今回は同システムの対戦ということもあり、特に相手右WGとOHの選手の高い技術を抑え、そしてどのようにして優位にゲームを展開するかがポイントであった。お互いに攻撃の狙いが似ているため、中盤の支配率とチーム全体の走力が大きな鍵を握る。
試合開始序盤から、スフィーダは狙い通りの攻撃を仕掛けるが、相手も非常に高い守備意識のもと、人数をかけたプレスと徹底したカバーリングでこれを阻止。相手はプレスをかけるために、繰り返しDFラインを押し上げるため、こちらもその空いたスペースを突こうとするが、決定的な突破に至ることは少なかった。
一方、修徳もこちらが前掛かりになったところでのカウンターや、激しい中盤の守備から奪い、速攻を仕掛けるなど、単発的ではあるがDFとしては非常に嫌な攻撃を展開。お互いに決定機を作れないまま、五分五分の攻防を繰り返し、ハーフタイムに。
前半を見る限り、決定機を作れない原因としては、DFとFWの距離が開きすぎるため、それをサポートするべき中盤が早いタイミングでポゼッションに関われなかったことが際立った。本来であれば、FWに繋がった際に人数をかけてバイタルエリアへと侵入するのだが、DFがカウンターを恐れるあまりに押し上げることができず、このような状態を引き起こしていた。
後半に入っても、なかなか自分たちで改善することができず、前半と同じような攻めあぐむシーンが多く見られた。ただ、前半から激しいプレッシングを行っていた修徳の足がピタリと止まったことで、ほぼ一方的な展開へと移り変わる。
しかし、その分相手が終始ゴール前に陣形を構える状態になると、新たな問題として時間の浪費が発生してきた。次第に選手たちからは、明らかに慌てた雰囲気が漂い始め、得点チャンスを逃していった。体力的な部分ではまだこちらに分があったが、相手を上回る運動量には至らず、バランスを崩したままの攻撃態勢では試合を決めることができなかった。
このまま後半も終了。前後半5分ずつの延長戦も、何かが変わることはなくPK戦へと突入した。スフィーダは後攻。相手の1本目をGKがセーブし、こちらは成功。これが大きかったと個人的には考えているが、この後相手は1本も決めることができず、GKの活躍もあって2−0で勝利することができた。
非常に緊迫した試合であった。試合に勝利したことのみについては、この上ないことだと考える。修徳はこの試合、全員中2の選手で臨んできた。それだけの気持ちと策を感じることができた試合であった。それだけに、スフィーダとしては相手の術中に呑まれたことが大きな反省でもある。自分たちの目指すサッカーに集中することができず、優勢に試合を進めているように見えて、全くそうではない苦しさがあった。
今大会においては、勝利こそが全てである。翌日の準決勝へと繋げるためには、このPK戦を制したことが、安堵感ではなく、より高い勝利への執着心に変わることに期待したい。また、今後も必ず訪れるであろう難しい試合に向けて、非常に参考になる課題を抽出できた。明日はその課題を修正しつつ、自分たちの目指すサッカーを徹底して行っていく。