5/5(月) FC駒沢女子 ○4-0(2-0、2-0)

reported by 川邊 健一

全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会東京都予選も佳境を向かえ、遂に準決勝まで辿り着いた。決して簡単な道のりではなかったが選手達は、この大会に全てを懸けて全力を尽くしてくれている。この試合に勝てれば関東大会出場が確定するという大一番ではあったが、今までと戦い方は変わらない・・・今までと同じように目の前の試合に全力を尽くすだけである。選手達の表情から緊張感は感じられたが、それ以上にここまでやってきたという自信が表情から伺えた。但し、相手は最も苦手とするFC駒沢・・・毎年死闘を繰り広げる世田谷ダービーであった。このゲームに関しては、力の差を覆すだけの未知の力が作用する為、十分な警戒心を持って挑んだ。

前半、序盤は緊張感から相手に押し込まれるシーンもあったが、局面をしっかりと対応することで徐々に流れはスフィーダに傾き始めた。そんな中、右サイドからのFKをDFが見事なヘディングシュートを決め先制に成功した。その後、追加点を奪い、試合を優勢に進めていたが、問題はそこからだった。選手達から緊張感が薄れ、『何が何でもゴールを奪う』というような姿勢が消えてしまった。どこかで勝利を確信したかのような傲慢なプレーの数々が目に付き、集中力の低下は明らかだった。

2-0という優位な状況ハーフタイムを迎えたが、選手達には檄を飛ばした。『ここ2年間の駒沢との勝負では、毎回駒沢に2点先制され、そこから逆転したのはスフィーダだ、もし、今のようなゲームを続けて入れば逆に自分達が痛い目を見る可能性が十分にあるぞ』と。厳しく伝えたが、厳しくしてプレーの質が向上することは少ないので、『これはこれで切り替えて、後半に向けて準備しよう』と、戦術的な指示をいくつか送った。

しかし、後半もプレーの質が向上することはなかった。結果的に2点取り4-0としたが、この運命を懸けた大一番で最も質の低いサッカーをしてしまったという印象が残る。もっと、熱く、泥臭く、我武者羅にプレーする姿勢が見たかった。死に物狂いで勝利を目指す貪欲なチームを見たかった。最終的にはそれが残念であったが、今大会はずっと言い続けているように”内容よりも結果”だ。従って、結果を出せたことが全てなんだと言い聞かせている自分がいた。

毎年、良いチーム、良い状態で大会に挑めているが、今年のチームは過去のチームの中でも総合力的には一番良いかもしれない。もちろん過去のチームと対戦することは出来ないので、確認することは不可能であるが、どのチームよりも最高学年の3年生が多いチームだ。やはり、中3と中2では違う。そういう意味では総合力的に高い質を保てているのではないかと思う。毎年、素晴らしい、そして、尊敬すべき技術を持った先輩選手達は数多くいたが、やはり、チームスポーツであるが故に総合力が、勝てるか、勝てないかの勝負の行方を握っている。もちろん個の技術では勝てない選手もいるが、やはり、中3が多いのはパワー面で優れるだけに、総合的には上かもしれない。

何はともあれ、これで関東大会への出場権を獲得できたことになる。U14大会(新人戦)からの取り組みが一つの形となった瞬間であり、これまでの活動が正しかったんだと改めて感じることができた。チームは、1つの集団として成長し続けている。良い時もあれば、悪い時もあるが、私はこのチームの真面目な姿勢が大好きだ。過去のチームも独特の個性があり、大好きであったが、他の年代と同様に、このチームも大好きだ。このチームと共にどこまで行けるか挑戦していきたいと思う。

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