10/24(日) 十文字中学校 ○1-0(0-0、1-0)
reported by 山田岳暁
東京都女子サッカー中学生1部リーグ、第6節の相手は、十文字中学校。現在リーグ首位だけでなく、近年、U−15選手権では東京都予選ファイナリスト、同大会関東予選での活躍が目覚しい、全国レベルの力を持つ強豪チームとの一戦であった。また、チーム組織の強さに加えて選手個々の屈強な精神力を見ても、今年度の山場となる厳しい試合展開が予想された。
前節では苦汁を飲む結果になってしまったが、そこで得た自分たちのスタイルを最後まで貫ける判断・技術の向上や、時間を掛けて積み重ねた戦術の浸透、選手個々のたくましさの成長は本日の好材料になると考え、なによりも初めてメンバーをフルに率いての楽しみな挑戦ととらえて臨んだ。当日の選手たちの様子を見ても、今年で一番いい状態での緊張感とリラックス感をもってウォーミングアップを行えていた。
本日のテーマは、
@前後半の立ち上がりを大事にする。
A攻撃のための、高い守備意識。
B攻守において数的優位の状況をつくり出す。
の3点を掲げた。
前半の立ち上がりから、ボールを確保するためお互いに激しい攻防が続いた。今までと違ったのは、相手よりも先に、自分たちから攻撃的に仕掛ける姿勢を持って臨んだことである。そのため、終始5分5分の展開だった前半だが、その中でも開始10分は自分たちの時間にすることができていた。その後は、相手も力強く局面を打開し、スフィーダゴールに迫る。息が詰まるピンチを迎えることもあったが、気持ちで乗り切るようなディフェンスで前半をスコアレスで終えた。
トップギアで始まった前半だけに、特に中盤選手の負担は大きく、組織的なディフェンスができなかった反省と修正を伝え、後半の出だしから仕切りなおす。
後半も、前半以上に中盤での争いがハードな展開となった。お互いにFWへは入れさせないという流れの中、時折その突破を見出したチームがビッグチャンスを演出していた。それでも、ハーフタイムに修正したとおりにディフェンス面での運動量を上げ、きっちりとグループでボールを奪いに行き続けたことが、後の得点への集中を保ったと振り返っている。スフィーダの攻撃には、まだまだリズムを変えるようなプレーの判断やワイドな展開が求められるが、多少強引でも相手DFの裏を狙い続けたことで待望の得点が生まれた。後半残り10分、大きく抜けたスルーパスに相手GKとFWがお互いに詰め寄る。先にGKにクリアされたかというところで、クリアミスがFWの目の前に転がりこれを決める。ここから終了までは非常に長く感じる時間帯であったが、なんとか凌ぎきり、1−0で勝利することができた。
最後まで勝敗が読めないハードな試合を制することができたのは、本当によかったと思う。なによりも、選手たちが全員揃い、一人ひとりが戦術やポジションの役割を最大限に表現してくれたことで掴んだ、貴重な勝利だと振り返っている。特にディフェンスの意識の高さは際立っており、これまで対人の弱さや運動量、コーチングなどを指摘され続けていたチームとは思えないほどの気持ちを見せてくれた。また、チーム一丸となり、労を惜しまずにディフェンスを行い、味方を信じてランニングを繰り返すことが、このチームの強みになるのだと私自身が再確認させられた試合でもあった。
課題は、攻撃に深みを出すためのサポートの質の向上や、リズムを変える判断の定着を目指し、それに必要な個人の技術向上に取り組んでいく。また、本日の成果でもあるディフェンス力をさらに引き伸ばし、チームの軸となるものを確立していきたいと思う。