10/17(日) 北区さくらガールズ ●1-2(0-2、1-0)

reported by 山田岳暁

東京都女子サッカー中学生1部リーグ、第5節の相手は、北区さくらガールズ。ここまで何とか優勝への可能性をつなげてきたU-14にとって、リーグの折り返し地点である第5節は優勝争いへの重要な位置付けであった。

前節までは、先のU−15選手権で行っていた戦術の、チームの連動性を重視して取り組んできたが、この一ヶ月間はより細かい部分にクローズアップして調整を進めた。簡単に言えば、前期期間は戦術の全体イメージを共有し、後期はより具体的な局面の打開と戦術眼を身に付けた上での個の強化を行っている。

試合のスコアは、前(0−2)、後(1−0)、計1−2の惜敗である。またも開始2分・4分に失点を重ね、1点が及ばない結果になってしまった。また、1失点目にGKが相手と交錯し、治療のため10分ほど中断するなど、バタバタした出だしであった。しかし、この後は徐々に流れを引き寄せ、SBの豊富な運動量やFW陣の連動から決定的なゴールチャンスを生み出す。これまでも点を追いかける展開はあったが、追い上げの可能性や流れを残して折り返したのは初めてであった。「今の流れで十分点は取れる。落ち着いて、徹底しよう。」と後半へ送り出し、流れは続いた。時間が進むにつれて、強引に繋ごうとするシーンや空いたスペースに走り込んでいる味方を観れなくなるなど、余計なカウンターを受けることもしばしばあったが、際どい抜け出しからいくつも相手ゴールに迫り続けた。ようやく得点を挙げたのが終了5分前。まさにトレーニング通りの、理想的な得点であった。ロスタイムまで緊迫した攻防が繰り返されたが、力及ばずの2敗目を喫した。

失点は、ディフェンスラインと中盤の連携ミスによるものだった。一見、個人のパスミスに見えるシーンだったが、実際は相手から奪った時に慌てて縦につけようとしたり、すぐ近くに見えた味方に軽率に渡そうとした、「観る→判断」のミスである。これは全体のサポートの速度にも言えることで、コンパクトフィールドで奪った後のワイドな展開がつくれなかったことも原因である。特に「観る」ことについては、スペース・味方の状況・相手DFの狙いを見越せなかったことで、単なる人に繋ぐパスになっていたため、バイタルエリアでの逆襲を受けてしまった。常に移り変わる「状況の変化」を観て、かつ相手が予測できない攻撃を仕掛けることは難しいことかもしれない。しかし、それを表現するのがスフィーダのサッカーであり、本当の意味での個の強化に、今後もこだわってつなげていきたい。

最後に、長期に渡った選抜シーズンを終え、ようやくチームとしてのまとまりや選手各自のポジションの定着が根付いてきた時期だけに、本日の試合には結果と内容にも期待を寄せていた。しかし、本格的なゲーム感覚から離れていたことは否めず、少なからずそれが開始序盤に反映してしまったことは非常に残念である。ガールズ大会期間中だったとは言え、なかなか練習試合の機会が持てないことは私の中の懸念であり、課題でもある。また、対外交流を繁栄させるにはそれなりの結果を残し、相手チームに尊敬されることも必要である。今はそこを目指している真っ最中であるため、一日も早くたどり着き、選手たちに成長の場を提供していかなければと思う。

本日は残念ながら負けてしまったが、これまでになく攻撃的な姿勢を貫き、理想通りの得点を挙げたこと、1つの判断の重さ、1点の重み、チームが一つになること、どれも次の一戦に向けて重要なことを得ることができた。結果が出なければなかなか自信は生まれないが、私はトンネルの出口を切り開いたような内容だったと評価している。スフィーダのサッカーを学ぶのに時間はかかったが、ここからが進化の見せ所である。いつもあたたかい応援を送ってくださるサポーターの皆様のためにも、選手の努力を開花させるためにも、前を見て歩んでいきたいと思う。

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