6/3(日) 和田ラフィーユFC
reported by 楠本
東京都中学生リーグが開幕した。今年から中学生リーグは1部〜3部リーグで構成されることになり、我々が所属するのは1部リーグである。毎年、このU-15は新入部員である中学1年生を主な選手とし戦っているが、今年はより一層中学1年生の割合が多い。特に中学3年生は1名もいなく、中2が3名、中1が13名という構成になっている。全中2選手は今年トップチームに2名、U-18に6名、そして、U-15に3名が振り分けられたが、U-15に振り分けられた選手達は単純に身体が小さく社会人リーグでは怪我を免れないと判断されただけ。技術的には他のカテゴリーの選手達を凌駕するものを持っている将来性豊かな選手達とも言える。その中2の3名と今年入部した13名の新1年生達がチームを組むが、中1選手に関して言えば毎年この中学生リーグで個人の技術を伸ばすと共にスフィーダのサッカーを身に付け、各カテゴリーへ昇格していくことを目標に掲げている。よって、中1選手達にとっては極めて重要な1年間であり、最初で最後の中1全員が一緒に出来る期間となる。
さて、その中学生リーグであるが、我々は毎年メンバーが大幅に入れ替わるため、1部リーグ所属と言っても結成したばかりの新チームでしかない。ましてや中1は中1だけでまとまってトレーニングしているため、中2の3名が中1と共にトレーニングする機会すらなかった。そんな状況であるがあくまでも試合は「トレーニングの成果を確認する場」と位置付けているので大きな問題はない。むしろ1部リーグという東京都中学生のトップリーグで自分達の力を試していけることに意味を感じている。中1選手にとっては中学生のサッカーが未知なものであり、知っているのはスフィーダの先輩選手達のみと言っても過言ではないだろう。そのような状況下で自分達の力がどこまで通用するのか?そして身に付けてきた技術をどれだけゲームの中で発揮できるのか?ということに注目していた。
試合に関しての具体的なテーマとしては
[1]出来る限り均一な出場時間を与える
[2]選手達に出来る限り複数のポジションを経験させ、ポジションを固定しない
ということを前提に置き、選手達の潜在能力を引き出す事を考えている。これは昨年から本格的に着手し始めた事であり、今に始まったことではないが選手達がより柔軟な選手に育つよう試合の中で何度もポジションチェンジやフォーメーションチェンジを行う。これはゲームの流れを無視して行うため正直ゲームの流れを手放してしまう事もあるし、勝敗に大きく作用することでもある。しかし、結果にこだわらずあくまでも根気強く選手達の育成を考えていこうということでスフィーダの方針として成り立ったものである。よって、このゲームに関しても流れを掴みきる事が非常に難しかったと言える。
選手達はここまでトレーニングしてきた事をしっかりと発揮しようと努力していたとは思う。しかしながら、それがスフィーダのサッカーであるとはお世辞にも言えない。ここまでトレーニングしてきた事、それは身体の小さな選手、もしくは中学生が大人と戦える術だけ。よって、チームとしてスフィーダのサッカーが出来ていたという事はなかった。もちろん個人としてはトレーニングの成果を出せる選手が多く局面での競り合いは相手の大きな選手にも負けていなかったと思うが、まだグループやチームとしての動き(戦術)は無に等しい。ただ、それはトレーニングしてきた事ではないので選手達に求める事は出来ないし、まずは個人戦術のベース作りということで納得しなければいけないのだと思う。前後半を通じて決して見ている者を魅了するようなものはなかったし、単調かつ単純なゲームとなってしまったが、諸々の要素が絡み合うが故にもう少し時間が必要だという事がわかった。今、行っているトレーニングはスフィーダ入部時に誰もが嫌というほど取り組まなければいけないものであり、これだけはしっかりと身に付けてもらわなければならないものでもある。時間がかかっても焦らずにやって行きたいと思う。正直、今すぐにグループ戦術を取り組めば見違えるほどにチームとして力を発揮するようになるには分かっている。ただ、何度も言うように目先の勝利に眩んでいれば、それは真の育成には直結しないことのように思っている。だからこそ、今は時間をかけて、そして自分達の信念を信じて前向きに活動して行きたいと思う。
最後になるが、結果的に初戦を3-0で勝利する事ができた。今、中学生1部リーグに居られるというのは過去のU-15所属選手達が結果を残し続けてきたからこそだ。毎年様変わりするチームで結果を残し続けてこられなければ、もしかしたら2部や3部リーグにいたのかもしれない。やはり育成を考えれば1部リーグにいることは非常に重要だと思う。そういう意味でも、このカテゴリーも即席チームとは言え、結果を残し来年度入部してくる今は見えない心中学1年生に1部リーグという最低限のものを残してあげなければならないし、それが今まで歩んできた先輩選手達に責務だった。だからこそ、育成を第一に掲げ、その中で勝利に貪欲に戦っていくことを要求して行きたいと思う。今はまだ優勝を考えられるようなチーム状況ではないが、1戦1戦を大事にし、何よりもトレーニングを有意義な時間とし成長しながら最終的には優勝を狙えるような個人の集まりに仕上げて行きたいと思う。まだ第1節が終わったばかりではあるが選手達はそれぞれに思う事があったはず。通用した事、通用しなかった事を意識しながらトレーニングに反映してもらいたいと思う。