5/4(金) 十文字中学校
reported by 川辺
準々決勝にあたるゲームは強豪の十文字中学との一戦となった。相手とは春季合同合宿へ一緒に行った事もあり、お互い手の内を理解しているだけに楽観視は出来ない相手であった。このゲームに勝てればベスト4に残る事ができ、万が一次の準決勝で負けたとしても3位決定戦で勝てれば関東大会への出場権が得られるという極めて重要なゲーム。逆に考えればこのゲームに負ければ終わりとなるが、このゲームに勝てれば首の皮一枚繋げる事が出来るということでもある。
前半、開始から主導権は握るものの最終局面でのラストパスやシュートといった仕上げの部分で精度が低かった。相手が粘り強い守備で対応してきたことが、こちらの精度の低下につかながったことは間違いないと思うが、それとは別に序盤でセットプレーから綺麗に頭で合わせたゴールが決まったことで選手達の緊張感が薄れたように思う。その後もCKからボレーで同じ選手が合わせ、更にその選手がPKを獲得しこの時点でハットトリック。3点を流れの中ではなくセットプレーから得点した。良い意味で捉えれば前日にセットプレーの最終確認を行った事もあり、それで得点を重ねられたのは素晴らしい。しかし、流れの中で崩しきれずに得点を奪えなかった事には課題を抱える事になる。もちろん現代サッカーでは均衡した試合においてセットプレーからの得点は重要な意味を持つ。だからOKなのかもしれないが、今後勝ち上がれば勝ち上がるほど対峙しなければいけないレベルも必然的に上がっていく。そう考えれば粘り強い守備を掻い潜るオフェンス面での連動性を意識し、より相手に予測されない攻撃をしなければならない。それが後半への課題となった。
後半、ハーフタイムで指摘したボールに対する周囲の選手の連動性を意識した攻撃を試みたが、ハーフタイムでの指示だけでは改善し切れなかった。攻撃はどれも単調であり、相手を崩しきれるシーンも相手ゴール前まで深く進入することも少なかった。後半には流れの中から2得点あったものの、これはどちらも崩した得点ではなく相手のミスを付いたもの。その他の得点としてはやはりCKだった。
結果的に7-0というスコアで快勝したゲームではあったが、これほど崩せなかったゲームも稀であり、やはり強化合宿を通じこちらの攻撃パターンが予測され、また攻撃への慣れがあったように思う。だからこそ思ったような崩しから得点まで持ち込むことが出来なかったが、合宿とは違う形(セットプレー)からの得点が有効だったのだと思う。ここ最近はセットプレーからの得点が極めて少なく、1つの課題として考えていたが、思っていた以上にセットプレーから得点が奪えた事は良かった。特に素晴らしいゴールが何度も生まれたことからも分かるように決して”まぐれ”というわけでもなさそうだ。これも1つの得点パターンと出来れば、更に勝利を引き寄せる可能性を高められる。今回のゲームでは課題と収穫のはっきりとしたゲームであった。ただ、準決勝・決勝は明日・・・課題を修正している時間はない。今は自分達が持ちえる武器を駆使して最大限の努力をすることだけを考えたい。
何はともあれこの公式戦という場で一番重要なことは勝利を収め駒を進め続けること。まずはそれに安堵している。サッカーでは時として予測の出来ないことが起こりえるスポーツであり、力が及ばなくなるほどの作用が働く事もある。だからこそ、自分達が目標を達成するために油断や慢心といった心の隙を作ってはいけないし、勝負事の怖さを知っておく必要がある。確実に勝ち続けるということは出来ないが、少しでも確立を上げていく事は出来る。それが日頃からの”準備”というわけだが、準備は負けない為だけにするものではなく、勝つためやチャンスを活かす為の準備というものもある。次の一戦に勝てれば関東大会というチャンスを得る事ができる。自分達がここまで行ってきた準備を信じ、チャンスを活かして行きたいと思う。