1/20(土) FC駒沢女子

reported by 川辺

東京都女子ユース(U-14)サッカー研修大会が開幕した。この大会は本番である4月中旬から開幕する全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会東京都予選の前哨戦とも言える重要な調整の場である。昨年度の第1回大会ではAチーム優勝Bチーム準優勝という完全制覇を成し遂げることが出来、本番の全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会東京都予選でも優勝することが出来た。そういう意味でもこの大会の重要度は明らかであり、この大会での調整がどれだけ貴重かは安易に想定できるものがある。
その予選リーグ第1節は優勝候補のFC駒沢女子との対戦であった。相手は中学2年生に有望な選手を数多く揃え、危険なプレーを出来る好チームである。しかし、この大会は調整・強化の意味合いが強いため相手が強いのはむしろ好都合なことであり、現時点でのスフィーダU-14選抜チームの真価を問える貴重な場であると考えていた。
試合は前半開始から終始我々主導のゲームと言って間違いないだろう。この試合で久々に現時点でのベストメンバーに近い布陣を組んだが、久々のコンビネーションとは思えないほどの支配力と展開力で相手にサッカーをさせることはなかった。それだけこのチームのの技術は突出しており、技術だけを考えればトップチームをも凌ぐものがある。昨年のチームにも大きな自信があったが、今年のチームはとにかく技術力が卓越している。見ている者を魅了出来るサッカーを行使する素晴らしいチームだ。私達のサッカーを再確認しておくが、それは全員でボールを運び最終局面で個人技を十二分に発揮するというもの。それが出来ていた。この時点でこれだけ出来れば十分と言えるだろう。但し、まだまだ総合的に出来るだけであり、突出したものがあるわけでもなく、未熟な部分も非常に多い。成績表にするのであればオール3だ。だからこそ、これからコンビネーションを磨き、自分達だけの”技術”を手に入れることが必要だと思う。試合に戻るが、実際、前半戦で得点を奪うことが出来なかった。久々の試合ということもあるが、それを差し引いてもあれだけ攻め倒しながら無得点というのは少し引っかかる部分だった。
後半、一時停滞してしまう時間があったが、それでも超攻撃的な姿勢を貫いた結果、センターバックの選手がオーバーラップしミドルシュートから先制点を奪う。その直後には再三切り裂いていた右サイドからクロスが上がり、それをスライディングシで合わせ一気に2得点し試合を決めた。そこから、また息を吹き返したが、決定機を逃し続け、再三のチャンスをものに出来ず最終的にロスタイムに失点し2-1という僅差のゲームで終わってしまった。試合後選手達も話していたが、最後の最後で集中力が切れたことを認め、それを次への改善点へと変えていた。
集中力が切れること=全力でない、
全力でないこと=己の成長を放棄していること
という方程式が成り立つ。だからこそ、それが残念だった。才能は全力を出さない限り伸びることはない。全力を出すからこそ潜在能力が引き出され、また、自分の限界に挑戦するということになる。勝敗が読めるようになり、一瞬気が抜けるのは人間である以上誰にでもあることだ。しかし、この集団は”それ”に挑み続けられる集団であると期待したいし、出来る集団だと思っている。今は今回のゲームで集中力を欠いたことが間違いであったと気付ければ良い。それだけでも収穫だ。そこで気付けずこのまま終わるのか?それとも次に向けて修正しようと努力するのか?それだけでもチームと個の成長へと還元される。だから、今回の試合で2-0や3-0、もっと言えば4-0、5-0という結果が十分に有り得たが、そういう勝ち方をしなくて良かったと思う。この2-1という1失点に意味がある。勉強になる1失点だった。
このチームは昨年11月より始動したチームである。今まで中学生チームでこれだけ早くに動き出したことは無い。動き出しが早かったということで他チームより調整が進んでいるのは間違いないが、今までほぼベストメンバーという布陣を組むことは少なかった。過去に1回程度・・・そんなものである。しかし、だからこそ、誰かが代役でも出場することが出来、実際に成長したということも言える。良い相乗効果だった。今はチームの連携を高めるためにメンバーを固定し計算の出来るチームを作ることが第一優先だと思っている。4月中旬から始まる大会に向けてより精度の高いチームを作り、間違っても負けないだけの力を手に入れたい。
スフィーダ初のセレクションを行い早2年・・・今ではその初代セレクション組も中2となり、来年度の本番では最高学年となる。これから始まる2007年度入部セレクションでも新たな仲間が加わり、スフィーダ史上初の新中1〜中3がセレクション組で揃うことになる。まさに真価を問われるU-15選抜チームに成り得るだろう。それまでは誰でも入部できるチームであり、技術レベルの差は様々であった。要は”それまでの選手達”は努力と精神力で着実に成長したということである。しかも、その選手達がスフィーダの歴史を作ってきたのだから私はそういった選手達にも大きな敬意を表している。努力という才能さえあれば上を目指せる選手にも成り得るという証明をしてくれた重要な選手達だ。しかし、このセレクション世代の選手達は元々の技術に加え、日々必死にもがき、苦しみ、努力を継続している。どちらが素晴らしいかは分からないが、どちらにしてもセレクション世代(元々最低限の技術がある)の選手達が揃うだけに、これはスフィーダの努力の結晶とも言える。そうしたスフィーダの努力の結晶とも言えるチームがどれだけのものを残してくれるのか?非常に楽しみだ。ここではスフィーダゴールデンエイジ世代とでも言っておこう。このチームが東京都、関東地区、全国で大暴れする日が来ることを私は信じている。まだ予選リーグ第1節を終えたばかりではあるが強いチームへと変貌していく手応えは掴めた様な気がする。

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