12/10(日) 欅SC

reported by 川辺

中学生リーグ第8節は過去に何度か対戦のある欅SCとの一戦だった。我々はここまで勝ち点を積み上げてくることが出来ていることから残りの2節をしっかりと勝ちきることが出来れば”優勝”という最高の締め括り方が出来るという状況である。この8節でもしっかりと勝ち点3を奪うことが出来るはずであり、奪う準備も出来ていたと思う。
今回の試合に帯同したメンバーはトップ・U-15に所属する中学生の計20名にも上った。理由はこの第8節の直後に北区さくらガールズさんのご好意により練習試合が決まっていたからである。公式戦直後の練習試合のため、公式戦から換算すると25分×4本となる。選手個々の負担も考え、当初は帯同しない予定だったトップチームの中学生も帯同することになった。また、来週の中学生リーグ最終節だけは中学校3年生の卒業試合ということでトップ・U-15の中3選手を全員出場させる予定になっている。そういう意味でも今回の欅SC戦の前半だけ参加している選手の中から来週を見越したチームで戦い、後半はその他の主に中1の選手達中心のチームで編成した。
上記の編成で戦った前半であるが、皆ここまでの活動で力を十分に付けてきた素晴らしい選手達の集団である。この日は中3選手が4名しか集まらなかったが中3は誰もが素晴らしいプレーヤーだと思っている。だからこそ、この前半戦だけという限られた時間の中で一体どれだけの力を魅せてくれるのか非常に楽しみだった。しかし、その期待感とは裏腹に内容的には非常に悔しいものになってしまった。もちろん随所に魅せるプレーには光るものもあるし相手の良さを消すことは出来ていたと思う。しかし、試合に対するモチベーションを含めたメンタリティーは期待感とは相反するものだったように思う。そのギャップもあったと思うが、それを差し引いても日々トレーニングしているような姿は見受けられなかった。私の要求するものとはまだまだ離れていたと認めざるを得ない。また、開始直後に先制点を奪ったのも良くなかった。選手達のメンタリティーから更に緊張感を奪い、散漫な意識の中でプレーし続ける状態を産み出してしまったような気がする。随所で魅せる素晴らしいプレーは重要だが、今私が求めているのはコンスタントに発揮する力だ。個々の意識がバラバラだから一つ一つのプレーがズレ、ミスが生まれる。何となく繋がっているという戦況ではなく、あくまでも狙って、そして、崩し続けていく・・・そういう安定したプレーの数々が見たかった。それだけに内容的にはトレーニングの成果を発揮しきれぬまま終わったというような感じだ。
後半に入り、メンバーをほぼ総入れ替えし、中1主体のメンバー構成とした。今までこのやり方でも踏ん張り続けることが出来てきたが、今回に関しては脆く、危なっかしいシーンが数多く見られた。序盤こそ相手が受身の姿勢だったからこそ決定機を演出することが出来ていたが、試合が落ち着き始めると流れは相手へと傾き始めてしまう。戦況を冷静に考えれば確実に失点するであろうということが容易に想像できた。そんな相手主導の試合の中で立て続けに2失点し1-2と逆転・・・今回の第8節は引き分けでも厳しい、勝ち点3を獲得できなければいけない試合だった。敗戦は準優勝を意味し、翌週に行われる最終節は消化試合となってしまう。それだけは何としても避けたい、最終節はどういう形にしても優勝を狙える中で戦わせてあげたいと考えていたが現実的には相当厳しい状態であったと言って良い。しかし、もう残り時間も僅かという終盤に選手達が意地を見せ得点を奪う。2-2となり、そこから逆転を狙い攻撃を仕掛けるが2-2で終了となる。
この第8節を戦う上でいくつかのミスがあった。まず、前半に出場したチームが低いメンタリティーで戦ってしまったこと、そして、それを高い位置まで導ききれなかったこと、更にはそれが災いして目標として掲げていた得点まで到達できなかったことだ。そして、後半のチームでは前半のチームを見ているのにも関わらず、誰一人として高い意識の中で戦おうとしなかったこと、育成と言えど難しい戦況の中でポジションを大幅に変更して戦うことを選択したこと、後半開始前に選手達に今の自分達の立場(何故勝ち点を取ることが必要なのか)ということを伝えきれていなかったということなどが挙げられるだろう。以前も書いたと思うがこの年代の選手達は本来の力を発揮させることが非常に難しい。そもそも”本来の力”とは何か?まだ自分自身をコントロール出来ない年代なだけに良い時のサッカーを”本来の力”と言い換えるのは早いような気がする。何か懸けるものがなければ集中力を一気に落とす、、、それも力のうちだと認識する必要があるだろう。ただ、今回の試合とて優勝へ向けて勝ち点3を積み重ねなければいけない懸けるもののある試合ではあった。しかし、それはこのチームに然程重要なものとは認識されていなかった。それもそのはずで、このリーグでは常に全員にほとんど均等に出場機会が与えられる。更にはポジションも特定の場所で行うわけではないので選手達の中で”練習試合”というような認識に近づいていたのではないかと思う。もちろん、今回のような結果は他の試合でも起こりえることであり、それがたまたま今回の試合で起こったわけだが、今回はトップチームの選手を数多く帯同したため選手達の中ではより練習試合的な認識になっていたのかもしれない。引き分けたことで多くの反省点を考えさせられる機会を得たが、どういう状態であれ、そんなに厳しい状態であれ与えられた状況の中で勝利を?ぎ取る様な力強いチームになった時、それは一皮剥けた良い選手が育ったという証拠になると思う。
とりあえず良い結果とは言えないが引き分けたことで首の皮一枚つなぐことが出来た。本当に首の皮一枚だ。何故なら最終節の相手はFC駒沢だからだ。駒沢とは毎試合接戦となる。その相手から8-0以上の結果で勝たなければいけないという状況はある意味絶望的なことなのかもしれない。しかし、可能性が残されている限り、全力を尽くす必要がある。絶望的であっても諦めるわけにはいかない、逃げるわけにはいかない、最後の瞬間まで戦わなければいけない。次の試合では今回の試合と同じことを繰り返さないこと、それが最も重要なことであり”自分達が集中している時はこれだけの力が出せるんだ”という経験を重ねてもらいたい。スフィーダの選手達は高いレベルでコミュニケーションを取ることの出来る素晴らしい集団だと思う。だからこそ高いレベルでのゲームを見たくなる。中3最後の花道を自分達の培ってきた力で鮮やかに彩り、飾ってもらいたい。久々に再結成されるU-15選抜チームが楽しみで仕方ない。最後は勝負にこだわり必ずや勝利を手に入れたいと思っている。

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