11/26(日) 十文字中学校
reported by 川辺
中学生1部リーグ第7節は十文字中学校との一戦であった。もちろん今回も育成の為の試合と考えているから参加選手には全員出場機会を与えた。但し、今回は定期試験などで休んでいた選手達が多く、戻ってきていきなり試合というような状態であった。中にはテストを返上してトレーニングに参加していた選手もいたが、大半の選手は長い時間トレーニングから離れていた。その為、テストを返上してトレーニングを継続していた選手には4分の3、テストで休んでいた選手は半分という出場時間に設定し、それぞれに見合った出場時間を与えた。テストで休むことは悪いことではないし、マイナスにはならない。しかし、テスト期間中でもトレーニングに参加できるということは、普段からテストへ向けての準備が出来ているからこそ参加できるわけであり、それは個々の努力として評価しなければならない。このチームはレギュラーとかリザーブといった判別がないだけに選手達の心境としても微妙なものがあるかもしれないが、サッカーだけでなく学業でも日頃から努力しているかどうかということが重要であり、何をするにしてもそういう部分は大事なことだと思う。だからこそ、そういう細かい部分で評価し毎回の選手達の出場時間を決めている。
試合は序盤我々のサッカーが随所に見られ悪い流れではなかった。むしろ狭いグラウンドの中で小刻みに繋ぎ主導権を握りながら試合を支配することが出来ていた。攻撃力が相手を制圧しスフィーダらしいパスと個人技の融合したサッカーは見応えがあったと思う。ワンタッチプレー、スペースの創り方、使い方などの連動した攻撃は見ていても面白かった。しかし、守備陣が安定せず、マークの受け渡しの面で曖昧になり後手後手になってしまったことで相手にもチャンスを与えてしまった。狭いが故に簡単にチャンスを作れるわけであるが、崩しきられるまでには行かずとも遠目からのミドルシュートを何本か放たれてしまった。しかし、何度も創り出したチャンスの中から1年生が1点を奪い1-0で折り返すことが出来た。オフェンス面では合格点、ディフェンス面では30点という内容だったが、まだ守備戦術が徹底されていない上に、守備陣は毎回メンバーが変動することからもある程度は我慢しなければならない。ただ、メンバーが代われどやろうとすること(スフィーダの守備戦術)には変わりは無いわけで、そこを柔軟に対応できるようになることが重要だなことだと思う。メンバーが固まっていない為、不安定な状態の改善には時間がかかると思うが、時間をかけてでも改善できればより柔軟な選手達に成長して行くことと思っている。
後半に入りメンバーを7名同時に代え、中3が1名、中1が10名という若い構成に変化させ挑んだ。中3も数多く出場している十文字には厳しい編成となってしまったが、それでも選手達は『自分達が出場して逆転されたら・・・』という責任感の中で闘ってくれた。さすがに前半とは違い、相手の攻撃の時間も増えたが、それでも五分五分の勝負が出来たことは評価したい。しかも半ばには前半と同じく1年生がループシュートを決め2-0と突き放し、厳しい闘いを乗り切ってくれた。優勝するためにはもう1つも落せないということからも後半から出場した1年生達には重要な任務があり、責任もあった。もちろん私は育成が全てのベースなので勝てれば勝つのが一番良いが、負けても選手達個々が試合経験を積んでくれれば良いと考えている。しかし、選手達はやはり優勝が見えているだけに優勝を目指すのはごく自然なこと。それにそこが見えている以上そこを意識して戦うことも重要なことだと思う。だからこそ、そこに責任が産まれるわけで、こういう重要なゲームを経験させられたことは非常に素晴らしいことだ。結果的にも中1メインの構成で1点取れたわけだし、そのまま2-0で勝ちきれたわけだから選手達は自分達の役割を全うしてくれたと言えるだろう。ただ欲を言えばまだまだ私の目指すべきところからは離れていたと感じている。
第7節も勝利できた。相手は非常に粘り強いチームでここまでの負け試合でも1点差以上開かれて負けているゲームはない。そういう意味でも2-0というスコアは評価できるものではないだろうか?これで残り2節となり優勝というものが現実的なものと捉えられるまでになった。結果を残せれば選手達は自分達の成長や現状の力というものを信じることが出来る。このカテゴリーの選手達は皆ジュニア世代でチームの中心的な選手達ばかりであり、少なくとも自分の力を信じていたはずだ。しかし、スフィーダの中にはよりレベルの高い選手達がたくさんいる。自分の力を信じられなくなってもおかしくないし、自分の存在価値を見出すことも困難なのかもしれない。だから、優勝という結果が残せたのであれば、そこで初めて自分を信じられるようになるのかもしれない。そういう意味では何とか優勝させてあげたいとは思うし、もちろんその結果も意識している。ただ、今はこの方針を変えることは考えていないし、このやり方の中で最終的な結果を残せれば良いと思ってる。今回の後半戦のように誰もが重要だと思えるような試合を経験できることも今の方針でないとなかなか難しい。選手達は着実に1歩1歩前進しているわけだから目の前の結果に誘惑されることなく自分達のスタイルを貫きたいと思っている。次の1戦も責任を伴う重要なゲームになるが、その緊張感を楽しみながら選手達に良い経験をさせたいと思っている。