11/4(土) 北区さくらガールズ
reported by 川邊 健一
東京都中学生リーグ1部リーグ第6節は都内では強豪チームの北区さくらガールズであった。結果的にはこの試合に負けてしまうことになり中学生リーグでの初黒星と今季初の無得点試合となってしまった。初黒星、連続得点記録が途切れた試合であったが、内容や結果が昨日行われたトップチームの試合とそっくりだったという印象が残った。それはモチベーションや負け方にある。今まで中学1年生はスフィーダに入部以来、練習試合も含めて負けた経験というのがほとんどない。仮に負けたとしても自身が出場していない試合だった。そういう意味では中学1年生が多く出場していた今回の試合で”敗戦”という結果は非常に勉強になったのではないだろうか?これは中学2年生、3年生にも言えることではあるが目の覚める敗戦になったように思う。また、どんな時でも得点を奪い続けてきた攻撃力のある攻撃陣も今回は初の無得点試合ということで己の未熟さを痛感した試合であったと思う。色々な意味で勉強になり、また、ここでの敗戦で優勝という目標が若干遠ざかったという事実からも今後の試合には高いモチベーションで挑めるのではないかと思う。
その試合であるが前半・後半をそれぞれ半分に分け、1試合を4分割し、それぞれが4分の3づつ出場できるように配慮していた。もちろん怪我明けの選手などは出場時間が若干短いが、それ以外の選手達には均等に出場時間を与え、この試合に参加した選手達に平等な試合機会を与えた。もちろん、これはこの中学生リーグが始まって以来、ずっと取り組んできた最低限のことでもある。1試合を4分割で考える為、1試合の中で4つの顔を持つチームが出来上がるわけであるが、今まではそれでも結果が付いてきた。本来とは違うポジションでプレーさせたり、1試合の中で出来る限り複数のポジションをこなせるように計画的にメンバーチェンジを繰返すわけだが、今回は相手も力のあるチームの為、それが機能しなかったという印象だ。何度も言うがこのカテゴリーは選手の育成がメインテーマである為、結果には大きなこだわりは無い。しかし、勝利という目標に向かい取り組んでいくことは必要であり、勝負事の世界でそれを完全に無視することは出来ない。だからこそ、優勝という目標を意識しながらも各々に役割を与え、それぞれがそれぞれの役割を全うすることが重要なことだと考えている。
前半、開始12分半の第1クールのチームは本日参加したメンバーの中でベストな布陣を組んで挑んだ。現在、U-15は怪我人が非常に多く、U-15だけではチームが組めない為、トップチームで出場機会の少ない中学生を加えていたが、それもあり開始12分半は圧倒的に相手を攻め立て、昨日のトップチームの試合同様に『何点取れるんだろう?』というような期待感の強いゲームだった。ゲームの中では出来る限り最低限の指示のみに抑え出来る限り選手達がピッチの中で判断できるように配慮した。開始の第1クールこそ圧倒的に攻め立てていたが、第2クールに入り最重要プレーヤーを一斉に外したところで流れは相手に行ってしまった。第1クールは圧倒的に攻めていたのでシュートも打たれることはなかったが、第2クールに入り徐々にシュートまで持ち込まれるシーンが増えていく。ただ、戦況は圧倒的な不利とか、劣勢ということではなく、あくまでも五分五分の状態。決定機は数多く存在したが、相手を崩しきるまでの一歩手前で相手に粘られたり、自分達のミスでそれらを活かすことは出来なかった。
後半に入り第3クール・第4クールのチームが出てきたわけであるが、数多くの選手がポジションを移し貴重な経験は出来たことと思う。しかし、後半は前半よりも普段とは違うポジションでプレーする選手が極端に増えたため、チームとしての流れは決して良くなかった。それでも強いチームを相手に五分五分の戦いが出来ていたことは悪くなかったと思う。少なくとも後半半ばに失点するまでは、いつか点を取り勝つと考えていた。しかし、相手のロングボールに抜け出され、失点するとそこから焦りが先行しリズムは悪くなってしまった。これも前日のトップチームの戦況と似ていた。相手の戦い方もロングボールを中心に早目に前線に当て、そこから前線の選手達がゲームを作るというものである。効果的な攻撃であったことは事実であるがこれまた前日の相手に似ていた。嫌な予感はしていたが、やはり、得点を奪いきることが出来ず試合終了のホイッスルを聞くこととなってしまった。
この年代の選手達はある意味、トップチームの高校生世代の選手達よりも技術力は長けている。何故ならセレクションを受けて入部してきた元々技術力のある選手達だからだ。高校生世代の選手達が入部してきた頃はセレクションなどなかった。今までは技術力で勝ててきたが、中学1年生が主体のカテゴリーではまだまだ強豪チームには勝てないのかもしれない。U-15選抜チームが前回対戦したときは6-1で快勝した相手であるが、まだまだ未熟であることは間違いない。ただ、それを身を持って体感できたことは大きなことだ。東京都の公式戦でこのカテゴリーが他チームに負けたのは初めてのことでもある。どこか過信のあったチームには最高の薬だと思う。しかし、反省はするがこのカテゴリーは日々進歩している。だからこそ心配はしていないし、残りの3節も全勝し優勝という目標を果たせると信じている。今の私達には反省を活かして次への活力へと変えていくことが必要だ。選手達も必死であると思うが、私達スタッフも必死になり活動している。選手達が少しでも良い選手になれるよう毎日を根気強く闘って行きたい。