6/10(土) 河内SCジュベニール(栃木第1代表) 

reported by 川邊 健一

茨城県での予選リーグを全勝で乗り切り、我々は東京に戻ってくることが出来た。決勝トーナメント1回戦は栃木県第1代表の強豪。予選リーグでは同じ東京都第1代表のFC駒沢を苦しめたチーム。関東大会も残すところ3試合となり、全国へ行く為には残り2勝しなければならない。まずはその1戦目である。ここに勝たなければ次は無く、強い相手だからといって負けるわけにはいかない。
試合は開始から前半半ばまでに2得点し勝負を決定付けた。勝敗はこの2点で読めるような戦況であり、勝利は確信していたが、サッカーは何が起きても不思議ではないスポーツであり、時として思いもよらない悲劇を生み出すことがある。従って、貪欲に追加点を狙いに行ったのだが、どうにもこうにもスフィーダのサッカーの質が改善されず、自分達のテンポで繋ぎきる事が出来ない。相手のプレッシャーが厳しかったこともあるが、それにしてもどこか勝利への執念を感じるようなプレーではなかった。1試合ごとに成長していきたい、1試合ごとに課題を克服していきたい、予選リーグでもそうであったが、どこかで勝てればOKというような雰囲気さえ感じていた。これは大きな問題であり、東京都チャンピオンになって以来、追われる立場から来る悪い余裕がチームにはあった。チャンピオンになり下手な余裕が生まれるなら2位だった方が格段に良い・・・。追う立場の方が目標がはっきりとし、チームとしての方向性が明確になる。もちろん追われる立場であっても、それをコントロールすることが我々スタッフの役割なのではあるが、今まで培ってきたこのチームの経験が『負けたことが無い』『東京都で2度続けて優勝した』というものだけにそこの部分に関して導ききれていなかった感は否めない。真の強さとはチャンピオンであり続けることであると思う。チャンピオンであるからこそ己と向き合うことが出来、己に打ち勝たない限りチャンピオンであり続けることは出来ない。このような難しさの中で戦っている選手達には酷な要求かもしれないが、それが出来ない限り成長はないと思う。
そういう意味でもハーフタイムで選手達に厳しく指摘し、後半のサッカーでは自分達が更に高い意識でサッカーを取り組めるように話した。相手との力の差はあったと思うが、それでも自分達のサッカーが出来なくてはならない、次を勝ち抜くためには内容のある勝利が必要であった。
後半も前半と変わらず主導権を握っているのだが相手の縦へ速い攻撃が支配力を帯び始め、徐々に難しい試合様相になっていく。後半に入っても選手達の意識レベル、戦術的な要素を改善させきれず、試合終盤には何度かピンチを招くことになった。それでも押し込まれることにより我々のカウンターアタックが効果的に発揮され逆に1点を追加し3-0というスコアで翌日の準決勝に進むことになった。
関東大会の予選リーグから良い時と悪い時を繰返してここまできた。この繰り返しが必ずしも悪いこととは思わないが、今の段階でこの状態であるのは若干不安だ。次戦は優勝候補の浦和レッズJr.ユースレディースとの対戦になるが、ここの勝負で全国へ行けかどうかが決まると言っても過言ではない。相手の技術力は関東大会のレベルでは相当に高い。勝てる可能性は高くはないかもしれないが、我々の潜在能力を引き出してくれる相手としては申し分の無い相手だ。私はこの対戦をずっと心待ちにしていた。強い相手と戦い、そして、それを打ち破る・・・勝つか、負けるかの瀬戸際の勝負が私達を強くする。全国の出場が懸った重要な試合ではあるが、自分達の成長の為に真っ向勝負で挑みたい。

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