4/16〜5/6 第11回全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会東京都予選総括
大会のレポートは担当の楠本が多忙だった為、1度も書いてこなかったが、最後に私(川辺)が代理で大会の総括を書きたいと思う。
結果から言えば予選リーグから決勝リーグにかけて全7試合を50得点3失点という圧倒的な結果を残し優勝することが出来た。それは関東大会へ東京都第一代表として進出したことを意味する。1年前の同大会、、、我々は予選リーグで姿を消した。誰も予想をしていなかった悪夢、その瞬間にこの優勝という結果へ向けて早々にU-15選抜チームを作り始めた。チームを作るといっても、この大会へ参加する選手達は必ずしも同じカテゴリーでプレーしているわけではない。トップチームに所属する選手もいればU-15に所属する選手達もいる。U-15選抜チームを作るとどうしても即席チームのような感覚になる。大きな問題だがそれよりも最初に着手したのは昨年の大会で浮き彫りになった強力なセンターフォワード、技術に優れたセンターハーフ、安定したゴールキーパーの不在を克服すること。だから、楠本コーチと話し合い、中1(現中2)の多くの選手を小学生時代とは違うポジションへコンバートした。その代表的な例としてサイドバック・センターバックの選手をセンターハーフへ、フォワードの選手をキーパーへというもの。その選手達をしっかりと育成してきた結果で今がある。1年前は技術も中途半端であったが何よりもパワーが足りなかった。中1と中2では違うし、中2と中3でも全然違う・・・それを痛感させられた大会であった。今大会の攻撃陣も中2が4名で中3が2名という昨年と同じような布陣がベース。しかし、不安はなかった。中2と中3とのパワー差を凌駕するだけの卓越した技術力があったからである。そして、それを支える中3中心のディフェンス陣達がいたこともチームを作る上では重要な要素だった。しかし、何よりも昨年から変わったスフィーダの体制(東京都リーグの体制)がそれらの全てを支えていると思っている。現在、トップチームは東京都1部リーグに所属し、U-15は中学生1部リーグに所属している。今まではこのリーグ間で選手の移動が認められていなかったが、今ではそれが出来る。だから、調子の上がったU-15選手はすぐにトップチームでの出場機会を与えられ、逆にトップチームの中学生が調子を落としても中学生リーグで試合時間を確保できるようになった。調子が上がっても調子を落としても必ずどこかでチャンスを得ることが出来る、これは思いのほか重要なことであり、常に選手達にはチャンスという扉を開く可能性を与えられた。また、このリーグ間での選手の移動が認められたことにより、受験期間などの選手数が減少する時期にはトップチームではサイドバックでもU-15ではセンターハーフ・・・というように先を見据えた育成手段を取れるようになった。
要するに全ては今大会を見据え1年前からしっかりと準備を進めてきた結果が今大会の活躍に直結したということである。この1年間、スフィーダ史上初のAチーム予選敗退という屈辱を味わい、雪辱を果たすチャンスをずっと待っていた。U-14研修大会ではAチーム優勝、Bチーム準優勝という最高の形で完全制覇を成し遂げ東京都では追われる立場となった。前評判でも『スフィーダが頭一つ抜け出している』『関東の1枠はスフィーダで決まり。残りの1枠を争うことになる』などと確かに評価は高かった。それを言われるだけの裏付けもあっただけに我々のプレッシャーは並々ならぬものがあった。特に中学生年代の選手達は試合への入り方を間違えると本来の力を発揮出来なくなる、いや、むしろ本来の力を発揮させ続けさせることの方が格段に難しい。だからこそ、私達スタッフには油断や慢心といった心の隙間は少しも無かった。技術的にも戦術的にも、そして、メンタル的にも我々にはしっかりとした準備があり、チャンスを活かせるだけの力を得ていた。それが今回の優勝という結果に直結していると言える。
但し、最終戦の駒沢との試合を見てもまだまだ隙は多い。後半は質の差を見せられたので技術の差はあると思うが一歩間違えれば勝敗の行方は読めないところまで追い込まれた。また、フィオーレの試合のようにグラウンドコンディションでギリギリのゲームになってしまうことだってある。やらなければいけないことは山積みだが、指導者としてその課題の修正を楽しみながら選手達と一歩づつ進んで行きたいと思う。
私達の進めて来た第一段階のプロジェクトは成功という形で締め括ることが出来た。しかし、あくまでもこれは第一段階での話であり、我々の最終的な目標は全国大会出場、日本一のみである。この結果はあくまでも通過点に過ぎず、これからのことが一番難しい。今のままでも全国大会には出場できるかもしれない、しかし、日本一になることは極めて難しい作業となる。私達は関東大会も通過点と考え、今から3ヵ月後の全国大会へ向けて準備を進めて行くだけだ。日本一になり得るチャンスを秘めた数少ないチーム、、、その中にはスフィーダの名前も入っているはずだ。私はそう信じている。
最後になりますが、ご父兄の皆様この度はおめでとうございます。また、いつも当チームの活動にご理解・ご協力頂き、更に、ご賛同頂きスタッフ一同、常日頃より感謝の念で一杯です。選手達はきっと自分達の壁を乗り越え関東大会でも結果を残してくれると思います。引き続き応援の程、宜しくお願い致します。