7/10(日) 吉祥女子中学校
reported by 川邊 健一
中学生リーグ予選リーグ第4節は吉祥女子中学。私達は前節で敗戦を喫してしまった為、決勝リーグに進むためには是が非でも勝たなければいけない試合。相手のサッカーは見たことがなかったが、他のチームとの対戦成績を見る限り、力関係では上なのではないか?と考えていた。ただ、それはあくまでもその試合の結果であり、今回の試合において同じような展開になるとは限らない、従って、相手に対し油断するという意識は全くないつもりでいた。ただ、相手との力関係を測る上でも、選手個々の潜在能力を更に高めるためにも前半戦は様子見も含めて、選手達のポジションをいつもとは変えて戦った。
前半、相手は各ラインに注意をしなければいけないプレーヤーを要し、簡単な試合運びの出来る相手ではなかった。無論、私達は発展途上であるために現段階では余裕を持った試合運びなど出来ない。相手を完璧に上回ることや100%を出さずに戦うなんてことは有得ない。常に100%を出そうとする意識がなければ100%の力は引き出せないし、自分達の才能や個性を高めることは出来るわけがない。『今の自分』が『未来の自分』の為に今という時間に何が出来るのか?そういう高いレベルでの意識がなければ大きな成長は望めない。常に100%で戦うことは言葉で言うほど簡単ではないし、そんなことは絶対に出来ない。しかし、それでも己の全てを懸けて戦おうとする魂のこもったプレーの出来る選手は存在する。私はこのU-15の選手達にそういう集団であってほしいと望んでいる。しかし、今回の前半戦においてそういうプレーの出来た選手が何人いたであろうか?私は1人もいなかったと思っている。確かに不慣れなポジションや今までやったことのない周囲との難しい連携もあったでろうが、それは言い訳にならない。何故なら、そのような状態でそれを立て直そうとするプレーヤーはいなかったからだ。与えられた環境・状態の中で全力を尽くす・・・それがサッカー選手だ。結局、総合力に多少の差があり2‐0で折り返したが、前半戦の戦いぶりに満足感は一切なかった。
ハーフタイムでは選手達に厳しいことを言ったと思うし、辛い部分もあったと思う。しかし、私はサッカーにおいて妥協する選手はそれまでの選手だと思っている。妥協し逃げるのであれば、それも才能の内。厳しいことを言われ、悔しければそれなりに跳ね返ってきてほしいと願う。私を見返すだけの何かを示せば良いわけだから、難しいことではない。
後半、選手の配置を従来のものに戻し、多くの選手を後半戦から入れ替えた。後半戦は前半とは全く違う展開と全く違うサッカーが出来ていたが、それはポジションを従来のものに近い形に戻したからではない。間違いなく個々の意識レベルの向上が大量得点を生んだのだと確信している。最終ラインから、しっかりとビルドアップしサイドを中心に崩していく。中には非常に上手いゴールも存在し内容としては前半とは比べものにならないものであった。個々の意識の低さはこれほどまでに試合に影響を及ぼすということが理解できたと思う。上記でも述べたが、高い意識レベルで試合を行わなければ、個々の成長に大幅な伸びはない。前半は意味のない時間であったが、後半戦に新たな気持ちで望めたことは素晴らしい。このことを理解出来ただけでも前半戦は単なる無駄な時間ではなかった。成長の為の失敗と前向きに捉えられる。ただ、これを続けてしまうようなのであれば、それは自分の力に還元できていないということ。過ちを正すことは成長であるが、同じことを繰返さないことは更なる成長に繋がる。まだまだ未熟な選手達が多いが才能や将来性に疑いの余地はない。この才能を生かすも殺すも今後の私やコーチを含めたチーム全体の大きな挑戦となるだろう。後半戦に見せた試合への集中力と意識を継続することが大切だ。
次節は予選リーグ最終節となる。すでに1敗している我々は後がない。何とか2位以内を確保するためにも確実に勝たなければいけない試合。しかし、トップが全日本選手権でベスト4に進出した為、このU-15からも何人かの選手は全日本に帯同することになるであろう。怪我人も多いし、全日本選手権の兼ね合いで何人か最終節に出場できない選手もいる。それでも残った選手達で責任を持ち結果を出さなければいけない試合だと思っている。本来であれば、今日で4勝目を挙げ、最終節は最悪負けても決勝リーグに進出できるという状態でいたかったが、現実ではそうではない。1位・2位争いは最終節まで続きそうだ。今回の前半戦の反省を2度と繰返さないことが次の課題であり、目標だ。それが出来ればメンバーが揃っていなくても勝てると信じている。そう、あの第1節のように・・・。