ゲーム分析レポート
8/28(日) 東京都ガールズ(U-15)サッカー大会 2回戦
VS.17多摩SC ○0-0(0-0、0-0) PK3-2
reported by 山田岳暁
ゲームテーマ:オフザボールの動きの質
守備テーマ :チャレンジ&カバー
攻撃テーマ :オフザボールの動きを繰り返し行う
東京都ガールズ大会、2回戦は17多摩SCとの一戦だった。相手チームの試合を、以前拝見したことがある。非常によい指導を受けていると見受けられ、選手は足元の技術がしっかりとしており、判断力のある好チームだと認識している。その日に思わず、練習試合のお願いを申し出たほどである。
1回戦の経験を重要視したことから、初めて前回と同じメンバーで挑み、良い意味・悪い意味それぞれの課題の修正を図った。短期決戦の中で、選手達が一番課題に向き合えるのは前の試合の反省である。難しい試合になることは予想していただけに、期待値の高い一戦であった。
前半メンバー(昨日の後半組)は、課題となったDFラインの位置取りを意識高く修正し、チーム全体の距離感をバランスよく作り上げてくれた。FW陣もオフザボールの動きを活発にしようと、ねらいをもって取り組んでいたが、実際にボールを受ける場面では出し手とのズレが多く見受けられた。
一方、相手は前線からボールホルダーに対して制限をかけ、中盤やDFラインで奪おうとする守備網を張る。奪ってからの連携やサポートに入るスピードも速く、落ち着いて試合を運んでいたのは明らかに相手であった。いつも以上にビルドアップに手数をかける必要があったため、しびれを切らしたFW陣がどんどん下がってしまい、相手の包囲網にまんまと誘導されてしまう。相手を勢い付けさせないために、FWに対して裏への動き出しを指示すると、次第に相手の流れを止めることができたが、チャンスらしいチャンスはほぼ演出できなかった。
後半メンバー(昨日の前半組)は、巻き返しを図りスタートから攻勢に出ることができた。特にDFラインは堅実な対応を続け、粘り強い守備で相手のキープレーヤーを抑える。堅実な守備陣がチームに安定をもたらし、ほとんどの時間帯を攻撃にあてることができた。
しかし、攻撃陣の肝心な動きの質・視野の確保に課題があり、貴重なチャンスを逃してしまう。逆に、動き出しが良い時にはボールホルダーから配給されないなど、総合的に視野の広さや判断力の乏しい部分が目立つ試合となってしまう。
結局、相手のゴールをこじ開けるには至らず、スコアレスのままPK戦に突入する。先攻は17多摩。1・2本目は両チーム×。3本目に1−1。4本目はお互い×。5本目2−2、6本目で決着がつき、3−2で何とか勝利を挙げることができた。
前節の修正を図ることが一番のねらいだったが、その点に関しては実践に移すことができていた。ただ、オフザボールの動きの質はまだまだ積み重ねと経験が必要である。中盤にしても同じで、パスを受けることはできる。では、その次のイメージや相手DFをどのように崩すのかというイメージ、味方の動きに合わせた1stコントロールの持ち出しを磨いていくことが課題である。
これまでも、内容の浮き沈みはあったが、本日は決してよい内容ではなかった。それでも細かい技術や判断の部分では成長を見せている。悪い中でも、最低ラインは底上げされているので、この大会を通じてどこまで自分たちの力を伸ばすことができるか、また次戦につなげたいと思う。