ゲーム分析レポート
7/17(日) 東京都女子サッカーリーグ中学2部リーグ 第5節
VS.足立LSC ○1-1(0-1、1-0)
reported by 山田岳暁
ゲームテーマ:守備から主導権を握る
守備テーマ :インターセプトができる状況を、コーチングでつくる
攻撃テーマ :ゾーンの切れ目と180°視野の確保
昨日の文京戦では、1対1で闘う姿勢に欠けていたことがプレーやテーマ以前の問題として課題に残った。本日の第5節では、闘う気持ちを前面に出すことを選手たちに求めた。実践するテーマは昨日同様だが、その実践以前のことが最大のテーマといえる。
前半は、ピッチを幅広く展開することができ、これまでで一番ポゼッションらしいポゼッションが行えていた。相手も高い位置からプレスをかけてきたため、ピッチ全体にバランスの良いスペースが確保できていた。それを裏付けるように、0−0のスコアのうちは相手DFの裏のスペースに抜けるシーンが何度かあった。こういった時間帯にチャンスを増やし、確実に得点に結び付ける突破や判断、技術の質の向上がこれからの目標になる。しかし、前半22分の失点以降は相手のFW以外の選手が自陣に留まることで、ゴール前のスペースが完全に消えてしまった。この状況を崩していくことがスフィーダのサッカーであり、パスサッカーの醍醐味ではあるが、今日の段階ではそれができなかった。
後半は、開始4分に同点にした後、逆転を目指し選手たちはよく試行錯誤していた。これまでフィジカル的に懸念されていた選手も気持ちを示していたが、攻め込めば攻め込むほど相手ゴール前の人数が増えていく…。唯一チャンスを作れていたのは、サイドからの突破や深い位置からの崩しだったが、ここでも枠をとらえることはできなかった。まだ正確なミドルシュートがチームの武器ではないため、いかに相手ディフェンスを引き出すかが後半のポイントであった。何人かの選手は、3Dの感覚を持っており、ラストパスをGKの前に落とすなど、個人の工夫は見られた。こういった選手が複数いることは、今後のチームのバリエーションになり得ると期待している。
結果は、両チームともにミスからの失点での痛み分けとなった。チームの内容的には、決して悪いものではない。むしろ、選手個々の判断力や技術の定着は今日の試合でも確認することができた。試合結果を除けば、トレーニングの試しの場としてその効果は出ている。
しかし、今このチームに一番大切なのは、球際の執念や勝負事にこだわる、さらに言えば、勝利に対して貪欲になることだと感じている。第4、5節の結果は1分1敗。選手たちがどこまで危機感を覚え、何かを始められなければ、今後も苦しむことになると予想している。