ゲーム分析レポート
7/16(土) 東京都女子サッカーリーグ中学生2部リーグリーグ 第4節
VS.文京学院中学校 ●0-1(0-0、0-1)
reported by 山田岳暁
ゲームテーマ:守備から主導権を握る
守備テーマ :インターセプトができる状況を、コーチングでつくる
攻撃テーマ :ゾーンの切れ目と180°視野の確保
前節のテーマ「攻撃のための守備」に基づき、今節はインターセプト第一の守備から攻撃につなげることを狙いとした。最近のトレーニングでは、少しずつだが選手個人に複数の選択肢がうかがえるようになってきた。そのトレーニングでの状況をつくり出すために、一番良い状態でボールを奪うことを目指し、さらにチームとして奪うことを求めた。また、相手は非常に気持ちの強いチームであり、何としても1部返り咲きを狙うために現在全勝できている。お互いに、リーグ優勝に向けた重要な一戦だということを選手たちに伝え、送り出した。
前半は、お互いに高い位置からのプレスでチャンスを狙おうという意図が伝わる展開となった。スフィーダのことを百も承知の文京・山田コーチの勝負にかける想いが文京イレブンにしっかりと浸透している印象が強かった。激しい相手のプレッシャーに苦しむ場面が特にディフェンス陣に見られ、何度か危ういシーンを迎える。例年のことだが、GKとDF、ビルドアップ時のDFとMFとの連携やサポートの質を上げる必要が、早くもU-13にあると感じられた場面でもある。
しかし、スフィーダの攻撃陣の中にも光るプレーは多かった。スフィーダ特有のテクニックが状況に合わせて出すことができるようになってきて、少ないタッチ数でシュートまで持ち込むことも何度か表現することができていた。本当に少しずつだが、確実に技術の習得が進んでおり、ボールを受ける直前の準備も改善されてきている。
明らかな技術的なミスや、空中戦の弱さを克服することで、前半のような危機的シーンはかなり減らせることができるため、前半のメンバーは次への課題にしてほしい。
後半は、カウンターの対応とセカンドボールの処理、中盤の修正を図りながらテーマの実戦を目指した。ディフェンス陣の冷静な対応で、攻守ともに落ち着きを取り戻すことができ、一時は流れを引き寄せることができていた。前半でのチャンスやこの時間帯で決定機を逃してしまう所が勝敗を左右していることもあり、1チャンスをものにする爆発力不足が課題に感じられた。
試合終盤は、中盤が完全に走り負けたこと、空中戦や1対1の消極的な姿勢がDFに大きく負担をかけ、幾度もカウンターを許してしまう。球際や勝負所で闘いきれない気持ちの弱さが非常に残念なところだが、その結果はロスタイムの失点に集約されていた。何よりも相手の「勝ちたい」という執念に負けていた。
本日のテーマの実戦に関しては、シーラム戦と似た部分があり、ロングボールの予測が立たないことと、根本的に1対1で闘う姿勢に欠けていたことにより、多くのピンチを招いていた。ただ、前半序盤に相手のビルドアップを数多く奪えたことで、相手が攻撃を修正したと考えれば別の評価もできる。なぜ守備から主導権を握るのかを理解しつつ、翌日の試合に臨みたい。