ゲーム分析レポート

6/4(土) プレナスチャレンジリーグ2011EAST 第7節

reported by 川邊 健一
スフィーダ世田谷FC 1
0
前半
後半
0
1
日本体育大学サッカー部

7 森 仁美
得点経過
11min
85min


11 久保田 麻友
9 シュート数 22

マッチデープログラム(表)
マッチデープログラム(中)


プレナスチャレンジリーグ第7節日本体育大学サッカー部。これまで練習試合で御相手頂く事はあったが、公式戦で顔を合わすのは初めての事。言わずと知れた強豪チームで長きに渡り日本女子サッカー界をリードしてきた名門中の名門チーム。現在、同じリーグで、こうしてお手合わせ頂ける事だけでも名誉な事だと思っている。
チャンレンジリーグも7節を迎えたわけだが、このゲームは今までのどのゲームよりも負けられない試合。今後の順位を占う上でも、絶対に落とせない試合という位置付けだった。相手が格上で強いのは百も承知ではあったが、ここで負ければ、ズルズルと順位を落とすことになり、上位戦線に食い込む事が極めて難しくなっていく、別れ道だと考えていた。


徐々に怪我が癒え始めてきた#15笹子

チーム最年長選手#19黒川

チームは、このゲームの重要性を理解し、心身ともに準備を怠ることなく、この日を迎えてくれた。前節の大差での敗戦は胸に響くものがあり、同じ轍は踏まないと、チームは集中してくれた。
序盤から個に勝る日体大さんに主導権は譲るも、スフィーダも粘り強く守り虎視眈々と得点を狙う。前半11分には、スフィーダの理想に近い連携から得点。”相手の予測の外から崩す”というスフィーダ理論に則ったゴールは見事だった。
しかし、相手もサイドを中心に怒涛の攻撃を魅せ、それを跳ね返す作業が続く。守備から攻撃に転じた時の相手の圧力は終始強く、なかなか自由な時間もスペースも与えてくれない。そこを掻い潜るだけの技術があれば、もっとアグレッシブに攻撃に転じられたはずだが、相手の戦術も見事であり、ボール周辺の守備は強かった。
そんな中、前半41分に#19黒川が警告を受ける。ベンチにはすぐさまアップを指示し、交代の準備に入った。#19黒川のプレースタイルはファイター系そのものであり、2枚目のリスクの高い選手である。しかし、残り4分…リザーブのアップも済んでおらず、尚且つさすがに4分で2枚目をもらう事は無いだろう、と安易に考えた私とは裏腹に43分に2枚目の警告で退場処分となる。
本人は責任を感じていたが、狙った悪質なファールではなく、一生懸命にプレーした結果でしかないので誰も攻める事はしない。逆に10名になったことでチームの危機感は、より一層増し集中力が上がったように感じた。

「スフィーダ史上初めての退場。ここから先の10名での闘いは、スフィーダとしても未知との闘い。一緒に学ぼう」と。選手達を送りだす。

後半、相手は怒涛の攻撃に転じてきたが、こちらが対策した戦術(守備戦術)がハマり、ブロックの外でのポゼッションが多かった。逆に奪ってからの慣れないカウンターでも脅威を与える事が出来ていた。しかし、相手も百戦錬磨のチーム、監督を要する…後半中頃に戦術変更の策を取られ、1名すくない私達には対応できる策が限りなく少なくなってしまった。それもありサイドを崩しきられるシーンが増え始め、選手交代で何とか凌ぐ努力をするしかなかった。
選手達はギリギリのところで身体を張り、守り抜いてくれた。どこかで失点はするだろうと考えていたが、願わくば、その時間帯が限りなく試合終了に近い時間であってほしい、そして、逆にカウンターから追加点を奪いたい、双方が出来れば勝てる試合だと思っていた。
前者については、チームがよく踏ん張ってくれた。あと少しだったが、暑さもあったのは事実で最後15分は足が止まっていたのも事実。それだけに失点は仕方がない。逆に攻撃では、決定機があった。絶対に決めなければいけないシーンもあった。試合終了間際までゲームプランに限りなく近い形で闘えただけに残念ではあるが、不慣れな10名での闘い、不慣れなカウンターアタックの戦術、をよく表現してくれたと思う。結局、1-1のドローではあったことは悔しいが、選手達が最後までまとまって勝利を目指してくれた姿勢を認めつつ、この勝ちきれないのが現在の実力なんだと知る必要がある。



チーム事情で右SBで出場#11永田

中盤で躍動した最年少選手#18薄田

今回のゲームで、チームが抱いた危機感、前進しようとする姿勢、人の気持ちを背負って闘う意味、など多くの変化があったように思う。内容が優れていたとは言えないが、どこか危機感のなかったチームが魅せた”闘う意思”だけは伝えられたのではないかと思っている。このチームが今のまま前進してくれれば、きっとシーズン終了後には、また違うチームになっているに違いない。必ず進歩、進化して行ける、そんな感情を持てたゲームであった。

まだまだチャレンジリーグは折り返し地点にすら達していませんが、1つ1つの経験を得てスフィーダはこれからも前だけを見て進んでいきます。引き続き応援のほど宜しくお願い致します。

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