ゲーム分析レポート
4/10(日) プレナスチャレンジリーグ2011EAST 第1節
reported by 川邊 健一
常盤木学園高等学校 | 0 0 |
前半 後半 |
1 2 |
スフィーダ世田谷FC | ||
得点経過 36min 52min 63min |
14 田中麻里菜(PK) 2 福原菜緒 11 永田真耶 |
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17 | シュート数 | 11 |
プレナスチャレンジリーグ2011が遂に開幕した。ここに至るまで設立から10年…10周年を迎えたチームが新たなステージでの挑戦を開始した。非常に喜ばしい事ではあるが、それとは裏腹に、被災地地域のチームとなる常盤木学園との対戦には、感じる事が多かった。
サッカーの仲間がこうして力強く立ち上がり、震災を跳ね除け試合を行うという事が、どれだけ大変なことかは察することが出来る。それでも前へ進もうとする常盤木学園さんに敬意を表すると共に、同じサッカーファミリーとして、私達も復興へ向け、勇気を与えられるような力強いゲームが出来ればと、考えていた。
また、相手は全国屈指の超強豪校であり、スター選手達も数多く輩出し、昨年度の全日本選手権では、あの日テレ・ベレーザを含む、Lリーグチームなどを撃破し、ベスト4まで辿り着いた実績も持つ。女子サッカー関係者であれば知らない人間はいないほどメジャー且つ実力を兼ね備えたスーパーチームだ。
開幕という難しさだけではなく、色々な要素が含まれたこのゲームは、被災者の皆様方への黙とうから始まり、ピッチに立つ全員が喪章を着用し、追悼ゲームの意味合いも持つゲームであった。
記念すべきデビュー戦スターティングメンバー |
円陣からは、いつも以上の気迫 |
開始より選手達はチャレンジャーとして、それぞれが集中し闘ってくれた。
相手は高校生と言えど女子サッカーには高校生も社会人も身体的な大きな差など無い。もっと言ってしまえば中学生でもレベルの高い選手であればトップレベルの中で闘えてしまう。それが女子サッカーだ。私達の方が大学生や社会人を含むこともあり年齢層的には高いが、それが直接有利なものと考えることなどあり得ない。そのようなこともあれば、私達は言わば降格候補No.1であるということも大きなプレッシャーを感じずに闘えた要素かもしれない。
世論は負けて当然、0-1、0-2などの僅差の敗戦であれば、負けても「よく頑張った」認められてしまうほどのネームバリューの違いがある。また、昨年度のチャレンジリーグ入替戦で本当に緊迫感のあるゲームを経験した事も大きかった。後がないゲームを経験してきたことにより、この開幕戦も全15試合の1試合に過ぎないという精神状態を保つ事が出来た。更には経験豊富な新加入選手達の存在も冷静に試合を運ぶ上で欠かせない存在となっていた。
試合は3-0で勝利を収めたが、この結果は出来過ぎかもしれない。3-0の差があったかと言えば、、、ない。と断言できる。今回は謙遜するわけではなく運が良かったというのもある。勿論、選手がベスト尽くそうと努力してくれた事が最大の勝因ではあるが、シュート数を見ても相手も多くのシュートを放っている。特に終了15分位前からは何本のシュートを受けただろうか…猛攻を受け、受け身に回ってしまった。
もし、相手が先制したのであれば、全く逆の結果になっていた可能性は高い。今日はスフィーダらしくなく、運良く決めどころできっちり得点を取ってくれた、相手が不運にも決定機で外してくれた、その差が3-0となっただけでしかなかった。
ハーフタイムのロッカールーム |
新加入#20山本とトップ昇格#17長崎の連携 |
新加入選手も加わり、チームに新たな風を吹き込んでくれた。元々あったスフィーダという土台に、色を付けてくれるのが新加入選手の存在だ。が、今回は合流の遅かった新加入選手などは帯同メンバーから外し、連れて来なかった。連携面の問題や戦術理解度などの問題もあったが、何より昨年在籍していたメンバーを全員(怪我人は除く)連れてきたかった。昇格を分かち合ったメンバー、昇格に導いてくれたメンバーがあってこその、この舞台、、、私は昇格の功労者達をリスペクトしている。その選手達がこの舞台でデビューできたことを心の底から喜び、また、新たな歴史の1ページを共に刻めたことに感謝している。
最後に、試合後のインタビューでも答えたが、私達の今シーズンの目標は”残留”である。今回の勝利に一喜一憂する事もなければ、過信や慢心もない。選手達の表情を見ても、それはわかる。15分の1、、、私達はスタートラインから力強く一歩踏み出せただけである。ここからの競争に負けないようスフィーダロードを突き進んでいく事だけを考えたい。
今回は初のアウェイゲームでしたが、遠い会場まで応援に駆けつけて頂き誠にありがとうございました。次節のホームゲームではスフィーダらしいサッカーを披露できるようにベストを尽くします。引き続き応援のほど宜しくお願い致します。