11/14(日) ルネサンス熊本FC

reported by 川邊健一
チャレンジリーグ入替戦第1戦(ホーム/45分ハーフ)
スフィーダ世田谷FC 2
1
前半
後半
1
2
ルネサンス熊本FC

11 笹子正恵

オウンゴール
4 田中麻里菜


得点経過
7min
10min
45min
47min
67min
85min


9


9
20
21 シュート数 10


チャレンジリーグ入替戦出場チーム決定戦(以後CL出場チーム決定戦)を勝ち抜き、私達と吉備国際大学が入替戦への出場権を獲得。CL出場チーム決定戦の翌日にはJFAハウスにて厳正な抽選会が開催され、私達の対戦相手はルネサンス熊本FCとなった。
対戦相手が決まり、初めてのホームゲーム開催の準備から、アウェイへの遠征の準備などやらなければいけないことが多くあり、正直試合のことを考えられる時間が極端に少なかった。ただ、見たことがない相手であるということもあり、志向するサッカースタイルも何もかもがわからない。また、幸いにもホーム&アウェイで開催されることから合計2試合があるということもあり、ましてや初戦がホームと考えれば自分達のサッカースタイルを貫き通すことしかあり得なかった。
但し、一番重要だったのは、CL出場チーム決定戦の3連戦で選手達の身体に蓄積した疲労を抜くことが出来るかどうか、ということ。90分ゲームを3日間続けて行うのは、想像以上に身体への負担が大きく、この一週間は試合への調整というよりも、疲労を抜く作業に徹した。

序盤は相手の出方を見ること。どういうサッカースタイルなのかを把握することから入った。相手はアウェイだからだろうか?ノーリスクのサッカーに徹しており、私達のスタイルとは明らかに違うサッカーを志向していた。序盤は相手のリズムに飲み込まれそうになるところを何とか抑え自分達のサッカーを展開しようと闘う姿勢が感じられた。結果的に高い位置から連動してボールを奪い、ボールをうまく運んで厚みのある攻撃から先制点を奪う。得点を挙げたシュートは一見GKのファンブルと見えるものだったが、ベンチの視点からは大きくブレるボールが確認出来た。流行のいわゆるブレ球だ。今大会はW杯でも使用されたジャブラニを使用している為、ボールの芯を捉えるといとも簡単にブレ球を蹴ることが出来る。決して狙ったシュートではなかったが、良い流れから先制点を奪うことが出来、一気にゲームが落ち着いて行くことが想像できた。しかし、その直後に#4田中と#1鶴ヶ谷のあからさまな連係ミスから痛恨の失点を喫してしまった。このプレーで明らかに異変が起こり、冷静を欠き続ける結果となってしまった。入替戦の重圧の前では、通常ありえないミスが当然のように起きる…まさにそういうプレーだった。
チームも冷静さを欠き、次第に相手のダイレクトプレーに付き合ってしまう形で、長いボールでの攻防が多くなる。相手のロングボールがスフィーダのDFラインの背後をついてくるが、そのロングボールに対し相手#9の動き出しとスピードが脅威を与え、スフィーダもリスク回避の為、早め早めに自陣からボールをかき出そうとしてしまっていた。何度も声をかけ、自分達のサッカーへ引き戻そうと努力し、そうしたプレーも随所に見せ始めるが、決して満足のいく展開ではなかった。
前半ロスタイムに、#8山田のミドルシュートがGKのセービングを招き、それにいち早く反応し詰めた#9内山がシュートを放つ。シュート自体はミスとなってしまったが、それが戻ってきた相手DFに当たりオウンゴールで2点目を奪い、内容とは裏腹に最良の時間帯で追加点を挙げられた。

後半、ファーストプレーで相手ゴールから約30Mのところでファールをもらう。それを#4が直接狙い3点目。これでチームは冷静さを取り戻させ、いつものサッカーが顔を見せ始める。幾度となく相手を崩し決定機を演出し、自在にゲームを支配した。ホームということ、その時の流れを考えれば十分に加点出来た状況ではあったが、ことごとく決定機を外し続けた代償が67分過ぎに来た。ワンチャンスをものにされ、スーパーゴールから失点。。。2-3となる。その焦りや先週の3連戦の疲労が一気に押し寄せ、3連戦で出場し続けた#4田中と#15岡田のセンターバックコンビが足をつり始める。3連戦でも一度も足をつることがなかったにも関わらず、たった一試合でつってしまう…疲労の蓄積と相手のロングボールによる上下動の繰り返しが原因だった。相手の勢いが強まる中、徐々に圧力に押し負けるシーンが多くなり、遂には終了5分前に痛恨の同点弾を決められ3-3となった。それでも尚、チームは応援して下さる方々の為にも、何とかホームゲームを制そうと攻撃的に闘ってくれたが、それと同時に一進一退の攻防となり、結果は痛み分けのドローで終わった。

今回、3-1になった時点である程度闘い方を考える必要はあったかもしれない。しかし、もし、同じ状況に立たされても私や選手は4点目を取りに行ったはず。サッカーにおいて何が正解で、何が間違いだということは無いが、それがスフィーダの目指すサッカーだからであり、仮に点差をキープした闘い方を選択し同点に追い付かれたのであれば、第2戦への心理的な影響も避けられなかっただろう。

結果的に勝てる見込みのあったゲーム、結果を求められるゲームにおいて3-3-のドローは悔しいし、痛い。しかし、相手が良いチームであったことも認めなければいけないし、私達が未熟であったのも冷静に分析しなければいけない。何故なら、入替戦はここで終わったわけではないからだ。

とりあえず今回の試合で良かったのは、負けなかったこと、だ。今回の結果を受け、単純にアウェイで勝てれば昇格という状況にある。状況的には不利とも言えるが、私達は不利とは感じていないし、個人的には分かりやすくて良い。
次のゲームは今回とは全く違うゲームになる可能性があるが、私達はどこに行っても自分達のサッカーに徹したいと思っている。次で全てが決まるが、応援して下さる方々の想いを背負い、自分達の全てを熊本においてきたいと思っている。

最後になりますが、今回は200名以上の方々にご来場頂きまして誠にありがとうございました。ホームで勝ち、皆様方を安心させたかったのが本音ですが、出てしまった結果を受け止め、今できる準備を進めていきたいと思います。引き続き応援のほど宜しくお願い致します。

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