1/9(土) 武蔵丘短期大学

reported by 川邊 健一
関東女子サッカーリーグ入替トーナメント大会1回戦(40分ハーフ)
スフィーダ世田谷FC 0
0
前半
後半
0
2
武蔵丘短期大学

得点経過
70min
75min

11
8
7 シュート数 10

関東女子サッカーリーグ入替トーナメント大会が遂に始まった。この大会は1都7県のチャンピオンチームが集い、関東リーグへの昇格を懸けて争われる8チームによるトーナメント戦。どのチームも各都県のチャンピオンチームである為、レベルが高いのは当然であるが、中でも武蔵丘短期大学、関東学園大学、F.C.VIDAなど実力、実績を持ったチームが多数出場している。

私達の1回戦の相手は、中でも一番やりたくないと考えていた武蔵丘短期大学であった。準備期間の2ヶ月間の中で、まず最初に取り組んだのはスカウティング。インカレ予選リーグ最終節早稲田大学×武蔵丘短期大学(○4-1)を見た率直な感想としては”普通にやりあったら勝てない”というものであり、入替トーナメント大会が如何に難しいものになるかを痛感せざるを得ない内容であった。そこから相手を研究し、勝てる可能性を追求する作業が始まった。スタッフで何度も協議し、相手の隙を見つける作業を繰り返し、それを選手達がピッチで表現できるようにこれまた繰り返しベースを叩き込んでいった。
12月中には、狙っていた闘い方をある程度、成熟させることが出来、更には1月3日〜5日まで強化合宿に行き、最後の仕上げを行い、ベストの状態で試合に臨めるようにしていた。2ヶ月間という限られた時間の中で、スフィーダのサッカーではなく、あくまでも勝利を目指す為の闘い方を習得させ、出来る限りの準備は行えた。しっかりと準備を行えたことから、勝たなければいけない運命を分ける試合にも関わらず大きなプレッシャーはなく、むしろ試合が待ち遠しくて仕方ないほどにまで気持ちもコントロール出来た。

ただ、不安要素があるとすれば、キャプテンも含む主力選手が3名も怪我で出場が困難な状態に陥っていたこと(キャプテンのみ本来のCBではなくリスク回避のためFWでスタメン出場)。2009年シーズンはこれまで怪我に見舞われることが多く、ベストメンバーで闘った公式戦が一度もない。過去にこれだけ怪我に見舞われたシーズンはなかったが、これも実力の内と考える他ない。今日闘える選手でベストの闘いを行う、、、結果を出さなければ意味がないわけであるわけだから怪我は言い訳にならない。

素晴らしい活躍を魅せた#12鶴ヶ谷

0-0でハーフタイム突入

前半、私達の狙っていたサッカーがうまく相手の戦術にはまり、想定していた展開の中で試合を進めることが出来たと思っている。但し、相手は力のあるチームである為、当然チャンスは作られたが、それよりもやり辛さや窮屈さを感じさせられたのではないかと思う。
スフィーダはボールを狙ったところで奪えることが多く、ショートカウンターを中心に相手ゴールに迫っていく。幾度か決定的なシーンを演出するもゴールを奪いきるまでには至らない。
非常に洗礼されたチームを相手に互角の闘いを演じられたことには、これまでの取り組みの成果として選手達を褒めたい。2ヶ月間で完成させた勝つことを最優先に考えたサッカーを選手達はピッチ上で、よく表現してくれたと思う。相手のチームを分析したことから相手のストロングポイントを消しながら試合をコントロール出来た、また全てが想定取りに進み、チームは冷静に闘えていたように思う。

但し、1つだけ想定外のことがあった。相手が思った以上にこちらの誘導に乗らず、縦に速かった。結果的にそれは中盤の選手達の休息の時間を奪い、スタミナ部分での問題が発生することが想定できた。

ハーフタイムでは、前半を闘って、相手はきっとこちらの準備してきた戦術に対し、何かしらの手を打ってくるだろうと考えていた。その相手の対応を上回れるだけの準備があれば、私達がきっと勝つことが出来る、そう思っていた。その上回るだけの武器も準備も用意していたことから選手達は勝利を信じて後半戦へ挑んで行った。

後半、中盤の運動量がやはり低下し始め、1つ綻びが出る為に、全ての対応が後追いになってしまうという現象がいくつか出始めた。また、それに伴い奪う位置も低くなってしまい、下手に縦に速くなり、1パターンな単発の攻撃ばかりになってしまった。負担が極端に中盤にかかる戦術の為、これも想定内ではあったが、得点の気配が前半と比較すると薄くなったことからスコアレスで終了する可能性も途中から頭をよぎり始めた。
迎えた終了10分前、予期していた攻撃のパターンで強引にこじ開けられ失点。攻撃力のあるチームとの対戦である為、失点は必ずあるというシュミレーションをチームで行っていたし、それに対する準備もあった。ただ、失点する時間帯が明らかに悪かった。願わくばもっと早い時間帯に取られていれば手を打てたと思うが、あまりにも時間が足りなかった。結局、手を打とうとする間を盗まれ、更に1失点。これで万事休すだった。
勿論、チームは最後まで闘う姿勢を示し、僅かな可能性を追求し続けてくれたが、想いも届かず無念のホイッスルを聞くことになった。

全治2カ月の怪我の中、無理して出場#4田中

1年間応援ありがとうございました

チームはこの2ヶ月間、勝利を目指し、勝利の為にチームプレーに徹してくれたと思う。準備してきた過程、このゲームに対する想いなどがある為、敗戦は非常に悔しいものであったが、その悔しさの半面、2009シーズンで初めてチームが一丸となったことに喜びがあったのも事実である。今シーズン新加入選手が多く、当初はチームとしてもまとまりに欠けている部分が非常に多かった。しかし、このゲームを目指し、全員で勝利を目指したことによりチームは共通の目標を通じ1つになった。個性的な選手達の融合は簡単ではなく、それこそ全く新しいチームのような状態であったが、それがやっとスフィーダ世田谷になった。その瞬間を見れたような気がした。だからそれが素直に嬉しく感じていたのも事実である。


2009シーズンは多くの目標と多くの希望を持ちスタートしたが、最終的には一番重要なタイトルを取ることが出来ず、悔いは残っている。全ては私の力不足である。それは十分に自覚しているし、結果が全ての世界で何の言い訳もない。再出発しか道がなくなった以上、もう一度初心に戻り、前を向いていくしかない。苦しいことではあるが、この苦しさを乗り越え、来シーズンこそ最後のチャンスだと思って踏ん張りたいと思っている。

最後になりますが、今シーズンも多くの皆さま方に支えられ活動を無事終了することが出来ました。大きな怪我も複数回に及び、不運なシーズンだったように写りますが、もはや振り返っている暇はありません。来シーズンこそはチーム一丸となり、強い決意の元、必ずや目標を果たしたいと思っております。ご期待に添えず申し訳ありませんでしたが、引き続き応援のほど宜しくお願い申し上げます。


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