7/26(日) 文京学院大学女子高校サッカー部

reported by 川邊 健一
全日本女子サッカー選手権大会東京都予選決勝(40分ハーフ)
スフィーダ世田谷FC 1
1
前半
後半
1
0
文京学院大学女子高校

9 小笠原かすみ

9 小笠原かすみ
得点経過
13min
40min
45min


3(FK)
16 シュート数 4

私達が全日本女子サッカー選手権大会東京都予選にて決勝戦へ進出したのは初めてのことである。今まで辿り着けたことのない場所へ到達することが出来たが、今日の決勝戦で勝つことが出来れば、初優勝と共に初の関東大会出場というタイトルを勝ち取ることが出来る。この大会は、スフィーダトップチームの今季最大の目標の1つであるため内容よりも結果だけを得るために闘う必要があった。

相手は高校サッカー界で言わずと知れた強豪チームであり、監督を務める先生も素晴らしい方で私もいつもお世話になっている。「決勝戦で会いましょう」と約束していたが、共に約束を守る形で巡り合えたのは非常に嬉しい。しかし、素晴らしい先生が故に、選手達の力を最大限引き出してくる監督だということは十分に理解している。大学生世代主体のスフィーダからすれば相手は1つカテゴリーが下のチームではあるが、相手は強豪で油断出来る要素など何一つなかった。どうであれこの決勝戦は結果が全てであり、今まで培ってきた全ての技術をグラウンド内で表現することが勝利への道…今さら言い訳することなど出来ない。

11:30真夏の炎天下の中でキックオフ

前半ロスタイム間接FK(バックパス)での失点

前半、不慣れなグラウンドではあったが、ボールを動かしながら、様子を伺った。相手のことは選手達にもビデオを見させ準備をしていた。それもあり、序盤は冷静に闘うことが出来ていたように思う。そんな中、トレーニング通りの形から1点目を奪うことが出来、より冷静に闘えると思えた。しかし、選手達はクラブの天敵ともいえる真夏の日差しと先制点を奪ったことで有りもしない安堵感に縛られ、完全に集中力を欠いて行くことになる。
最初から最後まで100%集中することなど出来ないが、決勝という大事な舞台で前半の多くの時間を無駄にしてしまった。追加点が欲しかったが、選手達の集中力の低下振りを見るとハーフタイムを挟まない限り根本的な解決が難しいと判断できた。ハーフタイムを待つ形となったが、前半ロスタイムにバックパスと判断されたプレーをGKがキャッチしてしまい間接フリーキックを与えてしまう。それを決められ1-1という最悪の状態で終えることになってしまった。

ハーフタイムでは、いつ振りか?久々に感情をぶつけた。普段は怒鳴ることなどないが、今のまま集中力を欠き、中途半端なプレーを続けるのであれば間違いなく負けると感じたからだ。この状況は戦術がどうのこうのというような話ではない。極めて簡単な話だ。それだけに選手達に感情のままに想いを伝え、新たな結束を産むきっかけを与えたかった。

後半、結果的には選手はそれで目を覚ましてくれたように思う。通常であれば、戦略的な内容のある指示を送らなければならない、また、出来るだけ選手達を気持ちよく良い状態でピッチに送り出さなければいけない、、、それは百も承知であるが、久々に感情をぶつけたことが利いたのか?選手達の集中力が戻ってきた。それもあり後半開始から体力が切れるまでは前半よりは内容的に優れたものになったが、相手の守備は非常に強固でなかなか崩すことが出来ない。しかし、#9小笠原が本日2点目を個人技から叩き出し優勢に試合を進めることが出来たように思う。
相手の先生もスフィーダのことをよく調べ上げており、先生の戦略にやられそうになってしまったシーンもあった。危機一髪の危険なシーンはあったが、強い相手に何とか勝利を収め、スフィーダ史上初優勝を飾ることが出来た。また、それと同時に関東大会への出場権を獲得することが出来たことに安堵した。

表彰式

祝!初優勝!!

スフィーダは、2009年度に入ってから、何かのタイトルを取ったわけではなく、何かを成し遂げたわけでもない。しかし、選手達のお陰で「優勝候補」として追われる立場を余儀なくされてきた。私はチーム名の通り、挑戦し続けることが全てであり、追われることは好きではない。こうして優勝し、関東大会の出場権を得ることにより、やっと挑戦できる立場となれたと思っている。そういう意味では、これがスタートラインなのかもしれない。

この大会を振り返ると、初戦でPK戦までもつれ込むこともあり、決して簡単な大会ではなかった。そのギリギリの勝利を経て、選手達と相談し、協議し、それ以降の試合ではシステムや選手の配置、根本的な闘い方までも変更してきた。結果的には、これで結果が出たわけであるから良かったのだと思うが、最初から最後までバタバタとした中で、1試合1試合調整しながら無理やり勝ち進んできた感が否めない。この大会を勝つことが全てである中で、途中での変更など通常は考えにくいが、私の心の中には”より内容の優れたサッカー”を目指す思考が強かった為、迷いながらも選手達と共に決断した。選手達と共に歩み、新たな歴史を刻めたことは素直に嬉しいし、これを乗り越えられたことは大事なことのように思う。チーム全員で掴み取った大事な一勝だと思っている。
関東大会での挑戦でどこまで出来るかはわからないが、今の未熟な新スタイルを確立するために十分な準備をしていきたいと思っている。


最後になりますが、御声援を頂いた地域の皆様方、御父兄の皆様方、下部組織の選手達、皆様の応援のお陰で結果を得ることが出来ました。選手達は自分達だけでサッカーしているわけではないと実感し、関東大会での躍進を誓っております。スフィーダを応援して下さる全ての方々のためにも日々全力でトレーニングに励み、最高の状態で関東大会を迎えたいと思います。引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます。

試合結果に戻る