9/7(日) 立川FC ○6-1(2-0、4-1)
reported by 川邊健一
東京都女子サッカーリーグ1部リーグの後期が開幕した。前期からだいぶ期間は開いたが、その分、チームの成熟は図れているように思う。この期間中、選手達はそれぞれ全日本女子サッカー選手権大会から、U18選手権、U15選手権など各世代の重要な大会を経験してきており、カテゴリーは違えど真剣勝負の場数は踏んできていた。それらの選手達が融合し、トップチームとして久々にゲームを行うことになる。ここからが再スタートであり、選手達は再度1つにまとまり新たな目標へと進んでいくことになる。
その相手は、立川FC。春の大会でも対戦(○2-0)しており、アグレッシブな闘いを出来る好チームだと認識していた。また、選手の補強もあり、熱心な指導のなされているチームということで警戒心は強かった。特徴としては、破壊力のある2トップに加え、テクニカルな中盤の選手達、それを支えるDF・・・そして何よりもチーム全体として闘える印象がある。個のレベルも高く、非常に良いチームだ。前期は2連敗しているようで、結果的には振るわなかったようだが間違いなく力のあるチームだと思う。
試合は、久々に内容的には優れたものだったように思う。チームの中で個々が自身のストロングポイントを発揮できること・・・それは簡単なようで難しい。当り前のようで当たり前に出来ていないのが現状だと思う。もちろんチームは選手の個性を発揮させ、引き出し、それを最大限に活用し、成立するもの。しかし、どこのチームでも当てはまることだと思うが、ピッチに送り出す選手全員(リザーブも含む)の個性を引き出すことは極めて困難だと思う。もしもそれが出来たのであれば、間違いなく強力なチームになると同時に、育成の面ではこれ以上ない成果を得られることだろう。今回のゲームにおいては、スタメン11名中7名程度の選手が自身のストロングポイントを活用したプレーをし、チームも仲間のストロングポイントを理解した上での動作が出来ていた。それがゲームに流れを引き込み良いゲームになっていた。もしも全選手の個性を引き出しあうようなプレーが出来れば、更に素晴らしい内容になっていたことと思う。
分かっているようで分かっていなかったこと、戦略的に闘おうとすればするほど見えなくなっていたこと、など色々とある。チーム全体のレベルが上がれば上がるほど、自分のサッカー感やサッカー論をチームに押し付けてしまうのかもしれない。大切なこと、、、それはチームがチームとして闘うという本質をどれだけ理解できているかに依るところが大きいのかもしれない。ダイレクトプレー(ロングボール)を多用し、前線の個性を活かすのも戦術であり、決して間違ってはいない。またそれも個性を活かすということに精通する。細かく繋ぎ、チームとして闘うことも1つの戦術であって然るべきものだ。どちらが正しいということではなく、誤っているということでもない。答えがないからこそ難しいのがスポーツである。チームとしての考え方やチーム事情によって左右されることだが、あくまでも個性を活かすというところでは共通している。だからこそ、より個性を活かせるチームが勝つことが多いのだろう。
何故か試合後にそういうことを考える重要な試合であった。願わくば、その都度ピッチに立っている11名が個性を存分に発揮できるサッカーを目指したい。今日は7名であったが、それが8名、9名…11名となって行く時、また新しい扉を開けるように感じた試合だった。