7/13(日) 文京学院女子高等学校 ○2-0(1-0、1-0)
reported by 川邊健一
雨で流れて、流れて・・・やっと全日本女子サッカー選手権大会東京都予選が始まった。2週間遅れで行った試合。相手は、高校サッカー界屈指の強豪チームである文京学院女子高等学校である。1回戦では、同じ高校チームである修徳高校を3-2で破り、勝ち上がってきた。修徳高校も、素晴らしいチームなので、それを破って上がってきた文京学院にはかなりの警戒心を持っていた。
私達は、この大会に大きな意味を感じており、何とかこの大会で初優勝し、関東大会へ進出したいと考えている。スフィーダトップチームの最大の目標と言っても過言ではないと思う。だからこそ、最初に文京学院のような高校チームとは対戦を避けたいと願っていたが、こうなってしまった以上、やるしかないと思って挑むほか無かった。
特に本日は、なでしこジャパンプロジェクト(U15日本女子代表候補)のキャンプ中であり、2名(中3)の選手を欠いていた。また、諸事情により、チームでは重要な役割をこなす高校生(1名)も来れず、3名の選手を欠いた中で闘わなければいけない。年齢的には若い選手達であるが、チームの中での役割は非常に重要な部分を担っており、どの選手が欠けるのも痛い。それでも、やらなければいけないわけであり、何とか今日という日を戦い抜かなければいけない。この1週間、ずっと3名がいない中でのトレーニングを行ってきたが、内容的には不安な部分も多くあり、選手達も自信をなくしかけていた。ただ、準備できることは全てやってきたわけであり、あとは選手達を信じてやるしかないと考えていた。
試合は序盤、相手に押込まれるものになってしまった。高校生は球際を闘える選手がほとんどであり、それだけでも苦戦することは見えていたが、予想以上に足元にボールが落ち着かず、相手のプレッシャーに翻弄される形となった。”序盤は長いボールで様子を見ながら闘おう”、、、そんなことは、キックオフと同時に忘れてしまっていたようだった。問題なのは、決して状態が良くないグラウンドで繋ぎきることが難しいということ、『勝たなければいけない試合において、それならどうすれば良いのか?』選手達には見えていなかったのかもしれない。しかし、少なくとも文京学院の選手達には”それ”が見えていたように思う。それもあり、相手の方が理に叶ったサッカーを展開していた。まずは、DFから長いボール、そこからセカンドを拾って、出来るだけ前線に起点を作る、そして、そこから繋いで崩す・・・その作業を繰返されたため、最初の15分は内容的に完敗だった。給水を挟み、何とか1点取ると、その後もその勢いを継続させ、何度か決定的なシーンを迎えたが、勝負の分かれ目となる2点目は奪えなかった。
後半は、相手のサッカーを見習い、スフィーダも長いボールから前線で起点を作るという作業をした。それにより、前半よりも相手エンドに押込める場面が増え、高い位置でプレーすることが叶った。決定機はいくつかあるのだが、さすがに文京学院という感じであった。球際では闘えるし、最終局面では身体を張って守ることも出来る。攻撃も迫力があり、怖い選手が何名もいた。
良い選手が多数いることでチーム力は数年前と比較すれば格段に上がっていた。最終的に2点目を奪ったのは、後半ロスタイム。ミドルシュートが決まり2-0とした。そして、分かれ道の2点目を奪うことで勝利はスフィーダに微笑んだ。
相手は間違いなく素晴らしいチームである。それだけに今は勝てたことに安堵している。とりあえず1つ前進だ。各種年代の全日本女子サッカー選手権大会も含め、今大会もとにかく最優先は”結果”である。だからこそ、その時々のベストの戦術を採用するし、勝てるのであれば、スフィーダのコンセプトと違うサッカーだってやろうと思っている。その日の気候、グラウンド状態、対戦相手などなど、状況によってある程度変化を付けていく必要があれば、変化を付ける。今までは自分達のサッカーを展開することだけを考えてきたが、ここからは次の段階に差し掛かっているのかもしれない。
そういう意味でも、今日という一日の中でベストを尽くしてくれたと思っている。続く準々決勝は、同じ1部リーグに在籍しているフィオーレ武蔵野FC。強いチームであるが、今日という苦しい一日を乗り越えられたのだから、次も乗り越えたいと思っている。