5/25(日) FC駒沢女子 ○5-0(1-0、4-0)
reported by 川邊健一
東京都女子サッカーリーグ第2節は、ここ数年ずっとライバルチームとして切磋琢磨してきた東京都のトップチームであるFC駒沢女子。身体能力を武器にアグレッシブなサッカーを展開する好チームなだけに決して簡単にはいかないゲームになるだろうと予想していた。
また、1部リーグは、今期関東リーグに昇格したチームがあることから全9チームで構成されているため各チームの試合数は全部で8試合だが、スフィーダの前期最終節は本日の第2節までで終了する。前期と後期のバランスは悪いが、よりチームを成熟させられる後期に試合が多いのは好ましいことだ。ただ、このゲームで負けてしまえば雲行きが怪しくなってくるのは事実であり、是が非でも勝利を意識したサッカーを展開することが必要だった。ただ、このゲームに至るまでに、中高生の定期試験の兼ね合いがあり、先週のゲームから一切ボールを触らずに試合を向かえたという選手もいたほど、調整と言う意味では最悪の状態だった。
前半、序盤から相手は激しいプレスでボールを奪いに来ており、中盤の攻防は激しかった。ただ、それを潜り抜け何度も相手の中盤を抜けていくのだが、奪われたら即カウンターを喰らうような展開であり、油断は出来ないゲームだった。また、中盤の作り方や崩し方は目を見張るような連動したシーンもあり悪くなかったと思うが、相手を完全に崩しきるまでには行けないシーンがほとんどであった。ゴール前でシュートを打てるシーンはあるのだが、それでも相手は何とか身体を寄せようと詰めてきていたので冷静にシュートを打たせてもらえるシーンは少なかった。そういう意味では、ハイプレッシャーでのシュート技術が必要であり、また、もっと相手ペナルティーエリア内に侵入できる回数を増やすことが必要だと感じた。
ハーフタイムでは、現段階で修正できること『もっと相手ペナルティーエリア内に侵入できる回数を増やすこと』に焦点を絞り修正した。相手の守備は完全なリトリートでFWからのプレスは来ないものの、中盤で網を張り、そこへ入ったボールに対して激しく奪いに来ていた。よって、サイドのスペースへ流れてもマンツーマンで付かれ、なかなかサイドを使いきれなかった。それが悪循環を呼び、強引な中央突破が目立っていたため、もっと積極的にサイドを使い、相手の守備を広げ、そして、ゴール前に侵入できる回数を増やすことが重要であった。
後半、積極的にサイドのスペースを使えていたか?というと、修正し切れなかった部分もあったが、有効なサイドチェンジから追加点を挙げ、さらにはセットプレーから得点を重ね最終的には5-0と引き離すことが出来た。ただ、セットプレー(FK、CK)から得点を奪えるということは、それだけサイドのゾーン深くまで侵入できているということであり、それが結果的に得点に繋がっていることを考えれば最低限の修正は効いていたのかもしれない。
今考えれば、東京都大会の準決勝でも同じであったが、激しいプレスが来ると決定的な形を作り出せないことが多々ある。そういう意味では、まだまだ技術不足を痛感させられる部分はある。チームの力や個の力は徐々に成長を遂げているが、そうした最終的な詰めの部分に着手していく段階に差し掛かっているのかもしれない。何故なら6月後半より始まる全日本選手権東京都予選に照準を絞る必要があるからだ。その大会で勝つために、たった一つの代表権を得るために、今のチームは調整している。目指している場所がそこなのであれば今ある課題を1つづつ丁寧に修正していくことが必要だろう。今までは相手のハイプレスに対し、数々のチャンスを作る中で2〜3点を奪い、失点は0で、2-0、3-0といった結果で上手く勝ててきた。本来であれば5〜6点取らなければいけない位のチャンスを作ってだ。ようは決定機の数と得点が比例しない状態とでも例えれば分かりやすいのではないだろうか?事実、今回もシュート数は26対6と圧倒的に攻撃の時間が長いにも関わらず、得点は5。約5分の1の確率であれば悪くはないかもしれないが流れの中からの得点が少ないことを踏まえれば、足りないところは多いように思う。
今のところは守備陣が安定し、簡単に失点しないことから勝ててきた。ただ、これから先は攻撃力のあるチームとの対戦も増えるだろうし、自力に勝る相手とのゲームもあるかもしれない。そういう緊迫したゲームを取れるようになる為には、やはり少ないチャンスで勝てる決定力が必要不可欠だと思う。
現段階でも全日本選手権を優勝できる可能性は僅かながらあるのかもしれない。しかし、出来ない可能性も十分にあると思う。だから、残された時間を有効且つ効果的に使い、前進の為の有意義な時間にしなければならない。これからはリーグ戦を一先ず忘れ、先に迫った全日本選手権だけを考えて向上して行きたいと思う。