4/20(日) 欅SC ○8-0(3-0、5-0)
reported by 川邊 健一
東京都女子サッカー大会も決勝トーナメントに入り大詰めを迎えている。現在、ベスト8までが出揃いこれから先はノックアウト式の一発勝負になる。1回戦(準々決勝)は、今期より2部リーグに昇格した欅SC。年齢層的にはスフィーダとよく似たチームである。
本日の目標は、より多い試合数を確保する為に『勝利すること』、そして、『高校生以上の選手達の試合経験確保』の2点である。受験明けの選手、高校生選手の調整、復帰してきた大学生選手の試合経験確保はチームを完成させて行く上で非常に重要になる。今後は中学生選手(4名)と高校生以上の選手の融合という時間になるが、今はスタートから高校生選手以上をスタメンにし、出場時間を確保している。
そうした意味でも今回もスタメンの11名は全員が高校生以上の選手となった。中学生でトップチームに入っている4名の中3選手は、チーム内では非常に重要な役割を与えられるレベルの高い選手達であるが、現在、中学生年代最大の全日本女子ユース(U-15)サッカー選手権大会と平行して今大会が開催されていることもあり、出場時間は制限している。そうした中、始まった前半であるが、今回に関しては、前回のインターセプト戦よりもサイドバックが積極的に上がることで内容的にまずまずのものとなった。もちろん、同世代、いや、相手は中学生も出場していたので下の世代になるため主導権を握れたというのはあると思うが、局面においては速い判断と速いプレースピードで打開することが出来ていたのは良かった。得点の形も悪くなかったが、得点のシーンよりも、得点に至らなかった惜しい場面の方が良い崩しからゴールまでの絵を書けていた。やはり、美しい絵を書くためには、集中力がいる。また、絵を書くには、筆や絵の具といった判断や技術と置き換えて考えられるものが必要不可欠。私は得点やシュートに至るまでの絵に芸術性が必要だと思っている。より芸術的な絵を書けること、それは、簡単な絵を簡単に書けるということでもある。難しいゴールを完成させられることは、それなりの技術が必須である。だからこそ、技術を磨くし、日々のトレーニングを重要視している。だから、私はチャンスを多く演出することが大事だと思っている。もちろん、チャンスを演出しているだけでは勝てないし、この考え方は賛否両論だと思うが、チャンスを自分達の意思で作り出すことは考えている以上に難しい。サッカーを経験したことのある人であれば誰でも分かることだと思う。点を取ることよりもチャンスを作り出すことの方が難しい作業なのだ。難しいことにチャレンジし、自分を追及するからこそレベルは上がっていく・・・そうした中で成長していくことが重要だと信じている。
ハーフタイムには、前半戦で一切声をかけなかったので、メモに書き留めた重要なことだけ伝え後半に臨む。
後半は中学生選手も投入し、更に勢いを増した戦いがしたかった。開始から早々に中学生選手が得点を重ねるが、今回の試合に関しては中学生の運動量が乏しく、内容的に向上したとは言い難かった。しかし、それは前日にU-15選手権大会の初戦を戦い、その後、行われた夜練習にも参加していた。オフシーズンに入り、2部練習なども積極的に行い、自身の身体に鞭を打ち続けてきた結果であるが、この努力の日々が必ず力になって行く。今は先へ続く大会への力を蓄えている。現状だけを見れば疲労が蓄積しプレーレベルは低下しているだろうが、この疲労が力になる。素晴らしい意識の中学生達だと思う。だからこそ、動きの切れの無さについてはとがめることもないし、むしろ評価すらしたいと思っている。ただ、それでも後半だけで前半を上回る5点を奪うことができ、8-0という結果を残すことが出来た。
本日のゲームを思い返してみて改めて思うのは、以前から常々言ってきた前半よりも後半に多くの得点を取るという意識が確立されてきたように思う。勝負がついた点差になって、勝利を確信し勢いを弱めるのは真に強くなろうとするチームの姿勢ではない・・・真に強くなろうと向上心を持つのであれば、どんなに得点が開いても決して勝負を決め付けなければ、勝負を無駄にすることも無い。どんな状況でも、どんな瞬間でもベストを尽くそうとするはずである。だからこそ、例えば前半5-0、後半0-0というスコアは認められない。もし、そうであれば力を抜いたということであり、それは自身の成長を放棄したことに他ならない。才能は全力を尽くさない限り伸びることは無い・・・今ではスフィーダの合言葉的なものになっているが選手達がそれを表現し続けていることは良い流れだと思っている。
本日も勝つことが出来、準決勝に進むことが出来た。これでまた1つ試合を経験できることになる。これは非常に嬉しいことだ。今のチームは調整期間であるため試合数の確保は連携面の向上を促す上で重要だ。次は飛鳥高校との一戦になるが、全力を尽くし決勝戦に進むことを考えたい。何故なら今期は勝利を目指せるチーム作りもトップチームの大きなテーマであるからである。勝負にこだわり、勝利を目指すという競技スポーツの側面を押し出した考え方で戦って行きたいと思う。