4/15(日) 日本女子体育大学
report by 川辺
決勝トーナメント1回戦は我々と同様にワイルドカードで上がってきた日本女子体育大学であった。今回は早稲田大学東伏見Gでの対戦であり、今までの会場とは打って変わって人工芝の最高のコンディションであった。
前半、相手は昨年度対戦した時よりもチーム力に向上が見られ思っていたよりも苦戦を強いられたように思う。しかし、主導権は握り続けており劣勢な試合展開とは言い難いものだった。得点の匂いは常に感じられるもので特に序盤はいつ先制点が産まれてもおかしくは無い戦況であった。もちろん相手の攻撃も危険なエリアを目指してくるが本当の危機的状況に陥る事は少なく、失点の危険性は薄いと感じていた。しかし、その矢先、こちらの技術不足と危機感の欠如から失点を許す事になった。ただ、失点した時間帯が前半10分過ぎであったため焦るような時間帯ではなく、むしろ危機感を目覚めさせてくれた良い失点だったと思う。その後、すぐに右サイドを崩しクロスから得点を奪うと1-1で前半を折り返す事ができた。特に序盤は連携面でも良かったのだが、徐々に相手のマークが我々の攻撃を予測し始めるとこちらの技術不足からボールを動かす事が出来なくなり単調な攻撃に終始した感は否めない。これが新チームの課題であるとも言える。
後半、ハーフタイムで指示した”遠いところを見る”ということが実践できずに前半と同じ単調な攻撃を繰り返し相手の網に引っかかる事が多かった。それに伴いリズムを掴みきる事が出来なかったが、それでも技術で勝る事が出来ていたことで勝利を手繰り寄せる事が出来た。体格面、パワー面では明らかに相手より劣っており技術を粉砕されていた部分もあるが、この日も前日のフィジカルトレーニングでコンディション不良の中戦えていた。それを差し引けば現段階では充分な出来なのかもしれない。1-1でゲームが推移し延長戦も視野に入れなければいけない時間帯に差し掛かっていたが、どういうわけか延長戦を考えることは一切無かった。結果論に過ぎないが不思議なもので勝利をどこかで予期する事が出来ていたのかもしれない。今までの経験上、こうした感覚の時は大体予想通りの結果に結び付くものだ。結局、終了10分前にコーナーキックから中2のDF選手が流し込み2-1としたことで勝負を決定付け準決勝へと駒を進めることが出来た。
現在、チームは何度も掲載してきたように新チームへ移行し立て直している段階だ。ここに至るまでの6年間で結果、内容共に充実したものを残す事が出来てきた。そのスフィーダを築き上げてきた選手達を中心とする世代が引退し、始めて世代交代を果たしたわけであるが6年前にチームを始めた時はこれほど質の高い選手達の集まりとは言えない集団であったと言える。全てにおいて今よりも劣ると言っても良いだろう。しかし、それらの選手達は誠心誠意自分自身と向き合い真の努力を重ねてきた。その結果として、昨年までの数々の結果を残し、結果を残す事で優秀な選手達がスフィーダへの入部を決意してくれる。今ではセレクションをしなければならないほど需要が多いが、それも全ては第一期生選手達の努力の賜物であり、第一期生選手達が残してくれたスフィーダの財産だと心から思っている。再スタートの時期で強力な戦力を持つチームと難なく戦えるのは素晴らしい事なのかもしれない。少なくとも世代交代して今ほど戦えるとは少し前では考えられなかった。しかし、このチームは新チーム故に昨年以上に未熟な部分が多いのは確か。それでもこの新チームに大きな可能性を感じるし、すぐに越えなければいけないと思っている。それが今のスフィーダを築き上げてくれた選手達への礼儀だと信じたい。
まだまだ未熟な集団ではあるが、このチームはこのチームで昨年までのスフィーダとは一味違うサッカーを見せてくれる。むしろこちらの方が私の理想とするチームに近いとも思う。年齢層も一気に若返ったが、若さを逆に武器に闘える様なアグレッシブなサッカーを展開できればと思っている。
次戦の準決勝は今までよりもワンランク上のPAFとの一戦。過去の対戦成績は1勝1敗であるが、この新チームがどこまで食らい付けるのか今から楽しみだ。ここまでは試合の前日でも走り込ませ選手を追い込んできたが、現段階でPAFレベルの相手とどこまで出来るのか確認するためにもコンディションを調整し万全の状態で挑みたいと思っている。シーズン中の一戦という位置付けで戦いたい。キャプテンが本ゲームで負傷しPAF戦には到底間に合いそうにないが、1ヶ月以上怪我人で悩まされベストの布陣(現段階)で戦えていないことを逆に楽しみたい。今は誰にでもチャンスはある。
モチベーション+野心+努力=成功
という方程式は誰にでも当てはまるものだと考えてもらいたい。