8/27(日) 日テレ・メニーナ
reported by 川辺
決勝戦は昨年の全国チャンピオンの日テレ・メニーナとの一戦。相手は全てのスキルが日本のトップレベルにあると言って間違いない。そのような相手が決勝戦の相手であり、日本のトップレベルを体感できる数少ないチャンスとも考えられた。しかし、やる以上は少ない可能性であったとしても、それを追求する必要があり、それが決勝戦という限られたチームしか戦えない場所にいる義務だとも考えている。鼻から負けを認め、相手を恐れるのであれば戦う意味が無い。ここまで辿り着き、当面の目標として掲げていた関東大会出場権を得たからといって、これで終わりではない。戦いはまだ始まりにすら達していない。私達のスタートラインは関東大会の準決勝・・・あそこの舞台に舞い戻り、初めて新たな舞台を目標に戦うことが出来る。私はこの1年間ずっとそう考えていた。だからこそ、ここも越えなければいけない重要な試合であり、どういう形にしても勝利を手にし東京都第一代表の権利を取ろうと努力しなければならなかった。それが出来るかどうかではなく、それを目指し戦わない限り、相手の高い技術力に完璧にやられると確信していた。
勝利を目指すにあたり、私が選択したのは守備的な陣形からカウンターアタックを狙うというもの。先日の準決勝から4名のスターティングメンバーを入れ替え、システムも変更した。正直、直前まで迷った。今の状態でどこまで戦えるのか?その確認をしたかったということもあれば、その反面、まともに戦えば勝てる可能性が少ないと考える自分もいた。そこで最終的に決断したのが守りきれるところまで守り、2失点したら本来の形に戻し戦うというもの。何故ならばメニーナを相手に得点できるMAXの数は2得点、どうやっても3得点は出来ないと考えていたので、2失点したら同点を目指して戦おうと思ったからだ。しかし、相手は私の想像を超えるスピードで、それに凌駕されることになる。前日までの相手にはスピード・パワー・技術といった面で本日のようなキレは無かったように写っていた。しかし、相手のホームグラウンドもあってのことか前日までのチームとは少なからず違う部分が存在したように思う。また守備的な陣形を取って戦ったことも結果論ではあるが良くなかったように思う。普段から守備的な陣形をトレーニングしているチームなどないはずだ。それは私達にも言える事。付け焼刃の守備ではどうにもならなかった。開始から付いていく事にやっとであり、失点は時間の問題だということがすぐに読み取れた。開始から15分後には2失点し、ここで本来のスタイルに切り替え得点を目指して戦うことを選択したが、後手後手の対応となってしまった。もし、もう少し踏ん張れていたら相手のスピードに慣れ始め、違う展開も出来たかもしれないが、今回は相手の技術力に屈したと言って良い。そんな中、間違いなく言えるのは守備的な陣形よりも本来の攻撃的なスタイルの方がメニーナと戦えていたと言う事。メニーナは全ての能力が卓越している為、決定機を演出することすら簡単ではない。そういう状況に持ち込めるチームは稀だと言って良い。それを考えるとスタイルを戻してからは何度かの決定機も演出出来たし、得点出来てもおかしくないような紙一重のシーンもあり、確実に力を付けてきているのだという自信にはなった。
後半に入り、守備陣を攻撃的な選手達へと切り替えた。どうしても得点が欲しかったからだ。しかし、相手のスピード・技術に慣れていないDFを2名も同時に投入したこと、攻撃的に戦いたいということから最終ラインを押し上げた戦術を取らせたこと、で何度と無くその裏を付かれて失点を繰返してしまった。連続して5失点、0-7にまで差を広げられてしまったことで完全に息の根を止められた。しかし、それでも選手達は闘志を失うことなく、単純に目の前の相手と戦い続けることが出来ていた。その証拠として5本のワンタッチパスを繋ぎ相手を崩して得点できたこと、最後まで走りきろうとしていたことが挙げられる。数名の選手は日本チャンピオンを相手に戦うことが出来ていた、しかし、数名では勝つことは難しい。少なくとも半数の選手が対等、もしくは対等に近い状態で戦えるようにならない限り、勝利を手に入れることは難しい。戦い方によっては今回のような点差にならない可能性もあっただけに私の選択した戦術・システム・交代のタイミングなどにミスがあったと認めざるを得ない。私は良かれと思って選択したものであったが関東大会で今回のようなミスは許されない。この敗戦をポジティブに捉えるのであれば、東京都予選の決勝でよかったと思うしかない。結果的に大敗ではあったが、それでもこのチームの潜在能力の高さを垣間見れるシーンもあり、一概にこの結果を否定することだけに固執する必要はないと思う。違う角度から見れば結果以上に面白いゲームだったようにも思う。こう感じているのは私だけだろうか・・・??きっと同じように感じてくれている方がいると思う。
これで関東大会には東京都第二代表として参加することが決まった。とりあえず関東大会への切符を掴めた事に安堵している。が、それ以上に『次こそは何としても全国大会にしがみ付きたい』という野望の方が格段に強い。これは選手達とて同じことだ。昨年はチーム初の関東大会出場を決めたことで満足していた選手が多かった。多かったというよりも全員がそうだった。ただ、私の目標はそんなところにはなく、関東大会出場に満足している選手達に激しく怒りをぶつけた事を覚えている。『今の状態であれば絶対に関東大会で負ける、全国には行けない』と話したが、その言葉の通り、関東大会にて全国大会を目前に負けてしまった。昨年は『関東、関東・・・』と言っていたものが、今回は大会前から『全国、全国・・・』となっている。目標は高くなければ意味が無い。だから、私は日本一を目標に掲げているし、そこを目指さない限り、そこに近付くことは絶対に出来ないと考えている。全国大会出場を目標にしているのであれば関東大会で負けるだろう。だから、常に高いところだけを見て歩んで行きたい。頂点を目指すからこそ勝負の世界には意味がある。頂点を目指さないのであれば勝者・敗者の出る勝負の世界に身を投じる必要が無い。仮にそれが出来ないのであれば、この世界から降りるべきだ。厳しいかもしれないが、それが勝負の世界であり、それが東京都代表の権利を得たチームの義務だと思う。勝つことに固執することはないし、選手の育成が全てだと考えるが、それは時と場合によるし、ここからの育成は勝利を目指していくことで得ていくことの出来るもののような気がする。だからこそ今は勝利だけを考えて、どうすれば勝てるのか?どうすれば目標を達成できるのか?ということだけを考えている。そして、それが私に課せられた使命だと思う。
関東大会はより厳しい戦いが待っていることは間違いない。間違いなく全国大会への出場権を得ることすら困難なことだ。しかし、関東大会に向けて出来ること、やらねばならぬこと、を丁寧に見直し万全の状態で挑めるよう最高の準備・調整をして行きたいと思っている。今回の敗戦も含めて全ては全国制覇という目標の為に全てを力へと代えて行きたい。
今大会も多くの方々に後押しされ私達は目標への第一ステップをクリアーすることが出来ました。最後も勝利を目指して戦いましたが、大敗という結果に終わりました。これを力に代えていくことが今後の課題だと感じています。多くの応援、そして、多くの差し入れ等で選手をサポートして下さった関係者の方々には感謝しております。この恩返しとして、何とか岡山県(全国大会開催地)へお連れしたいと思っていますので、関東大会でも熱い応援と選手達のサポートをお願い致します。きっと岡山へお連れ致します。