8/13(日) 欅SC

reported by 川辺

全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権大会東京都予選が遂に開幕した。昨年、この大会の関東大会で全国大会を目前に負けてから、ずっとこの時を待っていた。この大会で全国大会へ出場すること、日本一を目指して戦うことが今のモチベーションとなっている。但し、毎度のことながらここまで順調に来たわけでもない。過去最強チームと言えるだけの力を得ることは出来ていたが、様々な諸事情により今大会前に25名というメンバーから4名の選手の離脱を余儀なくされた。そのうち主力選手として活躍していた選手は3名・・・ベストな状態でこの時を迎えられなかったことは非常に残念ではあるが、大きな問題はない。何故ならスフィーダにはそれを補うだけの充分な戦力と優れた選手達がいるからだ。昨年の関東大会では主力選手3名の怪我でベストな状態で戦えなく、どこかチームには敗戦を受け入れ難い雰囲気があったことは否定できない。しかし、そこで出た課題とは『主力選手が抜けても変わらないチーム力』を得るということ。そういう意味では完璧にクリアー出来たと思っている。多くの選手が育ち、たくましく成長した。1年前のスフィーダとは全く異なった質を持てるだけのチームになれたと思っている。主力選手3名の離脱は痛いことであるが、それも含めてチーム力だということを私達は理解している。全てはその時々に変動するチームの状況に合わせて戦わなくてはいけない、現状の力がスフィーダのベストだと思っている。そこに言い訳はあってはならない。
その開幕戦に当たる初戦は3部リーグに所属する欅SCであった。他のカテゴリーに当たるスフィーダU-18は7月に行われた対欅SCで0-3という敗戦を喫していた。その敵討ちという意味もあったが全ては我々が1つでも上へ駒を進める為の試合ということに違いない。トーナメント式の大会ということで絶対に負けられない試合が続くが、ここでの敗戦は今までの準備を無へと変えてしまう。だからこそ、どんなに力の差があろうが、何でだろうが終始100%の力を出し続けるしかない。勝つことでしか自分達の存在価値が見出せないのであればそれでも良い、存在価値を見出すために戦うことも悪くはない。勝利至上主義と言われようが、我々には勝ち進むことしか考えられない。それだけこの大会に照準を合わせて準備してきた。
前半は中盤で数的優位な状況を作れなく、なかなか思ったような攻撃が出来なかった。得点シーンには綺麗なものも存在したが、少なくとも私達の狙っていたようなサッカーは皆無に等しいと言えるだろう。見応えの薄い内容だったように思う。結果的に5点取れたが1失点したことは大きな問題としてチームが抱えなければいけない問題だ。但し、4点目以降、システムを代えると徐々に良い流れからの攻撃が見られるようになって来ていた。
後半に入るにあたり2名の新戦力を投入したが、それが非常にうまくいった。2名ともチームに感性と破壊力を与え、急激にサッカーの質は上がったと言っていいだろう。この年代のレベルであれば普通メンバー交代をすると流れが悪くなることの方が多い。しかし、それらの選手達がチームの質を上げてくれたことに大きな自信を持つことが出来た。皆、自分がレギュラーになることに精一杯かもしれないが、その健全な争いの中から良い選手が多く育ってくる。前から言っていることではあるが、良い選手を育てるのは環境だ。指導者ではない。指導者はあくまでもその環境の中の一部であり主役ではない。良い環境(仲間)があるからこそ、良い選手が続々と育ってくる。そういう意味では今のスフィーダは理想系にまた1つ近付いたチームだと言えるだろう。最終的に後半には7得点を奪い合計12-1で初戦を快勝する事ができた。これも前々から言っていることであるが、真に強いチームは勝負が付いた時でも力を緩めることはない。力があるからこそ攻め続けられるのだと思う。それはサッカーの技術ではなく、技術を超越したメンタル的な要素が全てを握っている。後半に7得点を奪うことが出来たのは相手が諦めたとも言えるが、諦めたときにどれだけ追い討ちをかけられるかが重要なのだと信じている。だからこそ、7得点出来たことは評価に値する。内容は別にして戦う闘志が産んだ得点達だと思っている。
まずは初戦を快勝という結果で突破できたことに安心している。どんな時にでもどんな相手にでも一瞬でも油断が許されないのがノックアウト式の大会だ。終始、集中し全力を注ぎ込めることが何よりも重要だと思う。我々はシードであった為、2回戦からのスタートであった。従って、すでにベスト8まで駒を進めている。次戦は先週対戦している立川FCであるが、きっと我々に良い結果が待っているだろう。何故ならこの1週間で更に成長したのは我々だからだ。少ない時間の中でも成長できる、大会期間中であっても成長しなければならない、、、それが目標達成に必要不可欠な要素だ。我々は更に成長し、更なる飛躍を果たせる可能性を秘めている。今はその可能性にどうやってアプローチするかを考えたい。0.1%でも、たった少しでも私達はその可能性を追求し続けることでしか先を見ることが出来ない。だからこそ次戦の立川戦が楽しみだ。

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