7/2(日) 文京学院大学女子中学高校

reported by 川辺

全日本女子サッカー選手権大会が始まった。我々はシードチームであったため、2回戦からの参戦になり、その2回戦の相手は日頃よりお世話になっているチームであった。高校界では常に上位に位置し、コンスタントに力を発揮している素晴らしいチームである。
私達の今大会における目標はただ1つ。昨年は3位入賞を果たした同大会において優勝というステップアップを果たすこと、それはすなわち関東大会への出場権を得ることを意味する。但し、このプロジェクトは極めて困難なものである。まず、関東大会へ行けるのはたったの1チームのみ、そして、今大会にも間違いなく優勝候補No.1の早稲田大学ア式蹴球部が参戦している。昨年の同大会では優勝を果たし、関東大会、全国大会へと駒を進め、更には日本大学チャンピオンという顔も持ち合わせる日本サッカー界屈指のチームが出場している。また、日本最大の大会ということで東京都予選とは言え、参戦してくるチームはどこも腕に自信のあるチームばかりだ。ここを勝ち上がっていくことは技術・戦術・力、そして、運を引き寄せることも重要な要素となる。
チームはここ2ヶ月弱の期間で試合をしておらず、どこまで試合勘が衰えているのか多少の不安要素があった。だが、ここまでのトレーニングには自信があり、チームは良い状態になってきたと言える。相手は非常に強いチームなので今の状態であれば苦戦は必至であったが、まずは今の自分達のコンディショニングがどうなって来ているのか確認することが大事だった。
試合は開始直後から幾度となく相手守備陣を混乱させたが、さすがに高校のチームということもあり最後の局面で粘られてしまう。また、前線には身体能力に優れた選手を4枚並べたが、縦が狭く、その個性を発揮するような戦い方は出来なかった。ただ、前半の15分頃までは確認したかった部分を確認できるシーンもあり、まずまず納得の出来るものだった。ただ、得点機を逃しすぎてしまったという戦況だった。その後も自分達のトレーニングしてきた形から得点が奪えないことで徐々にリズムを失い始め、また相手も我々の攻撃に慣れ始め、押し込んでいるもののどこか動きの無いゲームになってしまった。
後半に入り、次々と交代要員をピッチへ送り出し、最終的には交代枠の5名を使いきった。フレッシュな選手を送り込むことで高校チームとのフィジカルの差を埋めようと考えていたが、それでも相手の方が走れるチームだった。終盤には蒸し暑さから動けなくなる選手が増え始め、相手のスピードのあるFWに同点弾を決められてしまう。総合的な力に差があるため第三者的には優勢に写った内容かもしれないが、前半15分以降から動きの無い展開に変化が無く、PK戦への可能性も否定できなかった。いつかは得点を取れると信じていたが、ここで勝てなければ次が無いので正GKをピッチへ送り出し勝つことを第一優先に考えた布陣へ変更した。結果として個人技で得点を奪い2-1で勝利で締め括る事が出来たが、非常に苦しい戦いであったと言っていい。やはり、相手は良いチームだった。そして、私達の前半15分以降の戦ぶりに動きが無さ過ぎた。
今回のゲームは2ヶ月弱ぶりの試合であったため、やはり、試合勘に鈍さを感じる内容であった。もっと言えば試合勘の鈍さから非常に難しい試合になってしまった。ただ、私の見たいと思っていた部分は確認できたので、そういう意味では収穫のあった試合だったと振り返ることが出来る。まず、今大会に抜擢したU-15の中2選手が個性を存分に発揮してくれチームに新たな可能性を感じさせてくれたということ。これはトップチームの1つの武器になることを確信した。そして、ここ最近で自分の壁を乗り越えた高3選手の個人技は最初から最後まで相手の守備陣を混乱させることが出来ていた。この2人のプレーヤーに関しては納得できる部分として印象に残ったが、その他の部分ではまだまだ調整不足な所を露呈した形となってしまった。確かに全体的な動きが少なく、私達のサッカーというよりは相手主導のサッカーだったように感じているが、それに大きな問題は感じていない。サッカーの技術、戦術はチームとして向上していることは間違いないし、トレーニングではそれが出来るようになって来ているという感触を得れているので、あとは対戦チームに対しそれを発揮できるかと言うことだけだ。少しの差で点差もサッカーも大きく変化する。このチームは大量得点を奪い快勝という結果を導き出せるチームだと思う。その第一ステップとして2回戦を突破したことは評価している。ただ、それを支えるメンタリティーには疑問を感じてしまうことが多々ある。私の要求が高いだけなのかもしれないが、だからと言って妥協するつもりも無い。もっと誇らしく、気高く戦うチームを見てみたい。それだけのことを出来るチーム、それだけのことを出来る選手達は揃っている。どんなに技術が高くても戦う闘志のないチームに強さは無い。スフィーダのプライドと自覚を胸に秘め次の1戦も全力で向かって行きたい。

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