4/2(日) 小平SC

reported by 川辺

東京都女子サッカー大会予選リーグ第3節は今期より1部リーグに戻ってきた小平SC。今大会では共に予選第1節、第2節を勝利し、この第3節の直接対決で勝った方が決勝トーナメントに進出できるという状況であった。得失点差では負けていたので引き分けすら許されない状態であった。相手はベテランチームであり、サッカーに関する知識や経験は我々より1枚も2枚も上手。従って、我々はこのゲームに関しても強い危機感を持ちゲームに挑んだ。
相手は力のあるチーム。技術もパワーも基本的な連携面でも能力は高い。しかし、前半開始からその能力を越え、相手を抑え込む事が出来ていた。力のあるチームではあったが、それを抑え込めるだけの力を得ているんだという感覚は残った。しかし、毎度のことに決定機を度々逃し、なかなか先制点を奪えなかった。そんな中、完全なミスで失点を喫することになる。その直接的な原因を呼び込んでしまったDFは、問題のプレーの直前に素晴らしいクロスを供給し、先制点を呼び込めるようなプレーを見せた。しかし、運悪くたった1回のクリアーミスを相手に拾われ1失点。たまたま得点には結びつかなかったことで得点という記録を残すことが出来ず、たまたまミスしたプレーで1失点という記録を残してしまった。本人にとっては辛いプレーだったと思う。攻めるつもりもないし、本人は普段から素晴らしいプレーでチームに貢献しているので、これを私やチームメイトも攻めることはない。ただ、どのDFにも言える事であるが、そのような責任を持つこともDFの役割だと言える。攻撃陣は何度失敗しても1点を奪えばOKとされ、守備陣はたった1回のミスでチームの勝敗を左右してしまう。割に合わないがそれだけ重要なポジションということだ。サッカーは自己犠牲のスポーツであるが、どれだけチームの為に自分を捧げられるか?そういう部分をDFは背負って戦っている、一番タフでなければDFは務まらないが、一番タフであるからこそDFなのかもしれない。話を戻すがチームはそのまま得点機を活かすことが出来なかった。試合時間が50分の為、時間が短すぎるということもあるが、0-1で前半を終えたのは良い状態ではないと言えた。
ハーフタイムに入り選手達に伝えたことは1つ。『負けることは絶対にない、最終的には我々が勝つだろう』そして、加えて一言『但し、それは君達が全力で戦ってくれるかどうかということに懸っている』ということ。
後半に入り、前線の布陣を今まで戦ってきたものに戻すことを選択した。両サイドのスピード、破壊力は抜群に上がるはずではあったが、本当であれば追い込まれてから戻すことはしたくなかった。主導権を握った状態の中で余裕のあるシステム変更が出来れば良かった。だが、この交代に伴い前線からの守備で、後半開始直後に同点弾を決めることに成功。非常にスピーディーで理想系の得点だったと言える。この試合は非常に落ち着かないゲームになった。ボール長い時間ポゼッションすることが出来ず、長いボールの多いゲーム・・・短いパスと長いパスのバランスが極めて悪く、自分達の流れにすることが難しかった。しかし、それは相手にも言えることである。相手はショートパスを主体とした連携の取れた上手いチームという印象があった。しかし、このゲームに関してはその片鱗を見せることが少なかった。つまり相手がやりたいサッカーをやらせず、形を破った戦い方にさせられたのではないか?ということ。ロングボールの放り込みに終始した辺りを見ると我々のプレッシングに苦しんでいたのだろう。しかし、それは私達にも言えること。相手は最終ラインを高く上げ、素早いプレッシャーをかけてきた。そうなれば裏へ抜け出せるような浮き球のパスを出せれば良かったが、50分のゲームということ、若干狭いグラウンドということもあり、プレッシャーをかけ続けることができたのだろう。コンパクトフィールドの中でミスなく繋げていくことが出来なかったのは我々の技術不足が招くものであったが、MFへの新たな課題が選手達を混乱させていたことも1つの原因になっていたと思う。今後の課題としてはまず自分達の中盤での連携を確立することになる。お互いに自分達のやりたいサッカーは出来なかったが、それでもそのような中で押し込み数々のチャンスを作れたこと、もっと言えば競り勝てたということは底力で上回っていたからということになる。決勝点も何度も押し込んだことで得たコーナーキックであったが、それも押し込み続けた結果だ。数あるコーナーキックの中で1つ入ったということに過ぎない。結局、2-1で逆転勝ちし決勝トーナメントへ進出することが出来た。
この試合はプラン通りに進めることが出来なかったこともあり、簡単な試合ではなかった。失点をするなら崩されることよりもミスからのものを考えていた。従って、想定内の事故と言えるが、短い時間のゲームでは先制点が重要な意味を持つ。明らかに先制点を奪える流れで、失点を許したことは苦しいゲームになる要因になった。更には自分達のサッカーが出来なかったことも1つの要因だった。総合的に考えて、今回は相手の思惑通りに進んだゲームだった。私達の流れではなかった。相手が自分達の型を破って戦ってきた勝利に対する貪欲な姿勢に苦しんだゲームだったと思う。ただ、それでも苦しいなりに勝利し決勝トーナメントへ進出できた。スフィーダはもっと出来るチームであるし、私達がオフシーズンに培った力はこんなものではない。まだシーズンインしたばかりなのでチーム戦術などには一切着手していない状態である。チーム状態が最高潮にあるわけではないが、それでもこの大会では優勝を果たさなければならない。それが私の求めるチームへの使命だ。

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