3/21(火) ラガッツァFC

reported by 川辺

少し早いが遂に2006年度が始まった。この大会が毎年スフィーダのシーズンインと位置付けている大会である。この本番を迎えるまでにいくつかの試合を消化してきたが、どれも内容的には成長の伺える側面を持ち合わせたゲームだった。数日前に『今大会を戦っていく中で自分達がどれだけ成長してきたか感じることが出来るだろう』と選手達に伝えていたが、それとは正反対の内容となってしまった。公式戦という場で自分達の成長の証を残すことは非常に重要なことだと思っていたが、今回に関しては明らかに自分達自身に負けてしまった。それには様々な要因があり、ここでは書き記すことが出来ないこともあるが、簡単に言えば自分達に過信した内容となってしまった。
前半、開始直後こそ自分達のリズムでゲームは展開されていた。相手は縦に速く、ボールを奪ったらすぐに背後を狙うサッカーを徹底していたので最終ラインまでボールが来ることがあっても怖さは少なかった。先制点まで少し時間がかかったが、それでも負けることは考えていなかった。ただ、ボールを持てる時間が長くても最終的なフィニッシュまで行ける回数が少なかったことに問題意識は感じていた。その後、連携のミスを付かれ失点するとそこから一気にペースを乱すことになる。相手は素早いプレスと縦に速いサッカーというシンプルなスタイルであったが、勢いに乗せてしまった相手はなかなかに手強く、また、我々もミスを恐れた消極的なサッカーを展開してしまうことになった。常に優勢ではあるものの、どこか危なく、楽観しできる感じではなかった。
後半に入り、ハーフタイムで指摘したことを意識したサッカーになりつつあった。修正の難しい問題ではなかったので少しづつ我に返る選手がいたが、それでもここまでの成果を垣間見るシーンは皆無に等しい。苛立ちの募る内容となったが、それでも自力の差が出て2得点し結果的には3-1で勝つことが出来た。
試合開始前に選手達に話したこと、それは『真の強さを持つチームは勝敗が決まったとしても決して攻撃を緩めず攻め立てる、勝敗が決まるスコアに開いたからといって攻撃を緩めるのは弱いチームのすることだ』ということ。真の強さを手に入れるにはサッカーの技術を超越した己自身と向き合える強靭な精神力が必要だと思う。これは技術が高い、低いというレベルで語れることではない。そういう意味では、まだまだ未熟のチームが天狗状態に陥ってしまったのだから大きな問題として考えていかなくてはならない。サッカーに限らず全ての物事において自分の力を出しきるのは簡単なことではない。サッカーに関して言うのであれば相手があってのスポーツであることからも伺えるように、確かに勝敗が読める点差に開くことがある。その時に緩めるということは自分自身の成長を自ら止めることと同じであり、自分を見失ったことと同じだ。チームの力、技術が高いかどうかは別にして『真の強さ』を手に入れたいのであれば今のままでは難しい。選手達の技術は確かに向上したと思う。しかし、その技術を支えるもの・・・それは間違いなく個々の意識、だからこそ、悪い時は悪いと言うし、どんなに小さなことでも見過ごさずに向き合いたいと考えている。
今回の試合では点差が読めるほどの点差に開くことはなかったが、私が伝えたいのはどんな時でも全力で戦えるチームであってもらいたいということである。相手が強ければ良いゲームをする。それで得た結果で過信し我をも見失う・・・。私達の敵は相手うんぬんではない。間違いなく己自身だ。本当に大きなことを成し遂げようとしているのであれば今のままでは難しい。今回の試合で明らかな問題を再認識させられ、残ったのは危機感のみ。しかし、これも前向きに捉えたい。初戦の入り方が悪いのは毎度のことであるが、試合後に1時間半もかけて話し合い、新たに決めた約束事を実行していくと言った選手達を信じてみたい。サッカーの技術のズレを減らす作業よりは明らかに簡単であり、また、成果を感じ取りやすいものでもある。選手個々の意識で簡単に修正出来ること。それを次の予選リーグ第2節で見せてくれることを期待したい。

試合結果に戻る