10/16(日) 17多摩SC
reported by 川辺
東京都女子サッカーリーグ1部リーグの第4節は昨年度2部リーグから昇格してきた17多摩SC試合であった。相手は社会人から中学生まで幅広い世代が在籍している経験豊富な伝統あるチーム。過去、スフィーダが2部リーグに在籍した1年間の間に1度だけ対戦経験のある相手。1度対戦した経験はあるが、2年以上前の話になるので全く参考にはならなかった。
私達は相手がどうのこうのというよりも関東大会で得た修正点を意識した戦い方と怪我で失っている選手達が不在でもそれを補うチーム力を得ることという2点が大きなテーマだった。これまで私達は1部リーグが最も重要な試合と考えてきたが、先週の関東大会で全国大会を目前にして消えたということから、目標の設定が変わってきてはいた。1部リーグが重要な場ということには変わりはないが、あくまでもチームを全国大会に導き日本一を目指していくというのが最大の目標に変わったのは事実。東京都予選、関東大会で勝利することを考えた時に、まず勝てるチームを作っていくというのが大前提となる。勝てるチームとは何か?となった時に、まず最初に考えるべきことは今回の関東大会での二の舞にならないこと。目標の直前まで迫っただけに何が必要なのかはわかっている。どんな状態に陥っても戦えるチームが必要だということ、そして、大会で浮き彫りになった個々のスキルの修正と向上が必要だということ。チームと個々の修正さえ出来れば来期の大会は絶対に戦い抜けるはずだ。その目標を達成する為に私は1年間という長い時間をかけてチームを成熟させていくことにした。この1部リーグは非常に大事なリーグであるし、このリーグがあるからこそ今のスフィーダがある。だから、決して軽視しているわけではないが、この高いレベルの戦いでメンバーを固定して戦うのではなく、多くの選手達に体験させ、その中から戦える選手を育てることによりチームは着実にステップアップして行くと考えている。だから、今回の試合でも関東大会では出場機の少なかった選手、また、関東大会にメンバー入りしていなかった選手など多くの新戦力を試した。また、中1の若い選手達も2名をスターティングメンバーに加え、新しい布陣のスフィーダとも言えるべき形を採用した。
前半、不慣れなポジションや不慣れな顔ぶれから連携面に若干のズレが生じたこともあり、崩せることは崩せるものの、どこかチームとしての連帯感はなく細かいミスが目立っていた。また、選手の意識にも個人差があり、それぞれがそれぞれで戦っているという印象が強かった。チームとしてどうのこうのという戦い方はほとんどなかったと言える。選手達同士の中で互いの個性を把握しきれていないという印象が強い。しかし、それもそのはずでサイドプレーヤーの4枚は、ここまでトップチームとしてはあまり出場機に恵まれなかった選手達や1部リーグデビュー戦の選手もいたからだ。最初は誰でも戸惑うし、大人との対戦は経験が物を言う部分が強い。だから、それに関しては長い目で見ていこうと決めている。流れが悪かったので得点の期待感は薄く、無難に0-0という結果で折り返すこととなる。
ハーフタイムでは、もっと個々が判断するように話した。判断のミスが技術のミスを招き、ミスが自分達の首を絞めてしまうような軽視できないものもあった。結局、チームとしての問題も抱えているものの、それよりも個々の部分を修正しない限り、チームとして戦うことは不可能だと話した。また、選手個々が正しい判断さえ出来ていれば、その時、その場に適したサッカーを選択できるはずであり、それが改善されない限り、今のチームに先は見えてこないと思う。今日の試合で私がハーフタイム中で出来ること、それはチームの判断力を上げるために新戦力を投入することが1つ。また、それを結果として示し、それがどれだけ重要なことなのかを選手達に理解させられるか?ということだった。従って、後半に入りる前に4名の選手を一度に投入し、関東大会で戦っていた状態に近い形に戻した。
後半、チームは自分達の戦い方を取り戻し開始10分で4得点した。選手達が慣れたポジション、慣れたメンバー構成になったからということが全てだったが、もしも、この後半のメンバーがスフィーダのベストメンバーだと考え、前半のメンバーが関東大会のように怪我人で相次ぐ離脱を強いられたメンバーだとしたら、この差は現段階では大きい。結局、スフィーダはそういう部分でチームとして戦えず関東大会敗退という辛い結果を突きつけられたわけだから、時間がかかってもこの差を埋めていく必要性がある。もしかしたら来年は怪我人が出ないかもしれない。でも、出るかもしれない。ベストな布陣が組めなかったら・・・ということに固執するつもりはないが、私は最悪の事態を常に考えておく必要があるということを関東大会で学んだ。多分、大丈夫だろう・・・という軽率な考えはなくさなければならない。結局、その後も得点を重ね7-0という大差で勝つことは出来たが、多くの課題は残った。まず、前半と後半の差を埋めること、そして、後半で7得点出来たと言っても個々の総合的なレベルはまだまだ低い。本当にレベルの高いチームであれば、もっと多くの得点を奪えていたかもしれないし、このレベルでは関東大会では通用しないということも分かっている。自分達の目指すべき部分が高くなったことにより要求も高くなるが、要求が高くなる分、選手達の上達も早くなるはずだ。もっとも選手達が付いて来られなければ意味はないが、選手達はその高き目標を現実的に捉え、それが目標達成に必要だと感じていると思う。だからこそ今回の試合で出た課題をしっかりと整理し、次の試合に繋げていく必要があると強く感じた試合だった。