10/2(日) 宇都宮文星女子高等学校(栃木県第1代表)

reported by 川辺

関東大会2戦目は栃木県第一代表の宇都宮文星女子高等学校。現在はベスト8の状態であるが今季最大の目標である全国大会へ出場するためには残り2試合を勝つことが最低条件になっている。相手のことは1回戦の戦いをビデオでチェックしていたので大よそのことは把握できていたが、文星女子高校の1回戦の結果は13-0ということからも分かるようにハーフコートゲームだっただけに全てを把握できていたわけではない。相手からは非常に上手い印象を受け、前線の選手達の個人技は高いレベルにあると思っていた。しかし、私達のチームにも優秀な選手はたくさんいる。確かに主力選手が相次いで離脱していく中、それでも普段と同じだけの力を発揮することは難しい。ただ、だからと言って何かが変わるわけでもない。勝たなければいけないというお互いの目標に変化はないし、内容がどうであれ勝つことでしか先は見えてこない。非常に難しい状態ではあるものの、何とか来週の準決勝に駒を進め、自分達の可能性を見出す機会を得たいと考えていた。
試合が始まり、開始から前半終了間際までは圧倒することが出来ていた。長い芝の状態にも慣れ始めており優勢に試合を進めていく。いくつかのチャンス、決定機を演出しながら試合を支配できた。しかし、それと同時に私が考えていたのは試合後半へ向けての危機感だった。押し込める、崩せるという状態の中で得点が奪えない時というのは時間の経過と共に確実に苦しくなっていく。同じような経験を東京都予選でもしたことが記憶に新しい。更に私達は1回戦でかなりきつい戦いを強いられ、相手はどちらかというと余力を残した状態で勝ち上がってきていた。そう考えると勝負が後半へ移るにつれて消耗度の高い私達が明らかに不利だろうと考えられた。また、高校チームはフィジカル面に優れているのでそれでなくても走り勝てない。結局、前半は終了直後に体力が切れて押し込まれる以外はリズムを掴み主導権を握り試合を支配した。ただ、得点は奪えず0-0で折り返すことになる。
ハーフタイムでは相手の心理的なことに触れ、相手が何を考え、後半のゲームでどのように変化していくかを話した。また、終盤は相手が細かいパスワークという形を捨てロングボール主体のサッカーに切り替えたことが気にかかっていた。昨日の本庄第一戦でも同じようなサッカーだった為に戦い方を変える必要はなかったが途中から変化した戦い方に多少戸惑いはあった。この戦い方の変化については警戒する必要があると感じていた。
後半、完全に体力が切れてしまい相手のロングボール主体の攻撃に耐えられなくなってしまった。2トップには身体能力の高い選手を要している為に何度か危機的状況に陥ってしまったが、我々のDFラインにも足の速いDFを2枚揃えていたので何とか対応することが出来た。もしも、ここで失点を許していたら一気にやられてしまうこともあったかもしれない。後半に入り足が止まったことで相手を完全に崩しきる場面も極端に減り、正直、難しい試合だったと言わざるを得ない。前半戦で1点でも取れていれば、もっと楽な試合運びは可能だったはずであるが、それが出来なかったのは攻撃陣の2枚のキープレーヤーの不在が影響している。ゲームメイカーとエースの不在は思っていた以上にチーム状況に打撃を与えている。最終的には終了5分前に1点を?ぎ取り何とか準決勝へ駒を進めることが出来たが、今のままでは準決勝での勝利は難しい。1回戦、2回戦と完全な調整不足の中で勝利できたことは評価に値する出来事であったが、次は今回と同じようには行かない相手だと感じている。しかし、少しでも可能性がある限り全力を尽くすことが私達の使命だと思っているし、そうでなければ怪我で出場できない多くの選手達の無念を晴らすことは出来ない。今の私達に出来ること、それは今の状態でベストを尽くし、その選手達を全国大会の舞台へ連れて行くことだ。決して、簡単なことではないことは十分承知の上である。ただ、それでもここまできたらやるしかない。ここだけは引けないことだ。今、こうしてベスト4まで登り詰め、全国大会へのチャンスを得ることが出来ている。次の試合は最後の一瞬まで選手達を信じ、共に戦いたいと思っている。

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