8/27(土) 日テレ・メニーナ
reported by 川辺
決勝リーグ第2節はこの年代で都内最強を誇る日テレ・メニーナとの対戦であった。正直なところ、現段階でこの日テレ・メニーナを破り白星を挙げることは非常に困難なことである。東京に留まらず全国区でも指折りのチームだ。間違いなく、この東京都予選から関東予選へと進み本選の全国大会にも出場するであろう。もっと言えば全国の中でも間違いなく優勝候補の一角だ。そのような相手とこの決勝リーグで戦うにあたって意識しなければいけないことは1つ。勝たなければいけないのはこの日テレ・メニーナではなくFC駒沢女子と東京経営短大村田女子高等学校ということ。ここまで日テレ・メニーナとは何度か対戦してきたが、0勝1分3敗と白星は挙げたことがない。まだまだ技術レベルに差があるので無謀に挑戦するのは致命的な傷を負い兼ねない。このことから考えても金星を挙げようとするのは非現実的であり、リスクがあり過ぎる。従って、この試合に関してはリスクを背負わずいかに失点を最小限に抑えるかが大きなポイントと考えられた。ちなみに第1節のメニーナ対村田女子高校は11-0でメニーナが圧勝している。この試合で失点を最小限に抑え、得失点差の勝負になった際にもFC駒沢女子、東京経営短大村田女子高等学校に競り勝つことも考えなければならなかった。だから、私はこのスフィーダ世田谷設立以来初となる5バックという超守備的な陣形を採用した。過去に試したことも無いこの陣形が功を奏すのか?それとも崩壊を招くのか?未知数なギャンブル的要素は存在したが、チーム戦術には大きな変化が無いので今の選手達であれば対応できると信じた。
前半、日テレ・メニーナは過去の多くの大量得点試合で開始2分か5分、または10分以内という3つの区切りで先制点を奪うことで流れを掴んでいるというデータを元にこの時間帯での失点を免れることが出来ればリズムを狂わせることが出来るのではないかと推測していた。まずは2分までの失点、そして、次は5分、10分とここまでは高い意識で自分達の狙い通りに守りきることが出来ていた。現にこの時間帯には選手達も相手のスピードに対応でき始め開始直後よりは落ち着いて対応できていた。しかし、15分頃の相手のミドルシュートにGKが足を滑らせてしまい、真正面の何でもないシュートをファンブルしてしまう。それを押し込まれ痛恨の失点を許してしまう。これで選手達が冷静さを失い始め、2失点目も奪われてしまう。しかし、前半で5点でも6点でも平気に奪う相手に対し0-2という結果はまずまずの出来だと感じていた。防げた失点もあったが、必ずどこかで事故のような失点があると予想していたし、それは選手達にも伝えてあったので焦る必要はなかった。ただ、この試合を0-2で終えることがこの試合の目標であっただけに前半戦での2失点は痛かった。
ハーフタイムで選手達の表情を見る限り『負けても失点を出来るだけ抑える』という当初の目標を見失っているような感覚を受けた。0-2という現実から物事を決め付けようとしているのか、この結果で自分達の目標を投げ出すかのような雰囲気を感じた。確かに負けている状況で尚も高い集中力を保つということは考えているよりもずっと難しいことだ。選手達の精神状態や気持ちは分からなくない。しかし、目先のことに捉われ、自分達の目標や目指すべきものを失うことは有り得ない。ここまでの努力を全て無へと変えてしまう。従って、後半戦に入る前に今一度自分達の目的意識をはっきりとさせ、より高い意識で後半戦に移れるように選手達と向き合い話した。
後半、やはり、どこかで集中力は散漫な状態であった。守備に追われる精神力の消耗がそうさせたのか?それとも体力的な消耗が選手達の集中力を削いでいるのか?どちらもあるはずであるが、この真剣勝負の中でそんなことは関係ない。どんな状態になっても、どんな状況に直面しても向き合わず逃げてしまえば、それは致命的なものへと変化していく。後半は選手間のコミュニケーション不足が集中力の欠落を招いていたため、私も必死にベンチから選手達に声をかけたが、その後も選手達の集中力が戻ってくることはなかった。ゴール前の混戦から抜け出され更に1失点、PKを献上し2失点。正直なところ、この集中力で2失点に留められたのは運が良かった。結果、まずまず納得できる点差の0-4で試合を終えた。
今回の試合では目標を0-2と設定していた。そう考えれば目標を達成したことにはならない。しかし、そこまで悪い結果でもないというのが正直な感想だ。この結果が吉と出るのか?凶と出るのか?は分からなかったが、この直後に行われたFC駒沢×村田女子高校が2-2のドローであったため、私達にとっては完全に有利な状態となった。明日の村田女子高校に勝つことさえ出来れば、自力で関東大会への切符を手に入れることができる。勝てば良いという状況なので得失点差などの余計なことを考えず、明日の試合に集中することができる。後は自分達を信じるだけだ。ここまでに出来ることはやってきたし、全てにおいて最善を尽くしてきたと思っている。後悔を残さぬようグラウンドの中に全てを置いてきたいと思う。