7/24(日) 東京経営短大村田女子高等学校
reported by 川辺
先週の敗戦により3位決定戦に回ったスフィーダと村田女子高等学校。3位決定戦ではあるものの、勝ち上がることの難しい大会を勝利で締めくくることと3位入賞という結果を得ることなどは今のスフィーダにとって非常に重要なことだと考えていた。但し、ただ勝つだけではなく、先に繋げられる試合にする為に選手達には新たなテーマを要求した。新たなテーマは『勝たなければいけない試合を確実に取る』というもの。選手達にはこの試合における重要性と必ず勝たなければならないというプレッシャーを与え、試合の入り方を難しいものへと導いた。そうすることで、これから迎える緊張感のある試合に対し最低限の免疫を作ることが出来る。また、『チームの共通理解の確認、連動性を高める』という細かいテーマも要求した。チームの戦術をスムーズに実行できるよう各ポジションごとに役割と連携の確認に努めた。
前半、開始から相手ゴール前に幾度も迫り決定機を次々と演出していく。攻撃における前線の連携は悪くなく、序盤は完全に相手を上回ることが出来ていた。しかし、相手のオフサイドトラップに尽くチャンスを潰され始めると徐々に流れを失い始めてしまう。また、相手の放り込みを警戒しDFラインが下がり始めてしまうことで中盤との感覚が完全に伸びてしまった。そして、セカンドボールを尽く拾われるという連携の欠けるプレーが目立った。オフェンス陣も相手の裏に出来た大きなスペースを使いたい為に縦への攻撃に縛られてしまった。もっと、細かいパスを入れ、大きくサイドを使えれば簡単に得点を奪えたはず。ディフェンス陣もオフェンス陣も自分達で自分達の首を絞めるような連携になってしまった。前半半ばには相手にミドルレンジからボレーシュートを決められてしまうと前半終了間際にも右サイドからのクロスを頭で決められ0-2で前半を終えることになってしまった。
ハーフタイムでは戦術的な指示と相手を切り崩すポイントを指示した。また、攻守のキープレーヤー2名を同時に投入し、前半戦での修正点の改善に努めた。
後半、選手達は冷静さを取り戻し、前半戦で明らかに誤った判断をしていた部分が改善されていた。流れさえ取り戻せれば逆転できる可能性は十分にあると思っていたので焦りはなかったが、思っていた以上に早く1点目を奪うことが出来た。相手のオフサイドトラップに対し2列目から飛び出すという狙いを持った攻撃が実を結んだ瞬間だった。その後もトップの選手がオフサイドに何度も掛かってしまったが、オフサイドに掛かるということは、それだけ前線に飛び出せているということ。前半とは違い前に攻め急ぐということが少なくなったので、後半戦でのオフサイドには然程問題を感じていなかった。2点目、3点目も自分達の流れの中で奪うことができ、良いリズムで逆転が出来た。3点目の直後も決定機は何度も存在し、そこで決めきる力があれば試合はもっと簡単なものになっていたはずであるが、相手GKの好セーブにも阻まれ3-2で試合を終えることが出来た。終盤には運動量の低下から相手にチャンスを与えてしまうシーンもあったが、集中力を切らさなかったことは良かった。
選手達は試合前にかけたプレッシャーにも負けず、逆転勝利を収めてくれた。この大会では4試合を戦ったが、そのうち2つは逆転勝ち。先制点を奪われると周りが見えなくなり、チームが悪い方向に行ってしまう1ヶ月前までの姿が嘘のようだ。しっかりと相手と向き合い、そして、冷静さを保ちながら戦えるようになってきたような感じはする。これも今大会での成長の1つだと思う。特にこの3位決定戦は2点のビハインドをひっくり返して見せた。プレッシャーもあっただろうし、焦りもあっただろう・・・しかし、相手と向き合い冷静にファイト出来ていた。更に正直なところ、2点差を逆転したという記憶がない。この部分でもまた1つ成長できたのではないかと思っている。内容はともかく精神的には強くなったと信じたい。
今回の試合を勝利で終えることで3位入賞という結果を得ることが出来た。とりあえず、現時点ではこの結果に達成感を得ている。達成感を得るからこそ、これからも努力を惜しまず前進していける。前進していくためには、1つの区切りで達成感・満足感を得るということは大切なことだと思う。だから、今はこの結果を前向きに捉え納得しているし、選手達はよく戦ったと敬意を表している。但し、自分達はまだまだ未熟すぎるという自覚を持つことも重要なことだ。3位決定戦の後の決勝戦を観戦したが、トップ2との差は大きい。ここに追いつく為には並々ならぬ努力と強靭な精神力が必要。今のまま活動しても駄目だと実感させられ、強い危機感を覚えた。地を這いつくばってでも付いていく必要がある。付いていくことすら困難なことではあるが、やれるかやれないかはではなく、やらなければいけないことだと思う。高い目標を持ち、いつの日か必ず報われる日が来ると信じてゆっくりと歩んで行きたい。私達はようやくスタート地点に辿り付けただけだ。