6/11(土) 東京女子体育大学国立FC2001
reported by 川辺
東京都女子サッカーリーグ第3節は東京女子体育大学との1戦であった。我々はここまで1勝1敗という満足できる結果を残してきたわけではなかったが、徐々に80分ゲームへのコンディションも整い始めてきたため次のステップへチームが移行できる試合になるのではないかと考えていた。また、この第3節を境に1部リーグは一時中断し、全日本選手権大会東京都予選に入る。全日本選手権大会に良い精神状態で臨むためには、この試合での勝ち点3と新たな課題の抽出が必要であると考えていた。
前半、相手は大学生ということもあり、個々はフィジカル的に優れ、1対1の対応に関しても激しい局面も持っていたが、我々のチーム力の方が明らかに上回っているために押し込む展開が続いていた。中盤で落ち着かない場面はあったが、何度となく相手守備陣の裏へ抜け出し多くの決定機を演出していく。ただ、相手の裏を何度も付ける為に縦への攻撃が多くなり、DFやMFからのリズムを変える様な効果的攻撃は少なかった。時折、カウンターで応戦してくるものの、守備陣は冷静に対応し終始押し込むような展開が続いた。何とか前半で得点を奪いたかったが、数々の決定機を尽く外し0-0で前半を終えることになる。シュート数が11対0という事実からも前半の40分間でいかに攻め続けたかが、うかがい知れる。
ハーフタイムでは、決定機までは演出することが出来るものの、フィニッシュが決まらないという第1節・2節と変化がないことを指摘。決定機で狙ってシュートを流し込む意識が強く、それよりは思い切り振り切っていこうと話した。強いシュートであれば、GKのファンブルからセカンドチャンスが生まれるからだ。また、1得点が生まれれば、この試合状況なら間違いなく2点目、3点目も生まれる・・・1点目が試合を動かせる大きなポイントになることは誰もがわかっていたことだと思う。
後半、前半のこちらの内容に相手が何かの対策を立てたようには見えず、前半と変わらない戦況が続いた。後半10分には相手の高いラインの裏へ出したボールに対し、2列目から走りこんだMFがGKと1対1になる。多少、遠い場所からのシュートであったがGKが飛び出してきたためにループシュートを放ち、ようやく先制点を奪うことが出来た。そして、そこから攻撃の勢いが増し一気に3得点。その後、お互いに走れなくなるような場面が目立ちだし、終盤はお互いにシュートが1本もなかった。また、この試合においても1名の選手をデビューさせることが出来たことは収穫だった。やはり、昨年は1試合1試合が死に物狂いであったが、今期は昨年の経験を活かしある程度余裕を持った試合が出来ている。試合の流れが落ち着かないという課題はあるが、80分のゲームに慣れてきたことで後半戦でも走り負けることが少なくなってきた。現にここまでの3節で奪った得点は全て後半戦のものだ。後半の終盤に差し掛かれば、運動量は低下するが、それでも相手よりはフィジカル面でも優れているような印象は残った。
今回の試合においてはっきりしたことは、決定機における得点力不足。決めるところで決めきらない限り難しい試合では勝てない試合も出てくるだろう。しかし、負けた第1節と勝てた第2節・3節の試合の違いはどこなのであろうか?我々は先制点を奪えば、精神面でも優位に立て試合に勝てる可能性も極めて高くなる。ただ、この先制点という部分で考えなければならないのは、上記でも述べたように全て後半戦に生まれたもの。フィジカル面で相手より多少優れているから後半でも得点が奪えるということは事実であるが、その前に守備陣が先制点を奪うまでの長い時間を失点0に抑えている結果であると考えている。第1節よりも2節・3節の方が守備陣は連携が取れており、安定した試合運びを可能にしてくれている。第2節・3節の勝利は守備陣の貢献が何よりも大きな部分を占めていると感じている。極端な話、万が一、先に得点を奪われていたら、この2連勝はなかったかもしれない。あまり光に当たることの少ない黒子役の選手達であるが、チームプレーに徹し闘志剥き出しに戦い続けている姿は何よりも美しい。また、大きく勝利に貢献した選手達を称えたいと心から思っている。
守備陣を更に強固な守備ブロックに成長させ、そして、攻撃陣の早期得点という課題を克服し次の大会となる全日本選手権大会に臨みたい。我々はシードの為、7月3日が初戦になるが3週間後に迫った大会に向け、良い準備をして行くことが必要だ。次の大会は今後の成長を大きく左右する非常に重要な大会だと認識している。我々の全てを懸けて1つでも上へ登って行きたい。