6/5(日) FC PARTIRE

reported by 川辺

東京都女子サッカーリーグ1部リーグの第2節はPARTIREとの対戦であった。相手は幅広い世代の構成で中学生から社会人に至るまで在籍しているチーム。経験豊富な選手達が多く、毎年コンスタントに結果を残している手強いチームと認識してる相手。出場する選手は高校生から社会人までの選手が多いが、非常にフィジカルに優れたチームで豊富な運動量で激しく寄せ、そこからシンプルにDFラインの裏を狙う攻撃を特徴としている。この試合も難しい試合になると考えてはいたが、我々はまだまだ発展途上のチーム。特にトップチームは今年度に入ってからの調整が大分遅れている。このことを考えた時にだた勝つだけではなく、勝利と何かしらのプラスアルファが必要であると感じていた。昨年は1試合1試合が本当に死に物狂いで、他のことを考える余裕など一切なかったが、昨年1年間の経験は大きく、1部リーグという東京都トップリーグの戦いであっても狙って何かを得られるようなレベルになってきたと思っている。この本気の試合の中で新しいことを要求し、それを実行させる。正直、1週間での付け焼刃的な部分も多かったが、それでも勝たなければいけないし、十分に計算も立っていた。この第2節は勝ち点3を取ることと、新しいことへのアプローチから見出せる課題の抽出を大きなテーマとし試合に望んだ。また、スタメンに名を連ねた選手のうち3名は1部リーグデビュー戦であったため、どれだけ1部リーグという高いレベルに対応できるかを見極めることも非常に重要なことだと考えていた。
前半、相手は決して狙っていたわけではないが、相手の選手の配置とポジショニングが正にこちらのウィークポイントを付くものだったことで、出だしは明らかに相手のペースとなった。また、それは明らかに課題の抽出という面で、課題を浮き彫りにしてくれる攻撃であった。しかし、時間の経過と共に相手の攻撃に慣れ始め、守備が安定したことから効果的な攻撃に転じられるシーンが多くなり始める。シュート数では相手が上回っていたが、どれも確実なシュートではなく、最終ブロックで踏ん張ることが出来ていた。ほとんどがゴールが近いということで無理やりシュートを打つというものであった。終盤には速い攻撃からペナルティーエリア内でファールを貰ったが、前日の豪雨で両ゴール前はぬかるんでいる状態の為、足を滑らせPKを外してしまった。PKのキッカーはそのワンプレーで精神的に大きく落ち込んでしまったが、幸いなことに5分後にはハーフタイムに入ったので、そこで救われた。試合前には前半で何とか1点取ろう!と話していたので、あの時間帯で先制できれば、相手の戦意を奪う意味でも試合をより簡単にしていたのではないかと思う。しかし、それは攻めることは出来ない。何故なら、ペナルティースポットの水溜りを考えた時に私は試合前から万が一、PKを得た場合は左利きの選手に蹴らせようと考えていたにも関わらず、それを伝え忘れていた事実があるからだ。
ハーフタイムでは主に選手達のポジショニングに関しての指示だけ行った。前半戦で明らかに誤ったポジショニングを取る選手が多く非常にバランスが悪かった。そして、結果的にそのバランスの悪さが相手の攻撃を簡単にさせていた。簡単に修正できるようなものではなかったが、この試合の中で成長するためにも、この試合を戦い抜くためにもある程度、修正して戦えなければ全ての目標を失う可能性があった。
後半、ポジショニングに修正が見られたことで前半よりは相手に崩されるシーンが少なくなった。また攻撃面に関しても守備が安定したことで落ち着いてキープできるようなシーンが徐々に増え始めてきた。前半も同じであるが明らかにゴールを予感させるようなシーンは我々の方が多かったが、それでもどこか乗り切れないような感覚はあった。しかし、後半10分過ぎに相手センターバックのミスを尽き2列目から走りこんだ選手が待望の先制点を奪う。ここで勢いが増し、すぐさまクロスボールに2列目の選手が飛び込んで2点目を奪った。開始から後半15分頃までに得点を奪うべきシーンはいくつか存在したが、それを決められなかったのは反省しなければいけない。しかし、あえてこの内容から良い部分を探すのであれば先制点後にすぐさま2点目を奪えたことだ。自分達のリズムのときにしっかりと得点を重ね勝利を確実なものにしていくことは大事な要素だと思っている。そして、この2点目を境に終了までに合計5選手を出場させた。私は控えの選手も含めて全ての選手が優秀だと思っている。だから、試合が決まる瞬間にフレッシュな選手を投入し更に追加点を狙うことと守備面での安定を求め数々の選手を少しづつ出場させることを選択した。途中から出場した選手達は皆素晴らしいパフォーマンスを見せてくれ、途中出場という難しさを全く感じさせなかった。特に中1の選手を2名使ったが、その選手達も臆することなく自分達の持てる力の全てをチームに捧げてくれたと思っている。この2名の中1の選手達は1部リーグというトップリーグでの経験を積ませるために出場させたが、東京のトップレベル相手にも自分達が通用するという感覚を持てたのではないだろうか?又は何か自分なりに感じることがあったであろう。それだけでも収穫になる。また、他の3選手達は1部リーグを経験しているのでそれぞれ安定したパフォーマンスを披露してくれた。今は様々な選手に経験を与えることを目標としているので、実力者を試合に出さないこともあるが、ここまでの活動に自信を持っていれば焦ることはない。自分を信じて歩み続けてほしいと願う。
今回の試合は新しいことにチャレンジすると共に出来るだけ1部リーグ未経験者にチャンスを与えるということも考えていた。そういう意味では内容はともかく色々なことを試すことが出来、且つ様々な経験を積ませることができたので良かったと思う。更に試合に勝てたから尚良かったと感じている。前から何度も書いているが目指すは誰が出ても変わらないチーム力、そして、強力なチームを2チーム作ることだ。1部リーグは真剣勝負ではあるが、高いレベルの中で戦い、その中で経験したことやその中で得ることの出来た自信いうものは何物にも変え難いものがある。勝たなければいけない本気の試合が続くが、そんな中でも色々なことを試して行きたいと思っている、。
今回の試合での課題であった新しいことへのアプローチとその中で見出された課題の抽出と様々な選手に経験を積ませるということに関しては満足している。良くも悪くも多くのものを発見できた。内容は決して良いものではなかったが、先へ繋がる非常に重要な一戦であったと思っている。もっと高いところを目指し、一つ一つ戦って行きたい。次の第3節も翌週に迫っているが、しっかりと課題を修正し、また一つ成長した姿で試合に望み課題の修正と更なる課題の抽出を行いたいと考えている。

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