10/31(日) インターセプト

reported by 川辺

東京都女子サッカーリーグ第8節は過去に何度か対戦したことのある相手であった。お互いに厳しい残留争いの渦に巻き込まれ非常に厳しい試合になることが予想できた。我々は前節に勝利を収められたことで大きく前進できていることはあるが、ここで試合を落とすことは入れ替え戦に参入してしまう可能性が高くなる。今回の試合ですら11名の選手しか集まらず交代も出来なければ、怪我も出来ないという厳しい状態であった。そして、来週に予定されている最終節にはもっと集まらない可能性が高い。受験生が多い我々にとって、それは入れ替え戦(1月下旬)に参入してしまうこと=『降格』を意味することであった。従って、この試合は絶対に落とせない一戦であることは言うまでもないことである。
試合は開始2分で先制点を奪うことに成功。しかし、この2分間を見ただけで選手達に第7節、第8節を戦っただけの集中力を感じることが出来なかった。先制点は挙げられたものの、勝利を確信するような傲慢なプレーを連発した。散漫な集中力に傲慢なプレー・・・確かに身体能力や技術では大きく上回っているかもしれないが、このような低いレベルのサッカーに終始してしまうことでは自分達のサッカーを出すことは不可能だと悟った。相手は大人の集団なだけに非常に効率の良い攻撃を仕掛け、さすがだなと感じるプレーを随所に発揮していた。そして、前半終了間際には失点を許し、1−1のスコアで前半を終えることになる。
ハーフタイムでは選手達に話す機会を与えたが、やはり、技術面や戦術の話が多く、そればかりを修正しようとしていた。しかし、問題はそこではなく、相手との力関係で集中し切れていない闘争心の部分が問題であると厳しく指摘した。技術面での指示は何1つしていない。はっきり言ってそういう次元の話ではなかった。
後半、多少ではあるが選手達が自分達の置かれた立場を再確認し、何とかしようとする姿勢が感じられるようになった。ようやく、ワンタッチプレーなども出始め、簡単にGKと1対1の局面を作り出せるようになるが相手GKのファインセーブに尽くチャンスを潰され、なかなか追加点を決めることが出来ない。お互いに体力を消耗し、動けなくなってくるが、底力の差が出て後半20分過ぎにようやく追加点を挙げ勝利を決定付けた。試合はその後も好機を迎えるも追加点を奪えずそのまま終了した。
試合を通じて感じたことは選手達のメンタル面での軟弱ぶりである。強いチームに対し高い集中力で望めることは極端な話し難しいことではない。少しでも闘争心さえあれば、それはできる。しかし、力関係で自分達が上回っている時に勝手に試合を決めてしまう精神や心のどこかに隙間が出来る油断は必要ない。まだまだ選手として未熟であると言わざるおえない。どんな状況でもどんな状態でも常に戦える・・・いや、常に戦う集団であってほしいと願う。
この試合で良かったことと言えば勝てたことだけであるが、欲を言わなければそれが最も重要なことであるので、後半に多少持ち直し勝ちきれたことは評価したいと思う。これで来週の試合によい状態で望める。次の試合は11人揃わない可能性の方が高いが、選手達にはどんな状況でもどんな状態でも全力で戦い抜ける精神力を見せてもらいたいと思う。当然、私は相手が強豪で、こちらが11名揃わない現実があっても諦めることや試合を捨てることはない。次の一戦も全力で立ち向かうのみである。

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