5/4(火) 相模原SC(A)

reported by 川辺

抽選の結果により決勝トーナメント1回戦は神奈川県のクラブチームトップ3に入る程の強豪チームとの対戦に決まった。今まで相模原SCの中学生とは何度か対戦したことがあったがAチームと戦うことは初めてであった。名前のあるビッククラブなだけに大きな恐怖心が伴った。それは昨日の課題の修正を確認できないままにいきなりの強豪との1戦だからである。昨日のままであれば確実に負ける相手である。仮に勝てたとしても次の試合の体力的な部分は非常に不安な材料であった。しかし、『この1戦だけはスフィーダの全てを懸けて戦おう』と先の試合には触れず、終始集中して戦うことを促した。
前半、選手達は強豪との対戦ということもあり、高い集中力での戦いを見せてくれた。昨日までの試合が嘘のようなまとまりかたであった。昨日のミーティングでは入念に話し合いを行わせ、自分達でチームでの決まり事までも決めていた。それだけで状況が変わるとは思っていなかったが、強い相手を通じ、個々が強い勝利への意志を示したことがバラバラのチームを自然と1つにした。個々のサッカーではなく、あくまでチームでのサッカー・・・これができればどんな相手にでもある程度の内容を残して戦うことが出来る、スフィーダにはそのような選手達が数多く存在する。そして、その選手達は開始から素晴らしいサッカーを展開してくれた。大雨の中で行われた試合とは思えない程のスムーズなサッカーにスピードと迫力を感じた。前半半ばには次第に決定機を作り始め、相手のゴールを何度となく脅かす。しかし、相手も高い集中力で尽く、我々の攻撃をくい止めてみせる。そんな中、待望の先制点を演出して見せたのが受験以降ずっと調子を取り戻せずにいたエースの存在であった。元々、個人技は素晴らしいものがあったが、どこかチームに感性を与えるまでには至らなかった。しかし、この試合は攻撃の起点となり、攻撃に多くのバリエーションと強気な気持ちを与えてくれた。エースが乗ったら止まらない、そんな感覚を与えてくれた展開であった。得点はペナルティーエリアに個人技で進入しシュートを放つ、逆サイドを突いたシュートであったが相手GKは素晴らしいポテンシャルの持ち主であり一時はシュートストップされる、それをもう一人のFWが押し込み得点。前半は終始相手を圧倒するような素晴らしい展開。更にグランドコンディションを感じさせないチームとしての連動したパスワークは見事であった。結果、1-0で前半を折り返すことが出来た。
後半も前半の集中力が切れることはなく、流れを切らさずに試合を進めることが出来た。後半開始直後にはボランチのオーバーラップからゴール前で粘った結果、先制点を奪ったFWの前にこぼれて上手く流し込み勝ち越しに成功。そして、常に危機感を持ち戦うことで危機的な状況を与えなかった守備陣にも大きな評価をしている。芝と大雨で滑るピッチに適した素晴らしい対応をしてみせた。守備陣も徐々に連携が取れ始め試合を消化する度に安定感を増していった。その後、更に先制点と同じような形でシュートを放ち、ゴールポストに阻まれたボールを上手く拾いゴールに流し込んだ。結果、相模原を相手に3-0で勝利を収めることが出来た。この3点は全てムービングストライカーの得点であったが、調子を取り戻したターゲットストライカーが3得点中2点に絡む活躍が影にあった。得点を挙げたプレーヤーにスポットライトが当たりがちであるが、それを演出したプレーを私は評価したいと思う。それが勝利に大きく貢献したことは言うまでも無いからである。
総括になるが、この試合はチームにとって素晴らしく大きなものを与えてくれた。それは、
(1)うちのチームには絶対的なエースストライカーが同時に2人も存在すること。
(2)強い相手を通じ個々がチームとして共存できたこと。
(3)自分達で決めたチームの約束事を通じチームが大きくまとまったこと。
この試合の収穫は思いのほか大きかった。この流れをキープできるのであれば本当に最高のチームに仕上がっていくという感覚がある。まだまだ荒削りで足りないことも多いが先に大きな期待を寄せられる内容で勝利を収めることが出来た。更に試合後の選手達は『いつもと疲れ方が違う!次も行ける!』という言葉を返してくれた。確かに個人ではなく、チームとして戦えたことで体力の消費はいつも程ではないと思う。しかし、それ以上にチームとして内容のある勝利を収めることが出来たことが選手達に大きな自信を覗かせていた。この表情なら次も勝てる、そんな感覚を受けたのは久々であった。

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