7/27(日) 17多摩

report by 川辺

この日は梅雨明けを待たずに東京都女子サッカーリーグの第3節が行われた。
前節、前々節を2分けできているため、是が非でも勝利あるのみの試合となった。相手は昨年の2部リーグで4位という結果を残していて、古い歴史を持つベテランチームである。経験、実績を考慮しても不利な状況であるのは間違いないことであり、それと共にここでの勝利は目標に向けての第1歩と考えられた。
前半、開始早々に直接フリーキックのこぼれ球を迷うことなくダイレクトで押し込み先制点。これがここ2節との大きな違いであった。ここ2節では開始からチャンスは演出するも技術不足で得点が奪えなかった。取れるときに得点を挙げられないのが悪循環となり、自分達で自分達の流れを手放していた。従って、相手を勢いづかせてしまうという首をしめる展開をを披露してしまった。しかし、この取れるときに取るという結果を出すことによって、そこからは怒涛の攻撃力を発揮した。相手に追撃を許さない2点目、相手の闘争心を削る3点目・・・流れるようなパスワークからの得点は見事であった。どれもこれも素晴らしい形からの得点で相手を『崩せた』という感覚を持つことが出来た。そして、これに多大な貢献を果たしたのが、この日から復帰したキャプテンの存在であった。普段はセンターバックとして守備陣をまとめていたが、負けられないこの1戦ではディフェンシブな中盤の選手として攻守の基点を任せた。これが、結果としては大当たりになった。攻守の基点として守備では激しいプレーを見せ、攻撃における展開力は素晴らしいものを披露してくれた。今回のパスワークがあったのは他でもないキャプテンの存在であった。結果、前半は5点の得点を挙げ、5-0でハーフタイムに入った。
前半から勝負を決めるためにも選手達には最初から『全力で飛ばしていけ』と指示をしていた為、疲労の見え隠れする選手をハーフタイムで交代させるなど、最善の手は取ったつもりである。リーグ戦では得失点差が順位を大きく左右する。従って、ここで満足すれば追撃の手を緩めることになり、首を絞める事にもなる。
後半、フレッシュな選手を起用することで、またスピーディーな展開が戻ってきた。サイド攻撃を主体としたサッカーを展開し、セットプレーのチャンスを数多く得る。ここでもきっちりと得点を挙げる。後半からは選手交代を積極的に行い、疲労の見える選手はすかさずベンチに下げた。キャプテンも怪我空けということもあり予定通り後半15分でベンチに下げる。ここで数多くの選手達が途中出場でピッチに立ったが、流れが切れることはなく、次々と得点を挙げていく。以前にも述べたがチームとしての力が付いてきたことにより、戦術的な交代が可能になった。しかし、反省点として考えられるのは10-1という結果の中の失点1である。大量得点でリードすることにより、気持ちに余裕が出るのはよく分かる、がここで失点しないのが本物の強さであると思っていた。試合中に自分達で勝手に勝負を決めてしまえば必ず失点すると思っていたが、選手達は良い意味でベンチを裏切ってはくれなかった。これが若いチームの穴である。ここを修正していく精神力が身に付けば、より強いチームになっていくことだろう。
今回の試合では予想以上の大量得点で試合に勝利することが出来た。オフェンス陣もバランスよくほとんどの選手が得点を挙げ、左右、中央からバランスよく攻め込むことができた。そして、ディフェンス陣も日に日に見せる成長と安定感はチームに大きなプラス要素を与えてくれている。しかし、チームが追い込まれている状況はこれからも続く。この1戦の勝利は大きなことだが今のチームに気を緩められる瞬間はない。これからが本番である、一瞬一瞬を集中し必ず勝利を掴みたい。

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